BBソフトサービスは2月9日、子どもや高齢者などの居場所を保護者のスマホで確認できる小型GPSトラッカー「+Style まもサーチ3」を発表しました。同社直販サイトでの販売価格は5,280円で、別途月額528円の通信料金がかかります。
BBソフトサービス取締役執行役員・プラススタイル事業本部長の近藤正充氏は、まもサーチ3の狙いについて次のように語りました。
「令和3年の行方不明者は約8万人で、認知症などで行方不明になる人が1万7000人以上います。『犯罪被害』や『事故遭遇』は『その他』に入るのですが、1万人弱ぐらいいるのではないかと思われます。この製品のターゲットは、まず小学生などの世代と高齢者です。70代から80代の高齢者が認知症で行方不明になってしまうことも多いので、スマートプロダクトでこの問題を解決したいと考えています」(近藤氏)
まもサーチ3は「子どもの行動を専用アプリに表示」「指定したエリアから出ると通知」「お迎えや帰宅を教える『現在地発信』」の3つの機能を搭載しています。
「まもサーチ3を持つ家族の位置が分かるだけでなく、どういう経路で動いたのかも分かります。また、アプリで学区などのエリアを指定すると、そこから出た時にアラートをスマホアプリに飛ばす機能もあります。本体の真ん中にあるボタンを長押しすると、スマホアプリに場所をお知らせする機能も備えています。メインのユーザー合わせて5人で見守りができ、1つのアプリで5台まで登録できます」(近藤氏)
まもサーチ3は、2021年にIoTBankが発売した「まもサーチ2」をブラッシュアップした新モデルという位置付けになります。
「(購入者のアンケートによると)まもサーチ2購入の決め手は『価格』『位置情報の精度』『バッテリーのもち』が中心になっており、この3つをブラッシュアップしたものがまもサーチ3になります」と近藤氏は語りました。
販売価格は、「まもサーチ2」の5,980円から5,280円にダウンしており、「さらにお求めやすい価格でより多くの人に使っていただき、行方不明をなくすことが多くの人に浸透していけばいいなと思っています」と近藤氏は語ります。
位置情報測位は「携帯電話基地局(ソフトバンクのLTE網を利用)」「GPS」「Wi-Fi測位」の3種類を組み合わせています。
測位精度についてはまもサーチ2と同等ですが、「Wi-Fi測位をどのAPI(アプリケーションプログラミングインターフェース)を使うか、そのAPIとGPSの精度とどう合わせるかが大きなノウハウになっており、ここを常にブラッシュアップしています」と近藤氏は自信を見せます。
バッテリー駆動時間は1回の充電で最大2カ月と、まもサーチ2の約2倍にアップしました。
「省電力の通信用モジュールを採用したほか、できるだけ筐体サイズが大きくならないように高密度バッテリーを使うことで2倍のもちを実現しました。ここはかなり苦労したポイントです」(近藤氏)
「通信料はほかのメーカーとほぼ変わらないですし、測位精度も機能は一緒ですが、そのノウハウが違うかなと思います。アマゾンの口コミ評価もほぼ最高の点数で、バッテリー駆動も約2カ月ということで、最高のところと違いがありません。アプリの使い勝手は若干B社の方がよかったりしますが、ブラッシュアップしてよくしていきたいと思います。サイズは小さく軽いうえに、アクセサリーもあります」(近藤氏)
別売で10色のケースを用意するほか、4月以降にはシニア向けの皮革ケースやペットの首輪に付けられるアタッチメントなど、さまざまなアクセサリーを発売する予定とのことです。
「子ども向け団体の推薦も取得しており、安心して家庭に導入いただけると思います。販売はECサイトでの販売がメインですが、子ども向けの要素が強いので、そういった販路を持つ企業とコラボしてしっかり商品を身近なところに届けたいと考えています」(近藤氏)
iPhoneユーザー向けの「まもサーチTag」も同時に発売
まもサーチ3と同時に、アップルの「探す(Find My)」ネットワークに対応する紛失防止タグ「まもサーチTag」(直販価格3,480円)も発表しました。
「iPhoneユーザーは別途アプリをダウンロードすることなく、『探す』アプリを使うことで探せるタグです。本体の真ん中にボタンが付いており、ボタンを押すことでスマホの場所を探したり、スマホを鳴らすこともできます」(近藤氏)
3月31日までの期間限定で、まもサーチ3は3,680円、まもサーチTagは2,780円の値引き販売を行う発売記念キャンペーンを実施します。
さらに近藤氏は、まもサーチ3について「より多くの方に使っていただきたいので、数量がまとまった場合に限りますが、自治体や学校に1万台まで無料提供します」と語りました。
「お申し込みいただければ、お話ししたうえで提供させていただきます。ただし、別途通信料はかかりますので、それはいただきます。(無料提供が)1万台になった段階で提供を終了します」(近藤氏)
まもサーチシリーズは専用アプリを利用し、同社が提供する「+Style」ブランドのIoT家電を管理・操作できる「+Style」アプリとの連携機能は用意していません。しかし、今後の展望について近藤氏は次のように語りました。
「+Styleアプリからまもサーチアプリを立ち上げることはできますが、現時点ではほかのプラススタイル商品との連携はできません。将来的には、外での行動によって家電を動かすといったことはしていきたいと考えています」(近藤氏)
+Styleブランドは、室内の家電を赤外線でコントロールできる「スマート家電リモコン」や「スマート電球」、カーテンを遠隔操作できる「スマートカーテン」など、さまざまなスマートホーム家電を取りそろえています。+Styleアプリでは、位置情報の変化や日の出・日の入りなどさまざまな条件に応じて家電を自動コントロールする機能も備えているため、今後連携することになると、さらにさまざまな活用ができそうです。