SNSなどで見掛ける「懐古厨」について解説します。
懐古厨(かいこちゅう)の意味とは
「懐古厨」とは、「昔の方が良かった」といった発言を繰り返す人たちを指すネットスラングです。単に昔を懐かしむというよりは、現在を否定するニュアンスがある人に対して使われます。
特にアニメやゲームといったエンタメ作品や、アイドルなどについて意見を述べる人に使われることが多いようです。
懐古厨の成り立ち
「懐古」とは「昔のことを思い出して、懐かしく思うこと」という意味の言葉です。
「厨」とはもともと「おひつ」「台所」などを意味する言葉ですが、ネットスラングでは「中学生のような幼稚なことを言う人」「中毒の人」「迷惑な人」などを表すとされています。
よって懐古厨とは、「昔を懐かしむあまり現在の良さを否定する、幼稚で迷惑な人」といった蔑視的な意味が込められているとされています。
懐古厨の明確な発祥は不明ですが、2000年代初期ごろから、インターネット上の巨大匿名掲示板である『2ちゃんねる』(現『5ちゃんねる』)などで見掛けられるようになりました。
懐古厨と呼ばれてしまう人とは
実際にはどんなことを言ったり、ネット上に書き込んだりすると、「懐古厨」と呼ばれてしまうのでしょうか。例を紹介します。
- 「あの映画のリメイク版は駄作。オリジナルの方が何倍もいい」
- 「このゲームは◯作目までは良かったけど、最近のはレベル落ち過ぎ」
- 「最近のアニメは全然面白くない。それに比べて○○年代のアニメは神過ぎる」
- 「○○の声優は△△しか認めん! 新しい声、違和感あり過ぎ」
このように、単に過去のものを称賛するだけでなく、現在のものを否定してしまうと、「懐古厨」と呼ばれてしまう可能性があります。
懐古厨の使い方と例文
懐古厨の例文を参考に、使い方のイメージをとらえましょう。
ただし相手に直接「懐古厨」と伝えるのは印象が良くないので、使う相手やタイミングには注意が必要です。SNSなどの書き込みでは、自虐的に「懐古厨」を使うケースも見られます。
- 「この漫画、一回休載してから質が落ちたよなー」「懐古厨め…今も面白いよ!」
- 「あー、あのときの○○は輝いていたなあ(懐古厨)」
- 「このときの○○が一番好きだな~(懐古厨でごめん)」
- 「○○が脱退したのが悲しすぎて、ひたすら○○がいたときのライブ映像を懐古厨してる」
昔の作品にも今の作品にも、リスペクトを持って楽しもう
懐古厨とは、昔の作品や物事を神格化し、逆に現在のものを見下す人に対し、さげすんで呼ぶネットスラングです。
どんな物事にも、過去のものには過去の良さ、今のものには今の良さがそれぞれあるはずです。また何を良いと思うかの感性は人それぞれです。敬意を持って、それぞれの作品や他人の意見に向き合いたいものですね。