プロテックスは2月15日、「新型コロナウイルスに対する抗体の保有量調査」の結果を発表した。調査は2022年9月1日~2023年2月10日、イージードクⓇ『変異株抗体検査』を受けた国内在住の男女564名を対象に、オミクロン株ワクチン接種後の抗体保有状況を分析した。
現時点では、政府方針により、オミクロン対応ワクチンが(過去の接種歴に関係なく)1人1回とされており、また、今後の追加接種については、年1回で政府内の調整が進むと予想される。その為、どのタイミングで貴重な年1回の追加接種を受けるのか、各自判断する必要があるという。
9月にオミクロン株(BA.1)対応ワクチンが、10月にオミクロン株(BA.5)対応ワクチンが接種可能となったが、当初、2022年9月(対象者50名) の抗体量(中央値)はとても少ない状態に。しかし、年明けから2月10日までの間(対象者110名)には、参考値を超えて大きく上昇。現在流行の大半をしめているBA.5に対する抗体も一定量検出されており、10月に開始されたオミクロン株(BA.5)対応ワクチン接種の影響が大きいことがうかがえた。
次に、国内のワクチン接種率と抗体保有率(参考値以上“抗体が十分なレベル”)の関係を調べたところ、まず、ワクチン接種(5回目)を受けた人は、9月~12月まで急速に増加したが、1月以降は鈍化。一方、オミクロンBA.5に対する抗体が十分にある人(参考値以上)の割合は、9月から上昇傾向だったものの、2月(検査期間2/1~2/10)に入る頃には下降している。第108回東京都新型コロナウイルス感染症モニタリング会議の報告によると、ワクチン接種により作られた中和抗体価(RBD)は「接種後4ヶ月で低下し始める」ことが指摘されていることから、ワクチン接種率の上昇幅が鈍化すれば、今後、社会全体の抗体保有率は減少していく可能性があるという。