トークが上手な人や芸能人を見て、自分ももっと上手に話したいと感じる方は多いのではないでしょうか。それではトーク力を鍛えるには、どのようにすればよいでしょう。
基本はトークの量を増やして慣れることです。しかし、トークがうまい人にはさらに特徴があります。以下にて、会話のコツやテクニックをご紹介します。
トーク力がある人の特徴8つ
まず、トーク力があるとはとういうことなのか、トーク力がある人に共通する特徴を紹介します。
まずはあいさつをし、自分から相手に話しかける
トーク力がある人は、自分から積極的に相手に話しかけることができる人が多いです。自分から進んであいさつを行い、相手から親しみを持ってもらうことはコミュニケーションにおいて重要です。
例えば商談を始める前に、相手と軽く会話やあいさつを交わしてみましょう。そうすることにより、距離感が縮まってスムーズな商談へとつながりやすくなるでしょう。
ニコニコしていて近寄りやすい
普段からニコニコしていると、人から話しかけられやすくなり、コミュニケーションの機会が増えます。一般的に、明るい性格や態度の人間は近寄りやすく、人から好まれる傾向にあるからです。
明るい態度でのふるまいや、ハキハキとした声で話す習慣をあなたが心掛けるだけで、人から好印象を受けやすくなるでしょう。元々明るい性格でなくとも問題はありません。人前に出るときだけニコニコした笑顔で、明るい声で話せば十分です。
ほめ上手である
トーク力がある人は、相手のことをほめるのが上手で、話しやすい雰囲気を作ることができます。
日常生活でほめられると、誰しもがうれしく感じるものでしょう。ほめ言葉は対人関係の潤滑油となりうる技術であり、信頼感の醸成にもつながる重要なものです。
たとえ話が上手である
難しいトピックでも、たとえ話が上手だと、相手は話に引き込まれるものです。比喩やたとえ話をうまく取り入れると、会話で相手の心をつかみやすくなります。
自分でエピソードを考え出すことは難しいかもしれませんが、テレビや人から聞いたトークなどで、使えそうなたとえ話があればメモをして覚えておきましょう。
トークの声が聞き取りやすい
声の聞き取りやすさは、大きさと高さが一つのキーとなります。当然ですが、小さ過ぎる声は聞き取りづらいので注意しましょう。しかし声の大きさは場所に応じて調整することも必要です。雑踏の中や広い空間では大きめ、静かなオフィスや相手との距離が近い場合は小さめの声量で話すことをおすすめします。
また普段より高めの声が、相手には聞き取りやすいといわれています。ですが声の性質によって相手に伝わる印象が変わるという点も覚えておきましょう。例えば、高い声は明るさや楽しさのイメージ、低い声であれば落ち着きや威厳のある印象を相手に与えます。聞き取りやすいことは前提として、相手の雰囲気や話題に応じて、声のトーンを使い分けられると上級者です。トークの上手な人は、これらが自然にできています。
相手のトークにテンポよく反応できる
会話の受け答えやテンポがよい人は、相手から好印象を受けます。テンポよく返事を返すことにより、会話に流れができるのです。
例えば、相手が冗談を言ったときには、間を開けずにすぐ笑いましょう。返事があいまいであったり間が空きすぎたりした場合など、トークのテンポが悪いと相手を不愉快にさせてしまう可能性が生じます。
返事の内容がとっさに思い浮かばなくても、「そうなんですね」「すごいですね」などの簡単な相づちをするだけで十分です。同様にLINEやビジネスメールの返信も早い方が一般的に好まれます。
自分に自信を持っている
トーク力がある人は、緊張せずにスムーズに話を進めることができます。会話の際に緊張しないためには、自分に自信を持つことが大切です。
例えば、初対面の相手との会話や、未知の分野に関するトークが苦手な人は多いでしょう。しかし、自分の好きな物や趣味に関しては、割とすらすらとトークができるものです。それは自分の好きなものならば、話の引き出しが多く、話の展開などトークの先行きが読めるため、緊張しづらいからです
自分の好きなことに限らず、トークの経験を積むと、自信を持って話の展開や聞き方・盛り上げ方を想像できるようになります。自信を持って会話を進めることで相手とのトークを楽しむことができ、緊張がさらにほぐれるいとう好循環が生まれるでしょう。
ボディーランゲージを活用する
トーク力の高い人は、無意識のうちにボディーランゲージを活用しています。手などを使った説明は言葉以上に、話や感情が伝わりやすくなるものです。例えば、大きさを伝えるときに手を広げる、別れ際に手を振るなどの行動が代表的なものでしょう。
ボディーランゲージは相手の気持ちに影響を与えます。うなずく、また手を相手に向ける行動は相手への肯定を、逆に腕を組む行為は拒否のイメージを持つといわれていますので、注意しておきましょう。
トーク力を鍛える5つの方法
上記にて、高いトーク力を持つ人の特徴についてご紹介しました。それでは、トーク力を鍛えるには具体的に何をどのようにすればよいか、その方法をご紹介します。
さまざまな人と交流する
トーク力を鍛える方法の一つとして、行動範囲を広げてさまざまな人と交流を図ることをおすすめします。自分と面識のない人と話すことによって、度胸や対応力が身に付くことでしょう。結果として人と話すハードルが下がるため、トーク力の向上に役立ちます。
その際、全く自分と違う立場や、年齢の人に対してもスムーズに会話をする方法を一つご紹介します。今までに会った友人・知人と照らし合わせて、タイプが似ている人を思い出すのです。普段友人や知人と話す時のように、親近感を持って会話することができるでしょう。
トークが上手な人のまねをする
トークが上手な人のまねをすると、会話の上達に磨きがかかります。まねをする対象は友人・家族など身近な人や、お笑い芸人でも大丈夫です。
形からでよいので、しぐさ・間の取り方・言葉づかい・声の大きさなどのまねを続けると、自然に声の調子やリズムが対象と似てくることでしょう。そこから段々とあなたのオリジナリティーが加わり、結果的にトーク力の向上につながります。
盛り上げ上手、筋道を立てた話が上手な人など、まねをする対象は自分の理想に合った人から選びましょう。
トーク力を鍛えるセミナーに参加する
企業や個人が行うセミナーに参加して、トーク力を鍛える方法もあります。専門の講師によってアドバイスがもらえるため、第三者視点から、自身の良い点や改善点を把握することができます。
また、会話の中から特に鍛えたい部分を選び、学べる点はセミナーの長所です。プレゼンテーションで論理的に話したい、異性と緊張せずに話したいなど、明確な目的がある方にはセミナーの利用をおすすめします。
トーク力に関する本を読み、語彙力を高めたり会話のコツを学んだりする
トーク力に関する本を読むと、語彙力や会話の瞬発力を高められることでしょう。トーク力と語彙力は密接に関係しています。例えばある物事に対して「とても美しい」「感銘を受けた」「並外れている」「ひどい」「危ない」などと言える人と、「ヤバい」としか言えない人では表現力が全く違います。
また会話のコツを学び、気の利いた切り返しや、雰囲気・場所に見合うフレーズを身に付けましょう。会話に関して書かれた本をたくさん読んで、その後は実践してみましょう。
発想力を鍛えるゲームをする
発想力を高めることは、話を広げ、会話を盛り上げるためのキーとなります。
発想力は、連想ゲームによって鍛えることができます。大人数であれば、例えば古今東西ゲームやマジカルバナナなどがおすすめです。
古今東西ゲームは山手線ゲームとも呼ばれるもので、食べ物の名前などお題を決めてから、リズムに合わせて参加者が順々で答えていく形式です。マジカルバナナは「バナナといえば○○」「○○といえば××」と連想できるワードを、参加者がリズムに乗って順番に答えるゲームです。ゲームアプリを使えば、1人でも発想力を鍛えることが可能です。
トーク力を鍛え、話し上手になるための9つのコツ
トーク力を鍛える方法が分かれば、次は実践に移ります。実際に人と会って話すことが上達の近道です。その際に下記のコツを意識すれば、より早く上達できるでしょう。
共通点を見つけて話題にする
会話の際、お互いの共通点を見つけて話題にしてみましょう。「類は友を呼ぶ」ということわざの通り、相手との何らかの共通点があれば、お互いに親近感が沸きやすいものです。
例えば、趣味や共通の知人・出身地などが当てはまります。その他にも、服や持ち物・朝食はパン派かごはん派などの習慣など、小さいことでもいいので共通点を見つけてみましょう。
相手の目を見つめて話す
会話をするときは、相手の目を見て話を聞いてあげるように心掛けましょう。こちらが目を見て話をすると、相手は自然に興味を持たれていると好意を感じるものです。ニコニコと口角を上げて、相手を見つめながら会話をしてみましょう。
目を見つめるポイントは、トークが終わった後もしばらく目線を外さない点です。すぐに目線をそらすと、相手に冷たい印象を与えてしまうので、十分注意をしておきましょう。
相手の話に耳を傾ける
相手の話に耳を傾けると、トークを盛り上げやすくなります。会話のペースをつかみ、相づちを打ってみましょう。話を聞いていると、相手にサインを送るのです。「へぇ!」「そうなんだ!」など感嘆詞を使うとより伝わりやすいでしょう。
もちろん、ただ話を聞いているふりをするのではなく、相手に興味を持つことが大切です。相手の話に対して適宜質問をして深掘りをしたり、相手がその話を通して何を伝えたいのかを想像したりするといいでしょう。
トークのネタを先に準備しておき、活用する
いざ会話を始める場面で、とっさに話題が出てこないと困るケースが多々あります。トークのネタを事前に準備して、対策をしておきましょう。
トークで使える定番の話題として、「木戸に立てかけし衣食住」という言葉があります。これは一般的に、季節(き)、道楽(ど/趣味のこと)、ニュース(に)、旅(た)、天気(て)、家族(か)、健康(け)、仕事(し)、衣(い)、食(しょく)、住(じゅう)の頭文字を取ってできたフレーズといわれています。
各テーマについて、自分のエピソードや考えをまとめておくと、いろんな人との会話に役に立つでしょう。
ほめて会話を膨らませる
相手をほめることは会話を盛り上げます。しかしむやみにほめ言葉を連発するだけでは、効果がありません。例えば仕事の成果を称賛されて喜ぶ人もいれば、そのプロセスをほめられて喜ぶ人もいることでしょう。相手の人柄や反応に合わせたほめ方が、会話を膨らませるために求められる要素といえます。
また特に初対面の場合などあまり相手のことを知らない状態では、何をほめたらいいか困るかもしれません。その場合は、相手の持ち物やこだわりがありそうな部分をほめることから始めるといいでしょう。
例えば仕立ての良さそうなスーツや、センスのいい小物の色使い、上品にセットされた髪型、特徴的なネクタイの柄など…。そこを糸口に、こだわりの内容や、最近○○にハマっている、実は娘さんからのプレゼントであるなど、会話が広がるかもしれません。もし会話が広がらなかったとしても、多くの人はほめられたことに対して好印象を抱くため、自分から相手をほめると、その後の会話が弾みやすくなるでしょう。
注意したい点としては、相手の反応がイマイチだった場合は深追いしないことです。もしかしたら気に入ってなかったり、あまり思い入れがなかったりするのかもしれません。また、身体的な特徴や、デリケートなことに関しては触れるのは避けましょう。
目上の人であれば単純に「お会いできて光栄です」などから始めてもいいでしょう。
トークが上手になった自分を演じる
人は自己暗示をかけると、演じている通りの性格や人柄になっていくといわれています。すでにトークが上手になった気持ちで日々を過ごせば、態度や言葉遣いに余裕がでてくることでしょう。
例えば大人数での会議や初対面の相手と、スムーズに会話できている自分を想像してみてください。想像が細かく鮮明であるほど効果的で上達につながるでしょう。
トークが苦手と考えない
逆に会話が苦手と考えてしまえば、意識が後ろ向きになってしまい、なかなか上手に話せないものです。
話すことに不安があるなら、まずは相手の話を聞くことだけに集中してみましょう。会話がうまい人と比べて落ち込むのでなく、少し話せたらOKとハードルを下げることも大切です。高望みしすぎないことが、苦手意識の払しょくにつながります。
トークの際に自分から笑う
感情が伝染することを、心理学では情動感染と呼びます。自分が楽しいと相手も楽しく感じ、自分が緊張していれば相手に緊張が伝わります。例えばお笑い番組を見ていて、笑い声が聞こえるとつられて笑ってしまった、という経験を多くの方が持っているのではないでしょうか。
トークで相手に笑ってほしいときは、まずは自分から笑ってみるといいでしょう。そうすれば、場を盛り上げられるかもしれません。
トークの練習量を増やす
会話の練習量が多いと、おのずとトーク力は鍛えられます。会話の腕を磨く相手や場所としては、お店の店員や喫煙所などがあります。
「おいしかったです」と声掛けしたり、天気の話やたばこの話を一言二言したりすることで、会話のキャッチボールができれば大丈夫です。長時間話す必要は無く、会話の機会を日常生活で増やせばよいのです。もちろん、相手が忙しそうな場合や、話したくなさそうな場合は避けましょう。
トーク力を鍛えるには、まず自分が楽しむこと
トーク力を鍛える方法とコツを紹介しましたが、まず大前提として自身が会話を楽しむことが大切です。失敗したくないと考える減点方式では腰が引けてしまいます。苦手意識を捨て、失敗してもやり直せると捉えて、ゲーム感覚で会話をすれば自然にトーク力が鍛えられることでしょう。