米Qualcommは2月15日(現地時間)、第6世代のモデム-アンテナ5Gソリューションとして「Snapdragon X75 5G Modem-RF System」を発表した。AIを活用した最適化によって、通信速度、カバレッジ、モビリティ、リンクの堅牢性、位置精度を向上させる。5Gの次の進化を見据えた設計になっており、「5G Advanced」に対応(Ready for 5G Advanced)し、3GPP Release 17およびRelease 18の機能をサポートする。
第6世代のモデム-アンテナ5Gソリューションは、AI tensorアクセラレータを統合した5G AI Processor Gen 2を採用してAI性能を前世代のおよそ2.5倍に強化し、センサー支援型のAIベースのmmWaveビーム管理技術、AIを活用したGNSS Location Gen2によって、5Gおよびロケーション性能の向上を実現した。mmWave向けの10キャリアアグリゲーション、サブ6バンド向けの5xキャリアアグリゲーション、5G FDD(周波数分割複信)UL(アップリンク)MIMOなどをサポート。優れた5G速度とともに、パフォーマンスとスペクトルの柔軟性をさらに押し進める。通信速度は下り最大10Gbps、上り通信速度は最大3.5Gbps。
Snapdragon X75には、スケーラビリティを目的に新たに構築したモデム-RFアーキテクチャを導入した。新しいmmWave-sub6コンバージドトランシーバとmmWaveアンテナモジュール「Qualcomm QTM565」の組み合わせによってボード占有面積が25%縮小し、動作の効率性が最大20%向上する。
Snapdragon X75の拡張性に優れたアーキテクチャは、スマートフォン、モバイルブロードバンド、コンピューティング、自動車、産業用IoT、5Gプライベートネットワーク、固定無線アクセスなどの製品分野で5G Advancedへの対応を可能にする。
5G Advancedは、現行の5G規格であるRelease 15やRelease 16に加えて、Release 17以降で提供される新しい機能を含む。Release 17は、エネルギー効率の改善、より高速なデータ通信、IoT向けの新機能、高精度位置情報のサポート、多様な周波数帯への対応などを含む。Release 18では、より高速で信頼性の高い通信、高度なIoT向けのソリューション、拡張現実(AR)や仮想現実(VR)への対応、エッジコンピューティングの改善などが期待されている。5Gの高度化とともに6Gへの移行に向けた準備も始まる。