雪を見ると興味を示す犬も多いはず。愛犬が雪で遊ぶ様子はほっこりしますが、雪を食べてしまっり、雪玉がついてしまった場合はどうすればよいのでしょうか。今回は、雪遊びの注意点について、いすみ動物病院 田中 芳生先生に聞いてみました。

■雪を大量に食べてしまった場合は注意が必要

犬が雪を食べてしまったら基本的に問題はありません。なぜなら、雪は水そのものです。本来、寒いところに生息していた犬にとって雪は、水の代わりの本能的に食べる行為は自然の姿です。ただし、気を付けなくてはいけないのは、一度に大量に食べると、お腹を冷やして下痢になります。人でも夏に一度にかき氷を食べると下痢するのと同じで犬もお腹を冷やすと腸の運動が過剰になり下痢になります。また、雪に小石やゴミなどが混入していると一緒に食べてしまう可能性があります。異物を食べる原因にもなるので気を付けなければいけません。雪を食べた後に、嘔吐や食欲がない場合は、大きめの石などを飲み込んでいるかもしれません。その場合は、手術で摘出しなければいけません。

別の問題としては、除雪剤や雪融解剤などが道路や庭に雪が積もらないように撒かれているがあることです。雪と一緒に食べると中毒のような症状の出る可能性があります。その場合、よだれが出たり、嘔吐、下痢などを起こします。また、足裏のパッドに付着して赤くなって炎症を起こすことがあります。この様な症状が出た場合は、かかりつけの動物病院に連れて行きましょう。

■雪玉がついてしまった場合は?

犬のパッドや毛に雪玉が付いてしまった場合、無理に取ろうとすると、毛が抜けたり、パッドの皮膚が剥がれたり、また、そのまま放置すると凍傷になることもあります。体表面の毛の雪玉やパッドの間に入った雪の塊は、ぬるま湯で溶かして取りましょう。

最近は、犬用の靴や防寒着も専門店やインターネットで販売しているので愛犬のサイズに合ったものを選んであげて下さい。それによって雪玉を予防することができます。

雪の降った後に外に出ない方がいい、犬種や体調の犬もいます。まず、メキシコ原産のチワワは犬の中では暑さに強く、寒さに弱いです。また、病気では、僧帽弁閉鎖不全を代表にする心臓疾患、気管虚脱や慢性肺炎などの呼吸器疾患、腎臓疾患に伴った高血圧症、てんかんや関節炎などを持っている神経系の慢性疾患を持っている犬は寒さで病状を悪化させます。そして、8歳を超えてくる高齢犬も寒さに弱ので雪は大敵です。

なので基本的に雪の中を散歩に行く事は、あまりお勧めできません。どうしても、雪の中で犬を遊ばせたい方は、管理されているドッグランなどで積雪している場所を選んで遊ばせることが安全かもしれません。

監修ドクター:田中 芳生先生

いすみ動物病院 獣医


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