どのような職場にも「面倒な人」は存在するでしょう。自慢話が好き、悪口やうわさ話が好きなどさまざまなタイプが存在しますが、共通して言えることは、面倒な人と関わるとこちらのストレスがたまってしまうということです。
今回は、職場に存在する面倒な人への対処法や、彼らの特徴を紹介します。気付かないうちに自分が「面倒な人」にならないよう、心掛けておきたい点もまとめました。
職場にいる面倒な人はなぜ「面倒」なのか? その理由とは
多種多様な人が集まる職場には、一人や二人、面倒な人がいることはつきもの。プライベートであれば苦手な人や面倒な人とは関わらない、という選択肢もありますが、職場ではそうもいきません。
業務上、職場にいる面倒な人を無視することができない上に、立場や後々のことを考えて黙って耐えるしかできない人も多いはずです。
そのため、「言い返したいけど、言えない」「私が我慢すれば収まる」と耐える日々が続いて、さらに面倒に感じてしまうという、悪循環が起きがちなのです。
職場の面倒な人、関わりたくない人のタイプ・特徴
あなたの職場にいる面倒な人、関わりたくない人は、どのようなタイプの人でしょうか。この章では、職場に多い、面倒くさい人の特徴をタイプ別に紹介します。
不必要に自慢話をしたがる人
自分の過去にあった出来事や達成した成果、恋人や子どもの自慢話、自分がいかに充実した生活を送っているかなど、いわゆる武勇伝を自慢気に話すタイプです。
こちらから聞いた訳でもないのに、業務中に勝手に話し始めるため、「また始まった」「業務に集中できない」と面倒に思う方も多いのではないでしょうか。
このようなタイプは承認欲求が強く、空気を読むことが苦手な人が多いです。常に自分に注目を集めたいため、他人の話には興味なし。それがたとえ重要な話だろうが、すぐに自分の話へとすり替えてしまいます。
また、自分が注目されていないことに気付いた際には露骨に態度で表し、周りに「私、不機嫌です」アピールをすることも特徴です。他人の気持ちを考えない、常に自分に注目が集まっていないと嫌なタイプです。
人によって態度を変える人
上司の前ではこびるのに、部下や自分より立場の弱い人に対しては横柄な態度を取る人がこのタイプです。恐らく、自分自身の中で、損得計算した人付き合いを考えているのでしょう。
相手次第で態度が違うことは、部署内・会社内で周知されている可能性が大いに考えられます。本人はうまく立ち回れていると思っているのでしょうが、こびられている上司はその本性に気付いている可能性があります。
上司の前になると萎縮してしまって、態度が変わってしまうというのは誰にでもあり得ることです。しかしこのタイプのように、明らかに態度を変えている様子は、見ていても気持ちの良いものではありません。
他人の意見を聞き入れない人
面倒な人の中には「自分の意見が全て正しい」と思っているタイプがいます。
例えば、雑談の場で意見が食い違ってしまった場合。多くの人は「私の意見とは違うけど、そういった考えもあるんだな」と思うのではないでしょうか。一方、こういったタイプは自分の意見以外は認めません。
意見が食い違うと「それは違うと思う」と否定し一切受け入れない、自己中心的なタイプです。
陰口・悪口が大好きな人
「AさんってBさんのこと嫌いみたいだよ」「Cさんって性格悪いよね」と、日頃から悪口ばかり話す面倒なタイプもいます。なかには本人に「Aさんが嫌いって言ってたよ」と告げ口するような人までいるでしょう。
悪口だけでなく、根も葉もないうわさ話を事実のように広め、自分の気に入らない相手の評価を下げようとたくらんでいる場合もあります。
本人は話をしていて楽しいのでしょうが、聞かされる側にとっては心地の良い話ではありません。またこのような人に変に関わってしまうと、「一緒に悪口を言っていたよね」と共犯にされてしまう可能性もあるので注意が必要です。
ストレスをためている人
生活をする上で、仕事はもちろん、仕事以外でもストレスはたまってしまいます。多くの人は友達と食事をしたり、運動したりすることでストレスを発散しています。
しかし、ストレスを発散させずにためこみ、他人に八つ当たりのような態度を取る人がいることも事実です。そのようなタイプの人は、「自分は苦労している。だからお前も苦労するべきだ」と考える人が多く、他人の気持ちを考える余裕は持っていません。
八つ当たりをされた側にとっては、理不尽そのもの。場合によってはその人まで別の人にストレスを与えるという、負の連鎖が起きてしまいます。
感情の起伏が激しい人
慌ただしい生活を送っていると、楽しく過ごすことが難しい日もあるでしょう。しかし大人になれば、公共の場では怒りや悲しみなどの感情は自分の中に隠しておくもの。他人にぶつけるものではありません。
多くの人は、自分の感情をうまくコントロールしながら生活していますが、自分の機嫌の悪さを隠さずに、露骨に態度に出してしまう人がいます。
感情の起伏が激しい人は、その場の感情に任せた発言が多く、周囲が「昨日と話が違う」と困ってしまうことも少なくはありません。
モチベーションの低い人、愚痴が多い人
会社からすると、やる気がみなぎっている社員は頼もしいもの。もちろん毎日全力を出し切るというのは難しいですが、与えられた仕事を日々責任を持ってこなすことは、会社員の務めともいえます。
しかしモチベーションの低い人は、社会人としての意識が低く、毎日「仕事を辞めたい」「めんどくさい」などの愚痴を職場でこぼします。仕事が進まないため、期限までに終わらず誰かが代わりに担当しなければならないこともあり、面倒なタイプです。
周りからの「頑張ってるよ」「一緒にやろうか?」といった慰めの言葉を期待していることが多く、相手をすると永遠と愚痴を聞かされるはめに。
ネガティブな発言は、聞かされる側も気分が下がってしまいます。さらにはやる気がある人を疎ましく思っていることもあり、自分側に引っ張ろうとたくらんでいる場合もあるため、深入りしないように注意しましょう。
いつまでも根に持つ面倒な人
過剰な被害者意識を持つタイプは、過去の出来事をずっと覚えて不満を抱いています。解決した事柄でも「あのときもこうだった」と蒸し返し、責め立ててきます。
「また?」とあきれてしまうことが多々ありますが、本人は反省することなくいつまでも持ち出してくるでしょう。
職場の面倒な人への対処法
面倒な人に振り回されることが、あなたの仕事ではありません。ここからは、面倒な人への効果的な対処方法を紹介します。
距離を置く
最も有効で、自然に行える方法は「適度な距離感を取ること」です。
下手に面倒な人の相手をすると、トラブルに巻き込まれてしまったり、ストレスの原因になったりする可能性があります。会話は必要最低限の業務内容のみに抑え、ランチや飲みの誘いは仕事や先約などを理由に断りましょう。
仕事以外の会話はしない
同じ会社にいる以上、業務を進行する上で、全く無視をする訳にもいきません。
- 挨拶
- 報告・連絡・相談
最低でもこれらを行えば、業務に支障を起こさず適度な距離感で、業務を進行できるのではないでしょうか。
自分の情報は与えない
同じ話でも、感じ方は人それぞれで変わります。例えばこちらに悪意はなくても相手が勝手にマウントだととらえてねたまれてしまい、感情をぶつけてきたり、根に持ったりしてくる可能性なども考えられます。
自分の情報はできるだけ与えずに、面倒な相手と接さなければいけないときは聞き役に徹しましょう。
面倒な人の話は上手に聞き流す
仮に面倒な話に付き合わされてしまった場合は、うまく聞き流し会話を早く終わらせることに徹しましょう。共感や否定をしてしまうと話が余計に長引いてしまいます。話を聞き入れずに「聞き流す」ことがポイントです。
心の中で反論する
面倒な人の理不尽な発言に、時には耐えられないと感じることもあるでしょう。例えば自分に関係のないミスを理不尽に責められた場合は「すみません」と謝りながら、「私は間違っていない」と心の中で反論してみることも一つの方法です。
他人の気持ちを考えられない相手に、レベルを合わせる必要はありません。軽く受け流して心の中で思いっきり反論し、心の安定を図りましょう。周りの人もきっと、あなたが悪いわけではないと理解してくれているはずです。
とりあえず褒めておく
自慢話が多く承認欲求が強い面倒なタイプは、とりあえず褒めてあげましょう。思ってもいないことを言わなければならないため、ストレスに感じてしまいますが、長々と無駄話に付き合うよりはまだいいのではないでしょうか。
この時のポイントは、あまり話を掘り下げないことです。「へー、すごいですね」「さすがですね」などと適当に相づちを打って、頃合いを見てトイレなどに立ちましょう。
とぼける、忘れてしまったふりをしてみる
面倒なタイプの中には「前にこう言ったよね」と、自分の思い込みを事実のように主張する人がいます。否定しても聞き入れられずに責め立てられれば、余計にストレスがたまってしまいます。
そのような場合は「そうだった?」「前のことは、忘れちゃった」などと、とぼけたり、忘れたふりをしたりしてみましょう。相手をするだけ無駄だと思わせ、天然キャラで乗り切ることで、面倒な人のしつこい主張を食い止められるかもしれません。
上司や同僚に相談する
面倒な人をうまく避けられない場合には、上司や同僚に相談することも一つの手段です。一人で背負いこまずに、誰かに話すことで気持ちを少しでも軽くしましょう。自分にとって面倒な人は、周囲の人も違和感を抱いていることが多いものです。
面倒な人が上司の場合は、上司よりも立場が強く上司との関わりが浅い方を狙うことがおすすめです。上司の耳に入ることなく、秘密裏に解決を図ってもらえる可能性があります。
はっきり、「めんどくさい」と注意する
面と向かって「めんどくさい」と注意することはリスクが高く、最善の対処法とはいえません。しかし、いつもおとなしい相手が自分に反論してきたという意外性から、おとなしくなるケースも考えられます。
また、自分が理不尽な対応をしていること、横柄な態度であることに自覚がない人には効果が期待できるでしょう。しかし、わざとそういった態度を取っている人には効果は薄いです。
部署移動や転職を視野にいれる
どの対処法も効果が期待できない場合は、部署の異動を検討しましょう。しかし、再度同じ部署に配属されてしまう場合もあり、気休めにしかならない可能性も考えられます。
また、異動シーズンの度に「今回の異動でまた一緒になるかもしれない」と不安になる可能性も生じてしまいます。
人事部と相談し「今後、その人と同じ部署にならないようにする」という配慮が受けられれば安心できますが、そうではない場合は、心機一転、思い切って職場を変えてみることも一つの手段です。
ただし、どの職場にも面倒な人はいる可能性があります。その可能性を忘れずに、最善の方法を模索してみましょう。
自分自身が「職場の面倒な人」にならないためには? 注意点を紹介
ここまでは、面倒な人のタイプや対処法を紹介しました。ただし、人によって「めんどくさい人だな」と思うのには、個人差があります。
ここからは、知らない間に自分が面倒な人になってしまわないように、注意しておくべき点を紹介します。
自分語りをしないようにする
「めんどくさい」と思われてしまう自分語りは、仲の良い相手になら問題ありませんが、そうでない相手にとっては、時間の無駄ととらえられてしまいます。
承認欲求が高い人は、知らないうちに自分語りをしてしまっている可能性があります。気の置けない相手以外には、一方的に自分の話をしないように意識しておきましょう。
また、簡潔に結論を知りたいと思っている人に対して、自分の感想を交えて話をすることは避け、事実のみを伝えるように注意しましょう。
相手の立場になって物事を考える
多種多様な人が集まっている職場には、それぞれ自分なりのルールや考えがあります。自分と意見が違っても「この人の立場だと、そのような考えになるのか」と、相手の立場から物事を考えることは忘れてはいけません。
どうしても納得ができない場合は、理由を聞いてみてもいいでしょう。お互いの意見を出し合うことは、より良い人間関係の構築に役立ちます。相手の意見を頭ごなしに否定せずに、内容や背景に耳を傾けましょう。
ネガティブな考え方を見直し、前向きな発言を心掛ける
前向きでいることが難しい日もあるでしょう。ただし、ネガティブな考えや態度はなるべく言葉に出さないように心掛けましょう。
ネガティブな発言は職場の雰囲気まで暗くし、周りの人も対応に困ってしまいます。できるだけポジティブな思考を心掛ければ、周囲とのコミュニケーションも円滑に行えるでしょう。
自分の言動を定期的に振り返る
毎日のバスタイムや、就寝前などに「自身の言動を振り返る」ことは、自身の欠点を直す良い習慣です。
毎日行う方が振り返りがしやすく、誰かに理不尽な態度を取ってしまったと気付いた場合に、すぐに謝罪しやすいというメリットがあります。
早めに謝罪を行えば、相手との信頼関係も取り戻しやすいのではないでしょうか。
職場にいる面倒くさい人に振り回されないよう、対処方法を学ぼう
どこの職場にも存在する「面倒な人」。できれば関わりたくありませんが、適度な距離感を保ち、ストレスを感じないように上手に対処しましょう。
また、面倒な人を反面教師として、自身もそうならないように心掛けることが大切です。日々の振り返りを忘れず、職場内のコミュニケーションを密に行って、より良い職場環境を構築しましょう。