フランス・ボルドーの伝統菓子で、溝の付いた専用の型に蜜ろうを塗り焼き上げることで、外側はカリッと香ばしく、中は弾力のあるもっちりとした食感が特徴のカヌレ。いま空前のブームとなっているカヌレ界に新たなニュースが飛び込んできた。
東京・蔵前駅前に焼き立てカヌレ専門店「KURAMAE CANNELE(クラマエカヌレ)」が1月27日にオープンした。実は、同店は1日2,000個以上販売する「GINZA Corridor Cannle(以下、ギンザコリドーカヌレ)」の姉妹ブランド。しかもここ、ビル全体を音で包んだカフェと音楽が堪能できるおしゃれな複合型施設になっているのだ。
■焼き立てアツアツのカヌレが味わえる専門店
有楽町や品川でポップアップショップとして展開され、1日に2,000個以上を販売、⾏列のできるカヌレとして人気を博した「ギンザコリドーカヌレ」。この姉妹ブランドとして新たに誕生したのが、焼き立てのカヌレを販売する「KURAMAE CANNELE」だ。
こちらで提供するのは、併設された工房で焼き上げるシンプルながら上品な味わいが特徴のスタンダードなカヌレ「クラマエ・カヌレ」(1個290円)。マダガスカル産のオーガニックバニラビーンズや発酵バター、濃厚なミルクをふんだんに使用しながらも、ラム酒は香り付け程度に抑えることで、伝統的な製法をもとに日本⼈が親しみやすい味わいに再構築している。
一般的に焼き上げた後、冷まして常温で提供するカヌレを、「KURAMAE CANNELE」では、あえて焼き立てで提供することにこだわっている。その結果、外側はカリッと、中はカスタードクリームのようにとろりとしたなめらか食感に仕上がっている。
毎日店内の工房で焼成するカヌレは、焼き立てのタイミングで店頭に並べて提供しており、焼き上がりの時間も随時公式Instagram、Twitterにてアップされるという。テイクアウトカウンターの横には、焼き立てカヌレを食べられるベンチスペースもある。
このほか1階ショップでは「カヌレソフトクリーム」(580円)やカヌレ専用にオリジナルブレンドした紅茶「カヌレ ド ティ」(480円)もオーダー可能だ。
■2階にはラグジュアリーなカフェを併設
店舗の2階は、プレミアムカヌレおよびスイーツプレートなどを提供するカフェ「KURAMAE CANNELE CAFE」になっている。名物は、プレミアムなカヌレこと「グランカヌレ」。1階で提供する「クラマエ・カヌレ」の素材をすべて最高級品にし、大きさもグレードアップしたのが「グランカヌレ」だ。
マダガスカル産の上質なバニラビーンズ、フランス産ブラウンシュガーを主材料とし、さらに香り付けには、オーク材で作った樽で熟成させたフランスのラム酒「ネグリタ」を使用している。
外は香ばしいクッキーのようにカリッカリで、内側は濃厚なカスタードのような焼き立て半熟食感。卵由来の深みがありつつも優しい甘さ、そしてほのかに香るラム酒の余韻が魅力だ。
フレンチのシェフが「グランカヌレ」と合わせて開発したオリジナルスイーツプレートも見逃せない。「グランカヌレ&2層のショコラテリーヌ ソース・アングレーズ・カフェ カカオニブ」(1,480円)は、チョコレート職⼈が作りだしたスペイン産チョコレートを使用。ムース状の⽣地を1層は焼いて、もう1層はそのまま冷やし固めてテリーヌにしている。
コーヒーの香りをプラスした卵と⽜乳を使用したフランス伝統のアングレーズソースと、カカオニブの食感がアクセントに。一般的なテリーヌの概念を覆すようなフワフワ&トロトロ食感で、カスタードクリームのようなアングレーズソースと口の中でとろけゆく至福の味わいだ。
スイーツには、カヌレを最大限楽しむため特別にブレンドされた紅茶「カヌレ ド ティ」(ポット提供で850円、カヌレプレート注文で480円)を合わせたい。スリランカの高地に位置するディンブラ地⽅の茶葉を使用し、花を思わせる香りとまろやかな甘みが特徴だ。カヌレの上品なバニラの甘みと合わせることで、華やかさが引き立ち、後に残らないすっきりとした味わいに。
このほかにも「プレミアムショコラ」(850円)などのフレーバーティーが8種類、ハーブティーが4種類、ロイヤルミルクティーやアイスティー、ソフトドリンクもそろう。スパークリングワインや赤・白ワイン、蜂蜜のお酒「ミード」もあるので、優雅にお酒とともにカヌレを味わうのも良さそうだ。
■レコードショップ、アートギャラリーにも注目
そしてビルの3階はレコードのみならず⾃⾝に合った音響機器を楽しめ、約4,000枚のレコードがそろうレコード&オーディオショップ「GINZA RECORDS & AUDIO KURAMAE(ギンザレコード クラマエ)」がある。
さらに5階は季節ごとに展示されるアーティストの作品が変わる、アートギャラリーだ。「都会のアルチザン」をテーマに、リラックスして過ごせるよう、どの階もシックな佇まいで統一されている。全体として、洗練された都会のイメージと、職⼈による手作り感が融合したような、どこか落ち着いた雰囲気を醸す。
また「ビル全体を音に包む」をコンセプトに、ラグジュアリーオーディオを各階に設置。リスニングルームのように音楽が最⼤限引き立つ、上質なリラックス空間を作り上げている。音響は、ギンザレコードを運営する"音のプロフェッショナル"であるマッチファインダー社がプロデュース。
みなさんもぜひ、カヌレと音楽の大人なマリアージュを楽しみに行ってみてはいかがだろう?
■Information
「KURAMAE CANNELE(クラマエカヌレ)」
【住所】東京都台東区蔵前2丁目1-23 蔵前第2ビルヂング
【営業時間】11:00~20:00(不定休)