春は新生活をスタートさせるタイミング。その際、新しい住まいを見つけようと考えている人も少なくないはずです。とはいえ、何を基準に探せばいいのか、どんな部分を重視するべきなのか、悩んでしまうポイントだらけですよね。そこで今回は、マイナビニュース読者に「住まい探しにおける悩み」についてアンケート調査を実施! そこであがったお悩みをその道のプロにぶつけてみました。
答えていただいたのは、アットホームで広報を務める西嶋優理子さん。西嶋さんは、全国に6万を超える不動産会社が加盟しているアットホームで、実際にユーザーの声を聞き、住まい探しについてのトレンド調査や情報発信を行っています。
今回は、物件探しをする上で"ここが知りたい"と思うポイントをQ&A形式でご紹介。きっとあなたの悩みを解決するヒントが見つかるはずです!
■後悔しない家探しテクニック
今回のアンケートでは、住まい探しを経て、実際に賃貸物件に住んだことのあるユーザーをはじめ、これから初めての住まい探しをする人たちからリアルなお悩みがたくさん届きました。住んでから後悔したくない! 失敗したくない! そんな不安回避テクニックを、一緒に学んでいきましょう。
Q1. 隣人との付き合い方や、夜の騒音が気になります。事前にそれを見抜くことはできますか?
音の問題については、内見をした際に、隣や上の部屋の生活音がどれくらい聞こえるかを気にしてみてください。また、部屋の内部だけでなく、車通りなど物件の周りの環境もよくチェックすることが大切です。昼と夜で印象も変わるので、いずれの環境も事前に見られたらいいですね。
建物構造といった側面から考えると、防音に優れていると言われているのは、木造よりもRC造(鉄筋コンクリート造)やSRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)。それを選ぶのも一つのポイントです。
また、「その物件にどんな人が住んでいるのか?」ということは、なかなか不動産会社さんにも聞きにくいことかもしれません。そういう時に自分でチェックできるのは、共用部分。「ゴミ捨て場がきれいに使われているか、管理されているか?」「駐輪場にはどんな自転車が止まっているか?」などを見てみましょう。子ども用の自転車が止まっていたら、そこにはファミリーが住んでいるんだなと予想できますよね。ぜひ注目してみるといいと思います。
Q2.排水口の詰まりやシャワーの水圧など、水回り問題に悩まされないためには?
内見時、下水やお風呂の排水口の匂いをチェックするといいと思います。水圧については、不動産会社さんに、内見時シャワーを出してもいいか確認してみてください。オーナーさんや不動産会社さんの意向にはよりますが、見せてくれるところも。また、チェックしたい旨は、内見当日ではなく事前に伝えておいた方がいいでしょう。
Q3.給料と家賃の理想的なバランスっていくらなのでしょうか?
よく言われているのが、「手取り額の30%」。もちろん地域差や収入状況の違いもあるので一概には言えませんが、これが多くの方の経験則による目安だと思います。
ちなみに一人ではなく、カップルで住む予定の方々には、少し違った基準をお伝えできればと思います。オススメする賃料の決め方は、"2人で出費できる上限(それぞれの手取り額の30%)の80%まで"にするということです。
例えばですが、新婚カップルで言えば、子どもができ、産休・育休に入ることで共働き夫婦の収入バランスが変わることがあります。結婚や子育てなど、ライフステージの変化に伴って、収入や出費が変わってくるので、未来を考慮した上での検討が最善かと思います。
Q4. 住んでみたらインターネット環境が悪かったのですが……。
まずインターネットに関する表記に関してお伝えしますね。インターネット"完備"と書かれている物件も最近は多いと思うのですが、これは、回線工事と契約が済んでいる状態で、入居してすぐに使えるようになっていることを指しています。この場合、建物全体で同じ回線を利用しているため、利用が集中する時間帯は通信速度が遅くなってしまうという懸念点が考えられます。その点を考慮しておく必要があります。
そしてもう一点、当たり前のことのように思いがちですが、内見時に携帯の電波が入るかのチェックは意外と大切です。実は部屋やデバイスを使用する高さによって、入る電波レベルが違うことがあるんです。それぞれの部屋や、寝ながら使う人であれば低い位置での電波の入り具合もチェックしてみてください。
Q5.どんな優先順位で物件探しをするべきですか?
ご自身のライフスタイルを振り返り、絶対に譲れない条件を3つに絞ってみることです。何時に寝て何時に起きるのか、部屋によく友人を呼ぶのか、自炊をよくするのか、荷物は多いのか……などを考えてみてください。
もし住まい探しが2回目以降の方は、現在住んでいる部屋で不便に感じていることを、リストなどを作って整理してみてください。こういう条件だったら今の不便さを解消できるんじゃないか、というような改善点に注目した住まい探しができると、よりいい物件に出会えると思います。
Q6.物件を契約する上で入居者が負担するべき項目がよく分かりません。
賃貸契約にかかる初期費用は、細かくわけると、敷金、礼金、仲介手数料、家賃、鍵交換費用、保険料を指すことが一般的です。この初期費用をなるべく抑えたいという方も多いかと思いますので、オススメは、引っ越しシーズンと言われる1~3月を避けること、または敷金や礼金が低く設定されている物件を探すことです。
そのほか、直接的な費用を抑えたいという方には、フリーレント物件もオススメですね。フリーレント物件とは、一定期間の家賃が発生しない物件のこと。新居の契約日によっては、現在の住まいと二重で家賃を支払わなければいけなくなることもありますが、フリーレント物件はその必要がありません。二重支払いを回避できるという点がメリットですよ。
■入居・退去時の見落としがちなポイントとは?
さらに西嶋さんは、意外と見落としがちな入居・退去時のチェックポイントも教えてくれました! チェック表とあわせて確認してみてくださいね。
【入居時】
・コンセントの位置、数
数はもちろん重要だと思いますが、意外と見落としがちなのはコンセントの位置。例えばベッドの近くにコンセントがなくて携帯を充電するのが大変(延長コードでつなげる)……などという声をよく聞きます。内見の際に注目してみてください。
・冷蔵庫など家具・家電の位置
今住んでいる物件では不便に感じていなかったけど、新しい物件でキッチンの動線を考えた時、ちょっと邪魔になってしまう……というケースが多発しています。冷蔵庫の扉が壁に当たってしまうなど、ちょっとしたトラブルも起きやすい場所なので、意外と注意が必要です。冷蔵庫と同じように、洗濯機など家電・家具の置き場もぜひチェックしてください。
【退去時】
・インターネットショッピングなどの住所変更
退去時、転居先の住所に変更しないままにしてしまうことも起こりがちなトラブルです。前の住所に荷物が置き配されてしまった、前の住所宛てで出前を頼んでしまったなどというケースが目立っています。
・郵便物の転送手続き
新しい入居者から、前の入居者の郵便物が届いているという相談が寄せられることも多いですね。大切な書類が手元に届かない……などといったトラブルが起こらないように、住民票の転出・転入手続きだけでなく、郵便物の転送届も忘れないようにしてください。
この記事で、あなたの悩みや不安を少しは軽減することができたでしょうか。みなさんが満足のいく物件に出会えることを応援しています!