たばこと塩の博物館(東京都墨田区)は1月21日から、「江上幹幸コレクション インドネシアの絣・イカット ~クジラと塩の織りなす布の物語~」を開始した。開催は4月9日まで。
イカットとは、インドネシアの絣織りのことで、地域ごとに色彩も意匠もさまざまであるという。民族考古学を専門とする江上幹幸氏(元 沖縄国際大学教授)は、製塩や交易をテーマに長年にわたって東部インドネシアで調査を行ってきた。同展では、江上氏の研究成果とコレクションを3部構成で紹介している。
第1部では、江上氏の主な調査フィールドであるレンバタ島で蒐集したイカット約20点を紹介する。海の恵みを持つ「海の民」と、山の恵みを持つ「山の民」それぞれのイカットを展示。婚資用の特別なイカットなども公開する。
第2部では、「海の民」が住むラマレラ村を中心に、レンバタ島のイカットの背景にある暮らしと交易にスポットを当てた展示を行う。イカットの制作工程や、塩・石灰など交易品の生産、伝統捕鯨、それらに基づいて機能する交易システムについて解説する。
イカット制作に不可欠であり、生活のさまざまな場面で重用されるヤシ利用の文化についても紹介する。
第3部では、多くの島からなる広大なインドネシアのうち、フローレス島とその東の島々やティモール島西部で江上氏が蒐集してきたイカット約30点を展示する。
同展の会場は、「たばこと塩の博物館」2階特別展示室。入館料は、大人・大学生100円、満65歳以上(要証明書)は50円、小・中・高校生は50円。開館時間は10時~17時(入館は16時30分まで)。休館日は月曜日。