イタリアのフィアットが日本に投入した商用車「デュカト」(DUCATO)は、キャンピングカーのベース車両としても活躍が期待できるクルマだ。先日の「ジャパンキャンピングカーショー2023」(2月3日~6日、幕張メッセ)には、デュカトの正規ディーラーとなった各社が個性あふれる架装を施した自慢の1台を展示していた。一部ではあるが、気になったクルマを取り上げたい。
サイズをいかした多様なアレンジが魅力
デュカトはフィアットプロフェッショナル(FIAT PROFESSIONAL)のベストセラー小型商用車。ステランティスジャパンは昨年、デュカトの日本市場導入を発表し、国内5社と正規販売代理店契約を締結していた。今回のジャパンキャンピングカーショーは、各社がデュカトで作ったキャンピングカーのお披露目の場となったようで、会場にはデュカトベースの個性的なクルマが並んだ。
最新のデュカトは「キーレスエントリー&ゴー機能」を搭載。キャビンおよび荷室ドアのロック/ロック解除やエンジンの始動はキーなしで行うことができる。電動パーキングブレーキを装備しているので、キャビンはすっきりとした印象。スマートフォンのワイヤレス充電はもちろん、車内には2つのUSB-Aポート、USB-Cポート、電源コンセントを備えている。エンジンは2.2Lの直列4気筒ディーゼルターボ。動力性能は最高出力180PS、最大トルク450Nmだ。
運転席および助手席にはキャプテンシートを採用。これらの座席は180度回転させることが可能で、前後にスライドもさせられる。キャンピングカーとして使用する際には、後ろに設置したテーブルの方向を向いて、テーブルとの距離を調整して腰を掛けることができる。
デュカトの取り扱いを始めたディーラー各社のブースで話を聞いてみると、以下のようなコメントがもらえた。
「デュカトは運送業務やキッチンカーとしての需要も高い」
「国産車でここまでの車格のクルマはないし、スタイリッシュでハイパワーなところもデュカトの特徴」
「国産車よりも高く感じるかもしれないが、例えば素の状態のハイエースにデュカト並みの装備をオプションで付けていけば、そこまで価格は変わらない」
「国産車に比べれば壊れやすかったり、整備がしにくかったりということはあるかも。これから評価が進むだろう」
各社によればジャパンキャンピングカーショーでの反響は上々だったそうで、中には現場で契約が成立したケースもあったという。納期については1年とか1年半という回答が多かった。