「要領がいい」とは、さまざまな場面で耳にする言葉です。ただし、中には悪い意味を込めて「要領がいい」という人もいます。
本記事では「要領がいい」のいい意味と悪い意味の他、要領がいい人になる方法や、要領が悪い場合の対処法などについて解説します。
要領がいいとはどういう意味?
普段耳にする「要領がいい」という言葉は、本来は相手のことを褒める言葉です。ただし、褒め言葉ではない使い方をすることもあります。
以下で褒め言葉のときと褒め言葉ではないときで、「要領がいい」にどのような意味が込められているのかについて解説します。
褒め言葉のとき
要領がいいとは、本来「物事の本質や要点を正しく理解し、適切に行動できること」という意味を持っています。そのため、褒め言葉として使っている人は「要領がいい」の意味を理解し、本来の意味通りに相手を称賛しているのです。
ただし「要領がいい」は、後述するように褒め言葉ではない使い方をする人も多く、誤解が生まれやすい特徴があります。褒める場合は「仕事が速い」「的確な進め方だ」「段取りがいい」のように、具体的に言い換えると、誤解が生じることを防げます。
褒め言葉ではない、悪い意味のとき
要領がいいという言葉を、褒め言葉ではない使い方をする人もいます。褒め言葉ではない「要領がいい」には、「ちゃっかりしていてずるい人」や「努力をせずに卑怯な手段で作業をすませている人」などという悪い意味が込められています。
ただし、前述したように褒め言葉として使う人もいるため、会話の状況や話す人との関係からどちらの意味で使われているかの判断が重要です。
要領がいい人の特徴とは
特に仕事面において、要領がいいといわれる人には、主に以下の特徴が備わっています。
- 優先順位の把握や段取りが的確
- 周囲に頼れる
- 程よく手を抜ける
- 物事の要点の把握が得意
これらがなぜ「要領がいい」につながるのかについて、以下で詳しく解説します。
優先順位の把握や段取りが的確
要領がいい人の特徴の一つが、優先順位の把握や段取りが的確な点です。
要領がいい人は、仕事を複数依頼されたときでも、すぐに優先順位を把握できます。優先順位を正しく把握できると、一度に多くの仕事を抱えていても、どれもが納期に間に合うよう、無理のないスケジュールを組むことができるのです。
また、仕事の段取りが上手であることも多く、次の仕事の取り掛かりがスムーズになり、効率よく仕事を進められます。
周囲に頼れる
要領がいい人は、周囲に上手に頼れる人が多いことも特徴の一つです。
頼るというのは仕事を他人に押し付けることではなく、必要に応じて、その作業が得意な人にお願いをして助けてもらうことができるということです。それにより、自分で抱え込むよりも、短い時間で仕事を終わらせることができるのです。要領がいい人は、コミュニケーションが上手で、自然と周囲の人たちと協力しあって仕事を進めることが得意です。
程よく手を抜ける
また仕事をさぼるのではなく、成果や売り上げなどに直結しない部分の仕事で程よく手を抜くことができます。一人よがりの余計なこだわりは捨てて、最短の時間で合格点のアウトプットを出すことができるのです。
物事の要点の把握が得意
要領がいい人は、物事の要点の把握が得意です。何が重要な作業であるのかを的確に判断できるため、注力すべき部分とそうでない部分の判断が正しく行えます。
また、物事の本質を正しく理解できるため、枝葉の部分でトラブルが発生したとしても、落ち着いて対処できます。
要領がいい人になる方法
要領が悪い人は要領がいい人に憧れるものです。要領がいい人に近づくためには、以下を意識するといいでしょう。
- 優先順位をつけて一つずつさばく
- 仕事に慣れる
- 完璧にこだわらない
- 一人で抱えない
- 難しく考えすぎない
詳しくは以下で解説します。
優先順位をつけて一つずつさばく
要領がいい人になるためには、まずは優先順位をつけて一つずつさばくことを意識しましょう。要領が悪い人はマルチタスクでパニックになり、ほかの仕事と混同してミスをしがちです。
そのため、それぞれの仕事に優先順位をつけて、重要度や緊急度の高いものから一つずつ仕事をさばくように心がけましょう。仕事を一つずつさばくことで、ほかの仕事の内容と混同せず、ミスを減らせるはずです。
仕事に慣れる
また、日常的な仕事や定期的に行われる仕事は、何度も仕事をこなして慣れましょう。優先順位の把握や仕事の段取りが苦手でも、同じ仕事を繰り返し慣れることで、効率のよい段取りの仕方や手の抜き方が次第に分かってくるでしょう。
完璧にこだわらない
要領が悪い人は、一つ一つの作業を全て完璧にこなそうとする傾向があります。
ただし、仕事は完璧でなくてもよいことがほとんどです。満点でなくても、合格点ならば十分なのです。7割~8割程度を目安に、気負いすぎずに仕事をしましょう。
一人で抱えない
また、苦手なことや難しい仕事は周囲の人に相談することも重要です。周囲の人にお願いすることに罪悪感を抱くよりも、お互いに助け合う気持ちで仕事をしましょう。
難しく考えすぎない
要領がいい人になるために、難しく考えすぎないことも重要です。要領がいい人は、物事の要点をシンプルにとらえることができます。
ただし、どこが要点か考えすぎて仕事が手につかなくなってしまっては本末転倒です。ほかの人との会話中に、「これを伝えたかったのだろうか」と考える癖をつけるようにすると、物事の要点を把握する力を養えるでしょう。
それでも要領が悪い場合はどうするべき?
上記で要領がいい人になるための方法を紹介しましたが、要領がよくなるには時間がかかりますし、なかなか変われずに悩む人もいるかもしれません。ならば、要領が悪くても、それを自分の個性ととらえてともに歩むための考え方を紹介します。
要領のよさがすべてではない
たとえ要領が悪くても、要領のよさがすべてではありません。要領が悪いことと、仕事ができないことは違います。また、要領が悪いこともあなたの大切な個性です。
要領が悪ければ仕事に慣れればよく、仕事に時間が掛かるのであれば早めに仕事に取り掛かれば時間内に作業を終わらせられます。要領が悪いから自分はダメな人間だなんて思わずに、苦手な部分をフォローしながら仕事と向き合いましょう。
要領が悪くても、それが武器になることも
要領が悪くても、逆にそれを武器にすることもできます。例えば要領が悪い人は、一つ一つの仕事が丁寧で責任感があるともいえるでしょう。そのため、それらの特徴を生かせる仕事に就ければ、要領が悪いことを長所にできます。
また、完璧主義の傾向が強い人は自分自身に厳しい人が多く、在宅ワークや内職などでも、さぼらず自分のペースでしっかり働き続けられるでしょう。
このように、今までマイナスだと思っていた自分の特徴でも、視点を変えると強大な武器になり得るのです。
要領のよさは長所の一つ
本記事は、「要領がいい」の意味や要領がいい人の特徴、要領がよくなるための方法などについて解説しました。
要領よく仕事をこなせる人はすてきです。ただし、要領が悪い人にも得意なことはあります。無理をせず、自分らしく仕事と付き合いましょう。