アニメ専門チャンネルのアニマックスが主催するアニメミュージックライブイベント「ANIMAX MUSIX 2022」が11月19日、横浜アリーナにて開催された。毎年さまざまな企画で観客たちを楽しませる本イベント。今回は、Part1・Part2という2部構成で開催された。

  • 「ANIMAX MUSIX 2022」

Part1では、出演アーティストに歌ってほしい楽曲を事前のアンケートで募るおなじみの「FUN SELECTION」ほか、アニメ放送10周年となる『アクセル・ワールド』の楽曲を歌唱する企画などを実施。またシークレットゲストとして登場したi☆Risが、アニメ『賭ケグルイ双』の「Queens Bluff」と「幻想曲WONDERLAND~Realize!~アルティメット☆MAGIC」のメドレーで会場を沸かせた。

そのほか、オーイシマサヨシはMachicoをスペシャルパートナーに迎えてTVアニメ『恋は世界征服のあとで』の「恋はエクスプロージョン」を届けたほか、『ウマ娘 プリティーダービー』の「うまぴょい伝説」でウマ娘たちと出走するなど躍動。初出演の「EIKO starring 96猫 & 久遠七海 starring Lezel fromパリピ孔明」は「気分上々↑↑」「Be Crazy For Me」「チキチキバンバン」の3曲で横浜アリーナというフロアを盛り上げる。さらには、10周年を迎えた『アイカツ!』シリーズの楽曲を歌唱したわか・ふうり・ゆな・れみ・えり・りすこ・るか、デビュー10周年のやなぎなぎ・鈴木このみなどが、10年分の思いを込めて歌を届けた。

トリを務めたのは、デビュー10周年を迎え、これまで何度も「ANIMAX MUSIX」を歌声で彩ってきた南條愛乃。TVアニメ『グリザイアの楽園』の「黄昏のスタアライト」、TVアニメ『東京レイヴンズ』の「君が笑む夕暮れ」、TVアニメ『進化の実~知らないうちに勝ち組人生~』の「EVOLUTiON:」を感慨深げに歌い上げた。最後は出演アーティスト全員でTVアニメ『ガールズ&パンツァー』の「Enter Enter MISSION !」を合唱。Part2へとバトンを繋いだ。

Part2では、実在する場所を舞台にしたアニメ作品の主題歌を特集する『ご当地アニメ SELECTION』、アニメ放送10周年となる『ソードアート・オンライン』の楽曲を出演アーティストがカバーする企画などを実施。

初出演のなすお☆は、Lyrical Lilyや鈴木みのりとのコラボレーション、またMCでなすびを見せるなどのパフォーマンスで存在感を発揮する。また、来年でメジャーデビュー20周年となる「ANIMAX MUSIX」の先輩・angelaは、『新機動戦記ガンダムW』の主題歌「JUST COMMUNICATION」、『蒼穹のファフナー』主題歌「Shangri-La」と、ロボットアニメソングで観客たちの心を熱くさせた。加えて、「ANIMAX MUSIX NEXTAGE 2022」から横浜アリーナのステージを掴んだてっぺんっオールスターズと『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』の「乙女のルートはひとつじゃない!」をコラボ歌唱。会場の空気を十二分に温めた。

本イベントの大トリを務めたのはFLOW。まずはTVアニメ『コードギアス 反逆のルルーシュ R2』の「WORLD END」を披露すると「デイドリーム ビリーヴァー」ではシークレットゲストのORANGE RANGEと夢のコラボを果たす。そして、TVアニメ『コードギアス 反逆のルルーシュ R2』の「O2」も2組で歌い上げ、会場を震撼させた。

ボルテージ最高潮のなか、FLOWによるTVアニメ『NARUTO-ナルト-』の「GO!!!」で会場の心はひとつに。MCでは、「アニメ・音楽・ライブはあきらめない」という熱いメッセージも届けた。最後は出演アーティスト全員でTVアニメ『NARUTO-ナルト-』の「青春狂騒曲」を熱唱。興奮冷めやらぬままイベントはフィナーレを迎えた。

今回の「ANIMAX MUSIX」は、いつも以上に各アーティスト、そして会場へ駆けつけた方々の「音楽への思い」を感じられた気がした。それは、これまでの積み重ねによるものに加えて、トップバッターを務めたTRUEのパフォーマンスがけん引したようにも思える。彼女は本イベントの開幕曲となったTVアニメ『響け!ユーフォニアム』の主題歌「DREAM SOLISTER」を実に気持ちよさそうに歌い上げていた。その思いはきっと会場にも伝わっていただろう。曲中の高音部を聞いたとき、私は鳥肌が立つと同時に、心地よさで満たされた。

TRUEはMCで、「DREAM SOLISTER」の歌詞を引用しながら、次のような言葉を残している。

「コロナ渦で有観客ライブができるのは、いつになるのかという日々が続いていた」「それでも音楽は続いていく」

エンターテインメントは、生命維持のために必要なものではないだろう。それでも、誰かの人生を後押ししたり、彩りを与えたり、ときには救ったりもすることができる。私自身もエンターテインメントに触れることで、何度も心を燃やし、歩みを進めてきた。「音楽」が、「エンターテインメント」が、誰かの活力になる。TRUEの歌声や言葉、そして「ANIMAX MUSIX」が、改めて教えてくれた気がした。