米ブルース博物館(Bruce Museum)などの共同研究チームは、約6,000万年前に存在した新種の巨大ペンギンの化石を発見したと報告した。現在生きている最大のペンギンの3倍以上の大きさを持ち、これまで発見されたものの中で史上最大のペンギンだそうだ。科学雑誌「Journal of Paleontology」にて発表した。

化石は、ニュージーランド南島のオタゴ海岸の堆積物の中から9つ発見されたという。これらの化石は、どれも5,950万年から5,550万年前のものだそう。本研究では、これらの化石をもとに、レーザースキャナーを用いて骨のデジタルモデルを作成。作成したデジタルモデルを使い、他の化石種や現代のペンギンなどとの比較を行った。

結果として9つのペンギンの化石から、2種類が新種だと判明した。一種はクミマヌ・フォルディセイ(Kumimanu fordycei)と名付けられた。体重は、推定で154kgと驚異的な大きさをしていたという。比較として、現存する最も大きなペンギン種であるコウテイペンギンは体重が22キログラムから45キログラムなので、現存最大種よりも3倍以上の大きさを誇るようだ。

もう一種は、ペトラディプテス・ストーンハウセイ(Petradyptes stonehousei)と命名された。この種は体重が推定50キログラムと、コウテイペンギンよりもやや大きい程度だそう。

同研究チームは、この2つの新種には、細いひれ状の骨や、飛ぶ鳥に似た筋肉の付着部分など、進化の初期段階とみられる特徴を保持していることを確認したという。ペンギンが進化の初期では非常に大型化しており、そのため現代のペンギンよりも深い海域まで潜ることができ、深海でも体温を保持できた可能性が高いとしている。