商工組合中央金庫(以下、商工中金)は1月25日、「中小企業の賃上げの動向」を発表した。商工中金は、四半期に一度、中小企業を対象に景況調査を実施しており、今回は2022年11月調査から、毎回内容を変えている質問項目(トピックス調査分)の結果を発表した。

2022年・2023年、約7割が定例給与・時給の引き上げを実施・予定

  • 2022年・2023年の賃金増減実績・増減予定(出典:商工中金Webサイト)

定例給与・時給と賞与・一時金について、最も当てはまるものを聞くと、2022年は、70.2%の企業が全体・一部従業員の定例給与・時給の引き上げを実施。賞与・一時金についても、過半数の53.3%が引き上げを行ったと回答した。

2023年についても、調査時点で56.4%の企業が全体・一部従業員の定例給与・時給を引き上げる予定で、賞与についても37.1%が引き上げを予定していることがわかった。

「引き上げ(全従業員+一部従業員)」回答を業種別にみると、コストアップ分の製品価格への転嫁が比較的順調な「鉄・非鉄等」が最も高く80.9%。次いで「金属製品」が79.2%、「食料品」が78.2%と続いた。一方、転嫁の難しさを訴える「印刷業」(62.5%)、「運輸業」(57.2%)、「情報通信業」(51.4%)では低い結果となった。

一定の前提をおいて試算した定例給与・時給の平均引き上げ率は、2022年は前年の1.31%から1.95%に上昇。2023年も1.98%と、約2%の伸びを維持すると見込んでいる。

調査期間は2022年11月18日~12月5日、調査対象は商工中金の取引先中小・中堅企業、有効回答は2,284社。