一般的に音声通話といえば、通信キャリアが提供する音声通話サービス(以下、キャリア電話)のこと。電話番号をたよりに相手を呼び出し、応答があれば通話が始まります。近年では、LINEやFacebookメッセンジャーなどSNSアプリに組み込まれた音声通話サービスの利用者が増えていますが、やはり携帯電話にとって基本中の基本といえるサービスなだけに、消えることはなさそうです。
ご質問の「Wi-Fi通話」は、Wi-Fi回線を利用した通信キャリアの音声通話サービスを指します。通信キャリアが提供する回線に接続できない場合でも、電話番号を利用した発着信が可能になることがメリットです。
この機能を利用すると、セルラー回線にアクセスできない場所でもキャリア電話が使えます。ビル内部や地下などセルラー回線の電波が届きにくい場所でも、Wi-Fiアクセスポイントに接続できれば携帯電話としての発着信が可能になるため、電話のつながりにくさ解消に役立ちます。
Wi-Fi通話機能はOS 8のとき登場し、iOS 16の現在もサポートされていますが、日本では事実上利用できない状態が続いています。この機能は通信キャリアによるサポートが必須ですが、どのキャリアもサポートしていないからです。
アメリカやカナダでWi-Fi通話機能をサポートする通信キャリアと契約していると、『設定』→「電話」画面に「Wi-Fi通話」項目が現れます。その項目をタップし、「このiPhoneでWi-Fi通話」スイッチをオンにすれば、以降Wi-Fi通話が可能になります。
なお、「ほかのデバイスでの通話」機能もWi-Fi経由で音声通話を実現する点で似ていますが、こちらはiPhoneにかかってきた電話をMacやiPadにリレーするための機能です。MacやiPadから電話をかけることはできないので注意しましょう。