事前に公開された実技競技の概要をデモと共に説明
2日目に行われる実技競技は、計3問が出題される。うち2問は問題が非公開となっており、物理と生物の分野から出題されることだけが発表されている。
残る1問は総合競技で、すでに問題の内容が公開されている事前公開競技だ。「おかえりフックン船長」と銘打たれたこの問題は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が宇宙センターを構えるつくば市にちなんで、小惑星探査機「はやぶさ」のサンプルリターンミッションをイメージした内容となっている。
具体的には、各校に配布されたセンサなどの部品からなるカートで、各センサが取得するデータをマイコンで処理・制御しながら、設定されたコースを自律的に航行し、小惑星サンプルを模したクリップをスタート地点まで持ち帰ることができるか、といった内容。なお従来の大会とは異なり、大会当日の製作時間はなく、事前に作り込んだカートやプログラムを持ち寄り、会場での試走や調整を行ってからチャレンジに臨むことになる。
航路内には8つのチェックポイントが用意されており、それぞれを通過することでポイントが加算される形式。また2種類用意されるクリップのうち、銀のクリップを持ち帰った場合には10ポイント、赤のクリップを持ち帰ることができれば20ポイントが加算されるなど、ボーナスポイントも用意される。同競技の満点は120点で、タイムが同じ場合には走行に要した時間が短いチームを上位とするという。
競技のポイントとして、どのセンサを使ってどのような情報を取得するか、またそれらに基づいてどういった制御プログラムを用意するかが重要となる。加えて、用意されたマイコンはメモリサイズが限られているため、いかに無駄のないプログラムを構築できるか、といった点も鍵になるとする。