BMWモトラッドの電動スクーター第2弾となるシティコミューター「CE 04」に試乗した。クルマ同様、バイクにも電動化の波が押し寄せる今、BMWは電気で走るバイクで何を提案してくるのか。CE 04にはどんなBMWらしさが詰め込まれているのか。体験してきた。

  • BMWモトラッド「CE 04」

    2022年4月に発売となった「CE 04」。価格は195万円と少々お高め?

日本仕様の特別装備は?

BMWモトラッドの佐伯要GMによれば、CE 04は「BMWモトラッドの新しい側面」を見せてくれる電動スクーターだという。日本での車両区分は軽二輪車(排気量125cc~250cc)に該当し、普通自動二輪運転免許(AT限定)以上で運転できる。

  • BMWモトラッド「CE 04」

    「CE 04」の車両サイズは全長2,285mm×全幅855mm×全高1,150mm(空車時800mm)

簡単にスペックをさらっておくと、電気駆動システムは最高出力31kW(42PS)の永久磁石式電気モーターと60.6Ah(8.9kWh)のリチウムイオンバッテリーの組み合わせで、最高速度は120km/h、航続可能距離は約130kmとなっている。急速充電方式のチャデモ(CHAdeMO)は非対応だが、普通充電でも約4時間でバッテリーが満タンになる。

日本仕様車と海外仕様車ではいくつか相違点がある。例えば日本仕様のライディングモードは「エコ」「レイン」「ロード」の3種類に加えて、より早く加速できる「ダイナミック」が追加されている。また、冬季のライディングにうれしいシートヒーターとグリップヒーターが標準装備となっている。

  • BMWモトラッド「CE 04」

    ライディングモードは左上から時計回りに「エコ」「レイン」「ダイナミック」「ロード」の4種類。選んだモードによって回生と出力設定が異なる

  • BMWモトラッド「CE 04」

    シートヒーター(左)とグリップヒーター(右)はそれぞれ3段階の温度調整が可能

電動なのに走行音が気持ちいい?

ここからはCE 04に乗って感じたことをお伝えしたい。

佐伯GMは「振動がなく乗っていて楽チン」「バイクに乗りたいというよりも、通勤などで移動したいということであればこちらの方がいいかも」と話していたが、実際のところはどうなのだろうか。

走り出すと、確かに車両からの振動はあまり感じないが、路面コンディションはハンドルを通してダイレクトに伝わってくる。このあたりはほかの電動バイクに似たイメージだったが、違いを感じたのがモーター音だ。

電動バイクといえば静かな走りが大きな特徴といえるが、CE 04はスピードが上がるにつれて「ウィーン」という小気味良い音が聞こえてくる。バイクにおいては音もひとつの魅力といえるため、あえて走行音を作り出しているのかと思ったのだが、特に意図して味付けしているわけではないそう。おそらく、クランクシャフトから距離があるので音を拾いやすいか、もしくは原付相当のモデルや電動キックボードのようなEVモビリティよりも単純にモーター出力が大きいためとのことだったが、乗っていて楽しいと思えるのは断然CE 04だった。

  • BMWモトラッド「CE 04」
  • BMWモトラッド「CE 04」
  • BMWモトラッド「CE 04」
  • BMWモトラッド「CE 04」
  • 「CE 04」は移動手段としても優秀だが、乗って楽しい電動バイクでもある

BMWモトラッドでは今後、電動バイクを拡充していくつもりなのか。佐伯GMは「結局のところ、お客さまがバイクに求めているものを技術的にカバーできるようになれば、おそらく次の電動バイクも出てくると思います。ただ、例えば大きなSUVを作ってそこにバッテリーを積めばそれっぽくなる自動車とバイクは違います。コンセプトモデルとしては『BMW Motorrad VISION NEXT100』や『BMW Motorrad Vision DC Roadster』を発表していますが、まだ正式発表にはいたっていませんので、まだまだこれからというところだと思います」と話していた。