JR貨物は、全国通運とともに、全国通運の所有する31フィートのオートフロアコンテナを活用し、明治と昭和産業の共同による鉄道でのラウンドマッチング輸送を開始したと発表した。

  • オートフロアコンテナの貨車積載の様子(JR貨物提供)

JR貨物と全国通運、明治、明治ロジテックは、物流業務の省力化を実現できるオートフロアコンテナの活用によるモーダルシフトを検討し、2021年9月以降、岡山県の倉敷工場から埼玉県の倉庫まで貨物鉄道輸送を開始している。輸送開始後、JR貨物と全国通運は、復路において空回送となっていたコンテナの有効活用として、千葉県から兵庫県向けのモーダルシフトを検討する昭和産業と復路利用について検討し、2023年2月から両社の共同輸送を開始した。

コンテナの内部(JR貨物提供)

オートフロアコンテナは、全国通運の所有する荷台の床を電動でスライドさせる装置を備えた貨物鉄道輸送専用のコンテナ。荷物を荷室の入口に積み、床ごと奥にスライドさせることで荷物を荷室の奥まで移動できるため、積卸し時に荷室内で作業を行う必要がなく、作業時間が短縮されるとともに、作業者の業務負担の軽減につながるという。

JR貨物と全国通運の提案するラウンドマッチング輸送により、利用者で手配していた片道輸送を往復輸送に切り替え、非効率な片道輸送の解消が可能に。あわせてオートフロアコンテナの利用により、発着地での積卸し作業における大幅な省力化と荷役作業時間の短縮を考えたモーダルシフトが実現する。これまで組み合せの難しかった、トラック側面から積み込む商品とドックシェルターから積み込む商品を組み合わせた往復輸送も可能になるという。

今回の取組みで、物流の効率化を推進するとともに、明治のCO2排出量を年間13トン(削減率70%)、昭和産業のCO2排出量を年間20トン(削減率70%)削減することにも貢献するとのこと。