現在放送中のTBS系火曜ドラマ『夕暮れに、手をつなぐ』(毎週火曜22:00~)。本作で若い男女の青春ラブストーリーを手掛けるのが、脚本家の北川悦吏子氏だ。2004年に放送された『オレンジデイズ』以来、19年ぶりとなるTBSでの連続ドラマ。北川悦吏子の“集大成”と銘打たれた物語は、どのような形で令和の時代に誕生したのか――プロデューサーを務める関川友理氏、橋本芙美氏、久松大地氏が企画の経緯や、北川脚本の魅力、さらには広瀬すず、永瀬廉という若手俳優たちのポテンシャルについて語った。
本作は、九州の片田舎で育ち野生児のように本能的に生きる浅葱空豆(広瀬)と、音楽家を目指し自分の才能を信じながらも、進む道に自信が持てない都会育ちの海野音(永瀬)が、東京の片隅で出会い、とっくに恋に落ちているのに、なかなか恋が始まらない姿を描く青春ラブストーリー。
脚本を務めるのが、これまで数々のドラマで珠玉のラブストーリーを紡いできた北川氏。TBSでの連続ドラマは、2004年に放送された妻夫木聡&柴咲コウ主演の『オレンジデイズ』以来、実に19年ぶりとなる。
企画の発端は、『オレンジデイズ』でプロデューサーを務め、本作でもチーフプロデューサーに名を連ねる植田博樹氏と北川氏。関川プロデューサーは「植田チーフプロデューサーと北川さんが何年も前から“ラブストーリーの集大成となる作品を作りたい”と温めていたものなんです」と説明すると「今のTBSのラブストーリーと言えば、火曜10時枠ということで、この枠で放送することになりました」と語る。
橋本プロデューサーは「若い2人の男女の青春を丁寧に描くという部分で、いわゆる最近の火ドラとはちょっと毛色が違うと思われるかもしれませんが、そこをあえて挑戦してみようという制作側の思いを北川さんに汲んでいただきました」と付け足す。
■プロデューサーから見た広瀬すずと永瀬廉の魅力とは?
広瀬すず&永瀬廉という、今をときめく人気俳優がキャスティングされた。関川プロデューサーは「北川さんと植田プロデューサーのなかで、2人で……という思いが強くオファーをさせていただきました。数年前からの思いが強い企画だったのですが、今回スケジュールの調整がつき、ようやく実現したんです」と満を持しての作品となったという。
北川が「当て書きした」と語るなど、大きな期待を背負っての参加となった広瀬と永瀬。久松プロデューサーは「今回広瀬さんとは初めてだったのですが、すごく思い切りのいい芝居をされる方。空豆という役をしっかりと自分のなかに取り入れて表現してくださっている。本当に素晴らしい女優さんだなと思って、いつも楽しく観ています」と称賛する。
橋本プロデューサーも「すずちゃんは記憶力もいいし、身体能力も高い。俳優としての必要な能力をすべて兼ね備えたうえでの、お芝居の表現力の繊細さには脱帽します。こちらが考えもつかなかったような形で空豆を演じてくださっています。空豆って脚本上ではかなりぶっ飛んだ主人公なのですが、本当に魅力的に演じてくれています」とポテンシャルの高さを絶賛する。
一方、永瀬について久松プロデューサーは「お芝居もすごくいいのですが、とても努力家。毎回シーンごとにモニターで自分がどう映っているのかチェックしに来て、いろいろと勉強をされています」と語ると、橋本プロデューサーも「努力家というのはその通りですね」と追随し「ピアノを弾くシーンがあるので練習に立ち会っていたのですが、最初はまったく弾けなかったのに、短期間で『こんなに?』と驚くぐらい上達されていて……。監督ともいろいろとお芝居に対してキャッチボールをして、繊細で優しい音くんの魅力が増すように向き合ってくれています」と語っていた。