他人と関わりながら生活していると、時間を合わせなければなりません。しかし、仕事や学校の開始時刻、待ち合わせ時刻に遅刻してくる人もいます。一度や二度の遅刻、数分の遅刻であれば経験したことがある人も少なくないはずですが、中には何度も遅刻をする人もいますよね。
では、なぜ遅刻は繰り返されるのでしょうか。今回は、遅刻する人の特徴・性格や、遅刻する人への対処法、逆にやってはいけないことなどを解説します。
遅刻する人の特徴・性格
遅刻をしてしまう人には、下記のように共通の特徴や性格があります。
【特徴】
- 計画を立てることが苦手
- 待つことが苦手
- 連絡を密に取ることが苦手
- 順番通りに進めることが苦手
【性格】
- マイペース
- 楽観的
- 面倒くさがり
ここからは、それぞれの特徴と性格について詳しく解説します。ただし、あくまでも多く見られる傾向で、必ずしもその特徴や性格を持つ人が遅刻しがちとは限りませんのでご留意ください。
特徴1. 計画を立てることが苦手
遅刻する人には、計画を立てることが苦手という特徴がある人が多いです。計画を立てることが苦手な人は、集合時間から逆算して、起床時間や何時までに家を出なければならないのかを計算できません。そのため、ぶっつけ本番になってギリギリに起床してしまったり、思ったより準備に時間が掛かってしまったりなどの理由で遅刻してしまいます。
このような特徴の人は、悪気があって遅刻している訳ではありませんが、遅刻しないように改善が必要です。
特徴2. 待つことが苦手
せっかちで待つことが苦手な人も遅刻しやすいです。一見、せっかちな人は時間よりも早く来るというイメージをお持ちの方もいるでしょう。しかし、せっかちが故に待つことが苦手で、「待たなければならないなら少し遅れて行こう」と、わざと集合時間より遅れて行くことがあります。また、待つことが苦手な人は人気店の行列に並ぶことも嫌う傾向があります。
特徴3. 連絡を密に取ることが苦手
遅刻する人の共通点には、連絡を密に取ることが苦手という点もあります。遅刻することがわかった場合、相手を待たせることをなるべく避けるために、「遅刻する」という旨を早めに相手に連絡するのが一般的でしょう。しかし、連絡を密に取ることが苦手な人は、遅刻することがわかっていながら連絡をしません。
つまり、連絡を密に取ることが苦手な人は、遅刻をすることで相手に迷惑をかけていることを自覚していないのです。
特徴4. 順番通りに進めることが苦手
順番通りに進めることが苦手という特徴も、遅刻する人に共通しています。順番通りに進めることが苦手ということは、集合時間に合わせて起床しても準備がスムーズに進まず、結果的に遅刻してしまうということ。計画を立てていても順番通りに進められなければ意味がありません。
しかし、わざと遅刻しているわけではないため悪気がない点も、順番通りに進めることが苦手な人の特徴です。
性格1. マイペース
マイペースな人は遅刻する人が多いです。なぜなら、マイペースな人は遅刻という行為が他人を拘束していることという認識がないからです。
マイペースな性格の人は、何事も自分を優先して他人に合わせることが苦手です。そのため、仕事やデートなどの大切な用事でも自分の基準で動いて遅刻してしまいます。
また、「遅刻してもあの人なら許してくれるだろう」と相手に甘えがちで、どれだけ遅刻しても悪びれないことも遅刻を繰り返す原因と考えられます。
性格2. 楽観的
楽観的な人も遅刻しやすいです。なぜなら、「遅刻しても許してくれるだろう」「遅刻しても大丈夫だろう」と、何事も甘く考えているからです。
物事をしっかりと考える人は、「遅刻することで相手に迷惑をかける」など、遅刻することにマイナスなイメージを持っています。しかし、楽観的な人は遅刻をマイナスと考えておらず、軽く考えていることで遅刻するのです。
なお楽観的な人はリスクを想定できず、想定外なことが起こるとパニックになりやすいという特徴もあります。
性格3. 面倒くさがり
面倒くさがりの人も遅刻しやすいです。なぜなら、面倒くさがりな人は自発的に動くことが少なく、お尻に火が着かないとなかなか動かないからです。物事の必要性を感じるまでに時間が掛かる上に、ギリギリになるまでなかなか行動しません。そのため、準備が間に合わず遅刻してしまいます。
また面倒くさがりの人は片付けが苦手で、がさつで大ざっぱな人が多いです。そのため、必要なものを紛失して探し出すまでに時間がかかり、遅刻してしまうこともあります。
遅刻をしてしまう人の心理
遅刻をすることがあり得ないと思っている人にとって、「遅刻をする人はどのような心理なんだろう」と考えたことがある人もいるでしょう。そこでここからは、遅刻をしてしまう人の心理を見てみましょう。
約束・時間を守ることを重要視していない
遅刻をしてしまう人は、約束や時間を守ることを重要視していません。具体的な心理としては、「時間に遅れて遅刻してしまうことは仕方がない」「わざと遅刻している訳ではないから自分は悪くない」などと思っている傾向があります。
遅刻されると今後の予定がズレたり、待っている分の時間が無駄になったりなど、遅刻された側は迷惑です。しかし、遅刻してしまう人は相手に迷惑をかけているという自覚がなく、申し訳ないという気持ちもないことが多いです。また、申し訳ないと思っていても「遅れたことは仕方がない」と割り切っているケースが多いようです。
自分が基準になっている
マイペースな人の心理として、自分が基準になっています。例えば、「自分が遅刻しても相手も遅れてくるだろう」と考えていることが多いです。つまり、そもそも自分が時間にルーズなことに気付いておらず、周りも「遅刻してくるだろう」「みんな集合時間をさほど重視していないだろう」と思い込んでいます。
自分が基準になっている人の特徴として、遅刻してきたことを悪く思っておらず、遅刻した際も謝罪の一言がないことがほとんどでしょう。
「大丈夫だろう」と楽観的に考えている
楽観的な人は、その性格の通り「遅刻しても大丈夫だろう」と楽観的に考えています。楽観的に考えている人の特徴として、集合時間や出勤時間の5分前に起きても「何とかなるだろう」と、特に準備で慌てることがありません。むしろ「どうせもう間に合わないから」と、ゆっくりと朝食を取る人もいます。
楽観的な考えは、人生においてプラスに働くこともありますが、遅刻をすることは周りに迷惑をかけているので改善が必要です。
遅刻する人に対してやってはいけないこと
何度も遅刻をされたり、何十分も待たされたりするとつい怒りに任せて行動してしまうこともあるでしょう。しかし、以下のような行為を遅刻した人にすることはNGです。
- 人間性を否定する
- ペナルティーを課す
- 理由を聞かずに注意する
それぞれの行為をしてはいけない理由を解説します。
人間性を否定する
遅刻をされたからといって、人間性を否定する言動は避けてください。なぜなら、遅刻に対して強く注意することは、精神的な攻撃にあたり、根本的な解決にはつながらないからです。
遅刻した人に対して、頭に血が上りつい怒りに任せて「遅刻をすることは性格に問題がある」「自己中すぎる」「人間として最低だ」など、人間性や性格を指摘する人もいます。しかしそこは相手を傷つけないように我慢して、人間性ではなく、行動自体を注意するようにしましょう。
感情的にならずに、あくまで論理的に注意するということも大切です。
ペナルティーを課す
遅刻した人に対して、安易にペナルティーを課す行為も避けた方がいいでしょう。なぜなら、ペナルティーが遅刻して良い理由となってしまうからです。
例えば、職場で遅刻した人に対して掃除を任せたりなど、ペナルティーを課す場合があるでしょう。しかし、ペナルティーを課すと、よく遅刻する人は「ペナルティーを受けたから遅刻しても悪くない」「遅刻してもペナルティーをこなせば良い」などととらえやすいのです。
「迷惑をかけられているから何かしらのペナルティーを課したい」と思うかもしれませんが、遅刻が増えるリスクを考えるとペナルティーを課すという行為は避けるべきです。
理由を聞かずに注意する
理由を聞かずにやみくもに注意する行為もNGです。なぜなら、遅刻をしてきたことにはやむを得ない理由がある可能性もあるからです。
「いつも遅刻してくるから、今回もどうせ寝坊だろう」など、理由を決めつけて単に注意すると、信頼関係が崩れて関係が悪化することにもなりかねません。また、寝坊という理由の裏に、重大な病気が隠されている可能性もあります。
遅刻を繰り返していても、その都度なぜ遅刻したのかを必ず確認し、理由に合わせて対応を変えるようにしましょう。
遅刻をしてしまう人への対処法 - 個人間で対処したい場合(友人など)
遅刻をしてしまう人にはどのような対応をしたら良いのでしょうか。実は、遅刻をしてしまう人への対処法は相手との関係や状況によって異なります。
まず友人など個人間で対処したい場合は、事前に相手に連絡する、あらかじめ余裕のある設定時間にしておく、遅刻してくることを想定して計画を立てるなどの対処法が有効です。具体的に見ていきましょう。
事前に相手に連絡を入れる
約束の時間前にこまめに連絡を入れることで、寝坊を防ぐことや準備時間の短縮を図れます。起床時間や出発時間、到着予定時間直前など、区切りごとに連絡をして遅刻しないように促しましょう。
本来の待ち合わせより早い時間を伝える
相手には集合時間を本来よりも早めに伝えておき、自身は本来の時間通りに行くようにすると、相手が遅れてきたとしても待つ時間が減り、気持ちにもゆとりができるでしょう。
ただ相手がいつも通り遅刻するとは限らないので、逆に相手を待たせることになっても許される関係性であることが必要です。
遅刻が発生することを想定して、余裕のある計画を立てる・行動する
遅刻が発生することを想定して計画を立てる、行動することも有効です。余裕のある設定時間にしておくことで、遅刻してきてもプランが台無しになる心配もありません。また、プランがズレることによってイライラすることも減るため、お互いに気分が楽になるでしょう。
遅刻をしてしまう人への対処法 - 会社として組織的に対処したい場合(部下など)
会社など組織的に対処しなければならない場合は、遅刻の原因を探り、指導記録をつける、雇用契約や就業規則にのっとり処分するなどの対処が適切です。それぞれの対処方法について詳しく解説します。
遅刻の原因を探る
遅刻をしてきた場合は、まずは遅刻の原因を探りましょう。なぜなら、遅刻の原因がわかればその原因に合わせて対処できるからです。
部下の遅刻の原因を探る際は、上司である自分と一対一で話す機会を設ける、または人事部社員も参加して二対一で話すなどがいいでしょう。センシティブな理由が絡んでいる可能性も否定できないため、周囲に他の社員がいる環境で無理に聞き出そうとするのは避けましょう。
社員の様子や原因から、人事部と連携して対応するなどの対応を検討しましょう。
遅刻の指導記録をつける
遅刻の指導記録をつけることも適切な対処といえます。なぜなら、遅刻の指導記録は懲戒処分の検討段階において重要な資料となるからです。
遅刻の指導記録をつける際は、いつ、どのような理由で遅刻したのか、どのような指導をしたのかなどを都度、詳細に記入しましょう。細かく記録していれば、人事部などに対してスムーズに報告しやすくなります。
また、後からそんなことは言っていない、言われていないといったトラブルも防げます。
雇用契約や就業規則にのっとり処分を行う
あまりにも遅刻がひどく業務に支障をきたしている場合は雇用契約や就業規則を確認し、懲戒事由の定めに遅刻が明記されている場合は、それにのっとって処分をしましょう。雇用契約書は、必ず従業員が内容を確認の上で押印しているはずなので、規則に沿って処分できます。
懲戒事由の定めは多くの企業が明記していますが、まれに含まれていない場合もあるため、必ず事前にご確認ください。
遅刻癖がある人の特徴を理解し、適切に対処しよう
何度も遅刻をされると、ついイライラしてしまい強く当たってしまうこともあるでしょう。しかし、遅刻する人に対してイライラするだけではなく、相手を理解することも時には必要です。
また遅刻する人からの被害を最小限にするために、対処方法を考えておくとイライラを抑えられたり、解決に導けたりするでしょう。
遅刻の理由はしっかりと確認して、理由や相手に合わせて適切な対処をしましょう。