「これは大阪のソウルフードです! 」などとテレビやSNSで紹介されているのを見たことはありませんか?
直訳すれば「魂のご飯」ですが、実際はどのような意味で使われているのでしょうか? 正しい意味とどのようなものがソウルフードと呼ばれているのかご紹介します。
「ソウルフード」の意味とは?
日本のテレビやSNS、日常の会話でも使われる「ソウルフード」という言葉は、「その土地特有の料理」という意味で使われています。
「ソウルフード」の日本での使い方は間違い?
「ソウルフード」という言葉は、日本では「その土地特有の料理」という意味で使われています。語源は英語の「soul food」ですが、英語と日本語で意味が異なるといわれています。
アメリカと日本の「ソウルフード」の違い
日本で「ソウルフード」は、地域特有の料理、いわゆる「郷土料理」や「特産品」などの意味で使われます。しかし、アメリカでは「アメリカ南部のアフリカ系アメリカ人の伝統料理」を意味し、日本とは異なります。
このように、同じ単語でも日本とアメリカでは意味が異なるため、日本人が「これは大阪のソウルフードです」と英語圏の人に伝えた場合、意味は通じません。
なぜ間違った意味で使われるようになったのか?
なぜ郷土料理やその土地の特産品を「ソウルフード」と呼ぶようになったのでしょうか?
「ソウルフード」の「ソウル」の部分が「魂」を意味する「soul」という英単語だったことから、「魂の料理」という意味として捉えられたことがきっかけです。そこから派生して「日本人の魂にしっかりと刻み込まれた料理」である郷土料理や特産品という意味で使われるようになったといわれています。
「ソウルフード」とはどんな食べ物? 例を紹介!
ここからは、どのような食べ物や料理がソウルフードと呼ばれているのかをご紹介します。また、アメリカのソウルフードもご紹介するので、あわせてご参考にしてみてください。
日本の「ソウルフード」とは?
日本のソウルフードは、各県や地方によってさまざまな種類の料理や特産品が例として挙げられます。
例えば、広島にある「広島焼き」や大阪の「たこ焼き」などは有名です。海外からの旅行者も多い京都だと、「京つけもの」もソウルフードの一つとして挙げられます。
他にも、みそ汁や天ぷら、寿司などは日本のソウルフードとして挙げられると考えられます。
アメリカの「ソウルフード」とは?
アメリカのソウルフードは、日本の郷土料理や特産品とは意味が異なり、「アメリカ南部のアフリカ系アメリカ人の伝統料理」を意味します。
もともとはアフリカに住んでいたアフリカ人をアメリカ南部に連れてきたことがきっかけで、ソウルフードは誕生しました。
アメリカ南部で奴隷として働いていたアフリカ人は、南部戦争の終了後「アフリカ系アメリカ人」としてアメリカのさまざまな場所で生活をスタートし、「新しく知った食材」と「もともと作っていた料理」を合わせることで、違う料理を生み出しました。それが「soul food」とアメリカで呼ばれるようになり、今でも親しまれています。
しかし、アメリカ南部の伝統料理というと、なかなか想像しづらいという人も多いのではないでしょうか。実は、意外と日本で親しまれている料理もあります。例えば、クリスマスに食べる人も多い「フライドチキン」や、とうもろこしの粉を使用して作る「コーンブレッド」もアメリカの「soul food」です。
「ソウルフード」の類語・言い換え表現
日本で使われているソウルフードは、その土地特有の食べ物・料理を指します。よって、言い換え表現としては、「郷土料理」「特産品」「名物」などが挙げられるでしょう。
「ソウルフード」の英語表現
「ソウルフード」が「その土地特有の料理」を指すのは日本だけであることが分かりました。つまり、外国の人に「その土地特有の料理」を英語で伝えたい場合、「soul food」では伝わりません。
郷土料理を英語で表現する場合は「local food」「local cuisine」「local specialty」と表現することができます。
ソウルフードは日本語と英語では異なる
ソウルフードの意味や英語表現をご紹介しました。ソウルフードがアメリカでは違う意味で使用されていると初めて知った人もいるのではないでしょうか?
日本では「ソウルフード」とはその土地の郷土料理や特産品を意味しますが、アメリカでの「soul food」は「アメリカ南部のアフリカ系アメリカ人の伝統料理」を指します。
海外の人と英語でソウルフードについてお話をする際には、「local food」などと説明をし、誤解を防ぎましょう。