「26MM」や「13MM」が表示されたのは、カメラアプリで倍率ボタンを長押ししたとき現れる分度器状の領域ですね? それは焦点距離を表す数値で、レンズの中心から像面までの距離が26mmまたは13mmということを意味します。望遠レンズ搭載モデルは77mmと表示されることがあるはずです。
ここで不思議に思うかもしれません。iPhoneの厚さは7、8mm程度なのに13mmとはこれいかに。少しレンズが飛び出しているとはいえ26mmはないだろう、ましてや77mmなどありえない。焦点距離という存在が疑問に感じられるはずです。
これは、焦点距離を「35mm換算」していることが原因です。かつての一眼レフカメラのフィルムは縦の最大長が35mm、そこから一眼レフにおける焦点距離と合わせる形でデジタルカメラに35mm換算の概念が導入されました。焦点距離と画角(写真に収まる範囲の広さ)は1対1の関係ですから、35mm換算されていれば画角がすぐに導き出せます。
たとえば、フルサイズ(36mm×24mm)レンズの焦点距離が10mmのときの画角は130°、20mmのときの画角は94°です。これをiPhone 14 Proに置き換えて見積もると、広角カメラの焦点距離は26mmだから画角80°、超広角カメラ(13mm)が画角118°、望遠カメラ(77mm)が画角31°とわかります。
見かたを変えれば、分度器状の領域で「○○mm」と表示されている箇所は、撮影に使用されるレンズが切り替わるポイントと理解することもできます。iPhoneの背面にあるどのレンズが撮影に使われるのか確認したいとき、参考にするといいでしょう。