リクルートの「就職みらい研究所」は2月9日、「2023年3月卒大学生・大学院生の『働きたい組織の特徴』」に関する調査結果を発表した。同調査は2022年4月30日~5月26日の期間、2023年3月卒業予定の大学生3,724人、大学院生843人を対象にインターネットで実施した。
本調査では、各項目について、A/Bの対立意見を、「A」「どちらかといえばA」「B」「どちらかといえばB」の4つの選択肢の中から自身の考えとして、当てはまるものを1つ回答する形式で聞いた。
大学生全体で見ると、経営スタイルでは「歴史や伝統がある企業である」(73.1%)、「安定し、確実な事業成長を目指している」(84.2%)、「企業固有の技術や商品、ブランド、ノウハウなどが強みとなっている」(73.3%)、「意思決定の際は、迅速性よりも正確性を重視する」(80.0%)、「現場の社員主導で事業運営が行われている」(64.4%)、「幅広い顧客と関係を築いている」(71.6%)が7割以上と高かった。
貢献と報酬の関係では、「個人の生活をサポートする制度(休暇制度や各種手当など)を充実させる代わりに、給与は低い」(70.6%)、「入社直後の給与は低いが、長く働き続けることで後々に高い給与をもらえるようになる」(74.2%)が7割超と支持が高かった。
「給与は低いが、個人間で待遇に大きく差がついたり、降格になったりする可能性は小さい」は55.9%、「評価の良し悪しによって給与があまり変化せず、安定的な収入が得られる」は65.4%、「自分のキャリアステップは自分で考え、実現に取り組むことが求められる」は59.2%、「個人の属性に関わらず、公平・公正に処遇される」は60.7%が支持している。
成長スタイルでは、「会社のもつノウハウや型を学ぶことで成長する」(72.2%)、「どこの会社に行ってもある程度通用するような汎用的な能力が身につく」(74.9%)、「短期での成長はしにくいが、体力的・精神的なストレスがかからない」(73.1%)、「周囲に優秀な人材が多く、刺激を受けられる」(74.8%)と回答した人が7割を超えた。
ワークスタイルでは、「オフィスはきれいで、整然としているが、個人にもそれを維持する規律が求められる」(80.2%)、「組織の目的や目標に向けて、チームで働くことが求められる」(77.0%)を支持する人が多かった。
「個人の裁量権は小さいが、ステータス感のある企業(組織)で働ける」(62.1%)、「仕事のやり方の型が明確で、それにのっとることが期待される」(64.2%)、「多くの人を巻き込んで行う仕事の割合が多い」(69.3%)も6割を超えている。
コミュニケーションスタイルは、「ドライな人間関係で、プライベートでは関わりがない」(30.7%)よりも「ウェットな人間関係で、プライベートも仲が良い」(69.3%)を支持する人が多かった。「コミュニケーションは希薄で、個人の自由に任せる」(22.7%)よりも、「コミュニケーションが密で、一体感を求められる」(77.3%)と回答する人が多い。
大学院生が支持する「働きたい組織の特徴」は、大学生とほぼ同じ傾向が見られるが、異なる点は「貢献と報酬の関係」の項目である。大学生は、「給与は低いが、個人間で待遇に大きく差がついたり、降格になったりする可能性は小さい」を支持する人が多いが、大学院生は「給与は高いが、個人間で待遇に大きく差がついたり、降格になったりする可能性は大きい」を支持する人が多く、考え方が逆転している。