グレイスグループは2月7日、「社会的適応による卵子凍結」に関する調査結果を発表した。調査は2022年12月13日〜25日、2020年8月~2022年12月の間にグレイスバンクを利用した卵子凍結経験者を対象にインターネットで行われ、71名の有効回答を得た。
年代は「30~34歳」(23.9%)、「35~39歳」(53.5%)と30代が多く、「会社員」(71.8%)が7割を占めた。自身の年収は「600~799万円」(28.2%)、次いで「400~599万円」(25.4%)、「800~899万円」(18.3%)、「400万円未満」(15.5%)だった。
卵子凍結をしようと思ったきっかけを教えてもらったところ、「自身の年齢を考慮し、将来の選択肢を増やしたいと思った」「AMH検査を受けた結果、実年齢より数値が低く不安に思った」「キャリアとライフプランの両立のため」という声が多かったほか、「勤めている会社が卵子凍結の福利厚生を導入したから」という声も。
卵子凍結全体を通じての満足度を教えてもらったところ、66%が「満足している」と回答。「自分自身を見直すきっかけになり、自分をより大切に思えるようになった」「年齢に対する焦りを解消できた」「将来妊娠したときにもっと満足度が高まると思う」という声が多くあがった一方で、「想定以上に費用が高かった」「思ったよりも採卵できた卵子の個数が少なかった」という声も見受けられた。
次に、採卵費用を教えてもらったところ、多い順に「70万円以上」が37%、「40~49万円」が35%、「50~59万円」が20%という結果に。採卵費用を「高い」と感じた人は76%を占め、経済的な負担がハードルの1つと言えそう。
また、痛みレベルを5段階で評価してもらったところ、レベル2が最多の31%。約6割が1~3と評価しており、痛みが原因で卵子凍結を躊躇する人も多いなか、実際は小~中程度の痛みと感じた人が多いよう。もっとも痛みを感じたことは、「採卵手術」(42.3%)で、次いで「術後の子宮・おなかの腫れ」(28.2%)、「排卵誘発時の注射」(12.7%)と続いた。
さらに、卵子凍結の一連の流れで一番大変だった・つらかった・困ったことを聞くと、「痛みや体への負担・不調」(26.8%)や「自己注射の怖さ・精神的負担」(19.7%)よりも、「通院のための仕事の調整」(約4割)をあげる人の方が多い結果に。実際、通院の回数(カウンセリングを含む)は「7回以上」(42.3%)」や「5回」(22.5%)」など、約2週間のうちに複数回必要となる通院予定が必要になるよう。
最後に、「卵子凍結を友人に勧めたいと思いますか?」と尋ねたところ、約7割が「勧めたい」と回答した。