旧車に特化した買取サービス「旧車王」を運営するカレント自動車はこのほど、旧車に興味のある208人を対象に、復活してほしい車種に関するアンケートを実施した。
販売終了になってしまったクルマの中には数十年経っても惜しまれるもの、長い間人気の高いものも少なくない。トヨタ「スープラ」も17年ぶりの復活を遂げ、空前の旧車ブームの中で他にも復活を願うクルマがあるユーザーもいることだろう。
そこで今回、販売終了になってしまったけれど復活してほしいと思うクルマやその理由について、選択肢を用意し調査。調査期間は2023年1月19日〜1月29日で、インターネット調査にて実施した。
旧車好きに復活してほしい車種について聞いてみると、1位は2位と大きな差をつけ87票を獲得したマツダ「RX-7」という結果となった。
「RX-7」は生産終了から今年でちょうど20年を迎える。「RX-7」(FD3S)は世界唯一のロータリーエンジンを搭載。コンパクトなエンジンと約1,200kgほどの軽量ボディはコーナリング性能も高く、さらに低いフロントノーズも唯一無二のデザインで人気の高さがうかがえる。まさにピュアスポーツといえる特別な1台だ。
2位には「スカイラインGT-R」と「シルビア」の日産車2台がランクインした。「スカイラインGT-R」は現在「GT-R」として継承されているが、やはり「スカイラインGT-R」を渇望する人も多くいる。初代は1969年に登場し、2004年にBNR34型を最後に生産が終了となった。生産終了から20年近くが経過した中でも、映画などの影響もあり世界的な人気を誇る名車だ。
「シルビア」も、販売終了から20年以上経った今も人気が衰えないクルマだ。「シルビア」といえば乗り心地の良さからデートカーとしても人気を博した。ドリフト走行の技術を競うD1グランプリでは「シルビア」の活躍が突出しており、各地のドリフト大会でも大活躍している。
4位はホンダ「S2000」(39票)、5位はスバル「360」(38票)。「S2000」は実質的にホンダ唯一のFR車といえる個体で、オープンカーにも関わらずシャシー剛性が強いことも有名。ロングノーズ・ショートデッキスタイルのエクステリアデザインも人気の理由といえるだろう。生産終了後もホンダからカスタムパーツが販売されるなど、メーカーも認める人気の高さを誇っている。
スバル「360」は4位までのクルマとは毛色が違っていて、「てんとう虫」の愛称でも呼ばれる丸々としたキュートなエクステリアデザインが印象的な、1958年から1970年まで生産されたスバルの軽自動車だ。戦後の経済成長期のなか登場したこの「360」は大衆車の先駆けともいえ、2016年には日本機械学会が定める「機械遺産」として認定されている。
その他の回答にはスバル「インプレッサ GC8」、トヨタ「 セリカ」、日産「ブルーバード」、トヨタ「ソアラ」、ポルシェ「911」(空冷)などがあった。
復活してほしい車種の理由について聞いてみたところ、最も多かった回答が「デザインが好きだから」で37.4%という結果になり、特に5位に選ばれたスバル「360」を選んだ理由に多く見受けられた。
「昔のクルマはデザインがよかった」という声を耳にすることがある。最新の車にない特徴として、角張ったデザインで低くてシャープなものが多かったり、今はないリトラクタブルヘッドライトのクルマがあったりと、現在の安全基準や環境基準では作れない車種がたくさんある。
続いて、「運転が楽しいから」という回答が27.9%で、1位を獲得した「RX-7」の理由として選ばれたことが多い印象だ。昔はマニュアル車が多く、今のクルマには当たり前についている電子制御がない分、自由度が高いところも評価されている。
例えば昔のターボは今のダウンサイジングターボとは違い、いわゆる"ドッカンターボ"と呼ばれるターボチャージャーによる過給の瞬間やトルクの立ち上がりがわかりやすく、自分で操っている感じがあるという魅力もある。
その他の理由には、「デザイン、内外装共に魅力的」「ギミックを備えている」などがあった。
今回の調査では、旧車好きが選ぶ復活して欲しいと思う車は、今の車には見られないデザインやエンジン性能を持つ特徴があることがわかった。
一度生産が終了してしまうと復活はなかなか難しいが、メーカーが生産終了後も復刻パーツを作っていたり、サポートしてくれる部分があったりするのは嬉しいところだ。
旧車ブームの影響で、トヨタの「スープラ」のように復活を遂げる車が出てきたら旧車好きにとっても嬉しいニュースなので、今後も市場やユーザーの動向に注意していく必要がありそうだ。