リノべるは2月9日、「中古住宅購入+リノベは幸福度が高いって、ホント?」をテーマにメディア向け勉強会を開催。リノベトレンドの紹介や、リノベに関する"誤解"について市場データを用いながら解説した。
■「中古購入+リノベ」は新築購入者より幸福度が高い
住まいに関する考えとして、「おしゃれな住まいに住んでいるから幸せ」は誤解であると話したのは、同社 ブランド戦略部 部長 木内玲奈氏。「中古購入+リノベ」をした人と「新築マンションを購入した人」の、住まいに関する調査データを用いながら、「住まいにおける幸福は、『住まい』だけではなく『能動的に暮らしに関わること』により変化します」と解説した。
両者の住まいに対する満足度を比較すると、「中古購入+リノベ」を選択をした人の方が全体的に満足度が高いことがわかる。さらにもうひとつ特徴的なのは、「中古購入+リノベ」は満足度が低い人が圧倒的に少ないことだ。「購入した家でどのような気分で過ごしているか?」の設問についても、中古リノベ選択者は「リラックスした気分」「穏やかで満たされた気持ち」「幸せな 気持ち」が70%を超えているのに対し、「ストレス」「孤独」「といったネガティブな気持ちと回答した人はいずれも4%以下だったという。
これらの調査結果から木内氏は、「物件探しから主体的に選択をすることが満足度につながっている」と分析。「おしゃれな住まいに住んでいるから幸せなのではなく、主体的に関与することで生まれる『能動的愛着』が幸せをつくっていきます」と語った。
■マンション販売件数「中古の方が高い」傾向
続いて「家を買うなら、新築」という考えは誤解と話したのは、同社 マーケティングソリューション部 渋谷真理子氏。
近年の物件販売数推移を「新築」「中古」で見てみると、2016年に中古が新築を上回って以降、その傾向は継続しているという。新築物件の供給数が減少や価格高騰に加え、「消費者の『中古』に関する意識の変化」が影響していると渋谷氏は説明した。
賃貸住まいの人に「住み替え後の希望居住形態」を聞いた調査結果(2018年)によると、「こだわらない」「中古住宅」と回答した人の合計が56%にのぼり、2003年と比較すると26ptも上昇したそうだ。
さらに、現在も課題視されている「空家問題」に関するデータも引用。築30年以上のマンションストック数は2041年末に588万戸に達する見込みとなっており、20年間で2.4倍に膨れ上がる見込みという。
これらの市場予測も鑑み、「今後更に中古物件・築古物件へのマイノリティ感は減少し、一般的な選択肢になっていくと思います」と渋谷氏は話した。
■「部分リノベーション」でコストも時間も抑え、フルリノベと同じ満足度を得る
さらに、「リノベーションは時間・お金がかかる」というリノベに対するイメージについても、誤解のひとつだと渋谷氏は続けた。
近年のストック物件の増加と共に買取再販事業への参入プレイヤーが増え、「リノベーション済物件」が増加傾向にあるという。そういった物件を購入することで刷新されている設備はそのまま活かし、気になるところだけ"部分リノベーション"で自分好みにカスタマイズをするという人も増えているそうだ。部分リノベーションであれば、工期もコストも抑えることができる上、住居後の満足度はフルリノベをした人と同様に高いという調査結果も出ているという。
「中古購入+リノベーション」という手段の中にも、住居に求める希望や予算など、それぞれの条件に合わせて多様な選択肢があり、一概に「リノベーションは時間もお金もかかる」選択ではなくなっているようだ。