福岡県と「Commercial Japan Partnership Technologies」(CJPT)、JR九州は、2023年夏頃開業予定の日田彦山線BRT「BRTひこぼしライン」において、環境にやさしい次世代エネルギーである水素を活用した燃料電池小型バス(FC小型バス)の実証運転を実施することに合意したと発表した。実証運転期間は2023年秋頃から2025年春頃までを予定している。
この取組みは、カーボンニュートラル実現に向けた水素社会構築をめざし、福岡県とCJPTとの間で2022年12月26日に締結した「水素社会実現に向けた商用FCモビリティ普及に関する連携協定」の具体化の第1弾に。福岡県とCJPT、JR九州の3者により、地域交通へのFCモビリティ導入の実現に向け、実証運転に取り組む。
「BRTひこぼしライン」は、「ひと、地域、みらいにやさしい」をコンセプトに、地域の人々の協力を得ながら開業に向けて準備が進んでいる。次世代車両であるFC小型バスの実証運転は、「環境にやさしい交通機関」として地域振興の歩みをさらに進めるものになると期待されている。今後、FC小型バスの実証運転開始に向け、3者で準備を進めていくとのこと。
実証運転の意義とねらいに関して、将来のエネルギーである水素を地域全体の持続的な成長につなげるとともに、住民の身近な地域交通利用を通じて水素への理解を深めること、FCモビリティ導入の可能性を検証し、グリーン交通実現に向けた地域公共交通の選択肢拡大につなげること、地域交通への水素利用拡大を図るとともに、日田彦山線沿線地域の振興にもつなげることを挙げている。
この取組みで、福岡県は全体調整や実証運転の環境整備に向けたサポート、CJPTは次世代水素バスの開発企画や実証車両のコーディネート、JR九州は「BRTひこぼしライン」での実証車両の運転という役割を担う。
FC小型バス1台(トヨタ製FCコースター)を実証運転車両とし、定員20名(運転手含む)、座席14席を予定。環境にやさしい水素エネルギーのイメージと「BRTひこぼしライン」沿線に広がる青空を表現した車両デザインとなっている。「おりひめの羽衣」をイメージした模様により、「BRTひこぼしライン」オリジナル車両として他の車両と統一感を持たせたデザインにもなった。