労務行政研究所は1月30日、「賃上げ等に関するアンケート」の調査結果を発表した。調査は2022年12月2日〜2023年1月16日、労・使の当事者および労働経済分野の専門家439人(労働側238人、経営側101人、専門家100人)を対象に行われたもの。ただし、「物価上昇への対応」については、労働側270人、経営側130人、専門家101人の合計501人を対象にしている。

  • 2023年の賃上げ見通し(東証プライム上場クラス)

まず、2023年の賃上げ見通し(東証プライム上場クラス)に関しては、平均で8,590円・2.75%(定期昇給分を含む)となった。賃上げ率は1998年以来25年ぶりの高水準となる予測。労使別に見た平均値は、労働側が8,532円・2.74%、経営側が8,601円・2.75%で、経営側が労働側をわずかに上回っている。

23年の定期昇給(定昇)については、労使とも「実施すべき」「実施する予定」が約9割と大半を占める結果に。ベースアップ(ベア)については、労働側は「実施すべき」が87.4%で最も多く、経営側では「実施する予定」が41.6%で「実施しない予定」の21.8%を大きく上回った。

  • 自社における2023年定昇・ベアの実施

急激な物価上昇への対応方法について、労働側には"自社がどのように対応すべきか"を、経営側には"自社の対応方針"を、専門家には"企業がどのように対応すべきか"という内容でそれぞれ尋ねた。

  • 物価上昇への対応

すると、「ベアで対応」が労働側(83.0%)と専門家(74.3%)で最も多く、両者では「賞与・一時金で対応」「手当(インフレ手当等)で対応」が3割〜4割程度で続く。

「特に対応する必要/予定はない」は労働側で0.7%(2人)にとどまる。一方で、経営側では「特に対応する必要/予定はない」が33.1%で最多となり、「ベアで対応」(31.5%)をわずかに上回っている。