お笑いタレントのビートたけしが8日、東京・浅草の東洋館で行われた「『第5回江戸まち たいとう芸楽祭』たけしが認めた若手芸人 ビートたけし杯『お笑い日本一』」に登場し、昨今のお笑い界について語った。

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今年で5回目となる同コンテストは、「江戸まち たいとう芸楽祭」の実行委員会名誉顧問を務めるビートたけしの「つまらない奴が審査しても意味がない。その日一番ウケた奴が賞を持って行け」という意気込みで開催。「第2のたけし」発掘を目指すとともに、たけしが修業を積んだ浅草を“お笑いの聖地”として再認識し、世に発信することも目的としている。

この日行われた本戦には、オッパショ石、センチネル、TCクラクション、ハンジロウ、ポンループ、まんじゅう大帝国、や団、ヤーレンズの8組(五十音順)が出場。たけしに加え、高田文夫、ナイツが審査を担当し、ハンジロウが優勝に輝いた。

たけしは「今年は腕がいい」と全体のレベルが高かったと評価し、「ただ、若いのに舞台慣れしちゃっているなという怖さもある」と発言。「地上波とかコンプライアンスの問題で好きなことが言えない時代にお笑いを目指している人たちはちょっとつらいかなと思いますが、これだけの腕があってネタもいっぱいやりそうですから、頑張って、一番つらい時代を乗り越えて、いずれブームが来るので、そこまでいろんなネタをためて売れてほしいと思います」とハンジロウにエールを送り、「おめでとうございました」と祝福した。

たけしはまた、「我々の頃はお笑いがお年寄りのための娯楽みたいなところがあったけど、関西から若手が出てきて、若手の世代の客が増えてきて、それにテレビが便乗して過激な発言も許してくれた時代もあって、漫才ブームがそれから2回くらいあった」と振り返った上で、「今はネタをまいて全部刈り取っちゃった、すっからかんの不毛地帯みたいなところがあって、芸人が化学薬品で芽を出した植物に見えてきて、有機農業のすごさがあまり感じられない時代に来ている」と今のお笑い界について言及。

続けて、「もうそうそろ有機の時代がいいという雰囲気が出てきたので、これからブームになれば、新しいネタと新しいお笑いのスタイルができると思う。不毛の時代はやっと終わりにかかってきているなという感じがします」と希望も口に。さらに、「浅草にもっと芸人が昔みたいにワーワー歩いて、客ももうちょっと集まってくれるような土地になって、浅草から出て行った芸人が関東のお笑いを席捲するような時代になればいいと思います」と願いを込めた。