きめ細かい肌とは具体的に、どのような肌を指すかご存知ですか?
なんとなく綺麗な肌だということはわかっても、漠然としたイメージしか持っていない方が多いのではないでしょうか。
また、「きめ細かい綺麗な肌になりたいけど、どんなケアをすればいいのかわからない!」とお悩みの方もいることでしょう。
今回はきめ細かい肌を作るために必要な肌の知識を解説します。きめが乱れる原因や、きめを整えるケア方法も紹介していますので、美肌を目指す方は最後まで要チェックです。
きめ細かい肌の特徴とは?
肌の表面には、きめと呼ばれる網目状の凹凸が存在しています。
手の甲をよく見てみると、細かな線がいくつも交わって、小さな三角やひし形を作っているのが確認できると思います。この線と三角やひし形部分が「きめ」と呼ばれていて、きめは肌状態と深い関わりがあるのです。
線の部分は皮溝(ひこう)といい、細くクッキリした凹になっているのが理想的。 三角やひし形部分は皮丘(ひきゅう)といい、形状は小さく規則正しい、ふっくらと盛り上がっている状態が良いとされています。 また、毛穴は皮溝の線と線が合わさる部分に存在するので、皮丘にボリュームがあると皮溝が細くなり、毛穴が目立ちにくくなります。
この皮溝と皮丘の凹凸にメリハリがあり、綺麗に並んでいる肌が「きめ細かい肌」。 きめが整うことによって、シワや毛穴などの小さなトラブルが目立たなくなります。 光の反射率が高まり透明感も出るので、美肌を目指す方にとって、きめは無視できない存在なのです。
では、きめを整えるにはどうしたらいいのかというと、細胞の水分量を上げ、皮膚の厚みを整え、肌が持つ機能を正常化する必要があります。逆にいえばこの条件が揃った肌は、自然ときめが整っていくということです。
きめ細かい肌の特徴がわかったところで、一度きめが乱れている肌の特徴も見てみましょう。
きめが乱れている肌の特徴は?
きめが乱れた肌には、以下のようなトラブルが出てきます。
- 手触りがザラザラ・ゴワゴワ
- 肌が敏感状態
- くすんでいる
- 毛穴や小じわが目立つ
きめが乱れているということは、水分量や皮膚の厚みが理想的ではないということです。 皮膚の厚みが増してゴワつきが出てきたり、逆に薄すぎて肌が敏感になったりします。 細胞に水分が少なく皮丘がしぼんでいると、小さなトラブルが目立ちやすくなり、光の反射が低下して透明感も失われてしまいます。
きめの乱れた肌はトラブルにも発展しやすく、ニキビや毛穴、シワを悪化させてしまう可能性もあるのです。
肌のきめが乱れる原因
美肌に欠かせない肌のきめは、なぜ乱れてしまうのでしょうか。 きめを整えるためにも、まずは乱れる原因をしっかり把握しておきましょう。
きめが乱れる原因は主に「乾燥」と「ターンオーバーの乱れ」
肌のきめが乱れる原因は、大きく分けて乾燥とターンオーバーの乱れがあげられます。 肌表面にある角質層はうるおい保持機能があり、ターンオーバーの最終地点でもあります。
きめは角質層の細胞が形成しているので、乾燥とターンオーバーの乱れと大きな関わりがあるのです。
また、乾燥によってターンオーバーが乱れたり、ターンオーバーの乱れによって乾燥が悪化したりすることも。 きめ細かい肌を作るためには、デイリーケアがとても大切です。
では、乾燥とターンオーバーの乱れが起こる原因は何なのでしょうか。 続いては、それぞれのトラブルについて詳しく解説します。
乾燥
乾燥で細胞の水分が低下すると、皮丘がしぼんで皮溝が広がるため、きめの乱れの原因になります。
皮膚は上から表皮、真皮、皮下組織の順番で層になっていますが、乾燥に大きく関わってくるのが表皮層。 表皮もいくつかの層に分かれ、一番表面にある角質層は水分の蒸発を守り、外からの侵入を防ぐバリアの働きをしています。
しかし、なんらかの要因によってこの機能が低下すると、肌は乾燥してきめの乱れに繋がってしまうのです。 肌を乾燥させてしまう原因には、以下のようなものがあります。
- 湿度の低下
- 加齢
- 紫外線
- 間違ったスキンケア
- 摩擦
- 生活習慣の乱れ
乾燥はとても身近な肌悩みでありながら、あらゆるトラブルのきっかけとなります。 肌が乾いてしまう原因は日常に潜んでいるので、普段の習慣から見直してみましょう。
ターンオーバーの乱れ
ターンオーバーとは、約1ヶ月の時間をかけて、表皮の底で生まれた細胞が押し上げられ、剥がれ落ちていくまでの肌のサイクルです。 この期間が長すぎる、短すぎるのは肌にとって良い状態とはいえません。
肌表面の角質層に到達した細胞は角質と呼ばれ、肌のコンディションに大きく関わっています。
ターンオーバーが早すぎれば未熟な細胞で構成された肌になり、バリアの機能が弱く敏感な状態に傾きます。逆に遅すぎると角質が溜まり、ゴワつきやニキビなどのトラブル、メイクやスキンケアの邪魔をすることも。
ターンオーバーの乱れが起きる要因は、以下のようなものがあります。
- 乾燥
- 加齢
- 紫外線
- 摩擦
- 生活習慣の乱れ
乾燥同様、小さなきっかけで乱れてしまうターンオーバー。 外からのアプローチで注意する点もありますが、忙しい方は特に生活の乱れに注目してみましょう。
きめ細かい肌の作り方【スキンケア】
きめ細かい肌を作るには、自分の肌をしっかり理解しておくことが大切です。 ただ決まった手順でスキンケアを行うのではなく、何をすると肌が乾燥してしまうのか、どんなケアだと肌の調子が安定するのか、観察しながらケアしていきましょう。
きめ細かい肌の作り方【クレンジング・洗顔】
スキンケアの中でも特に慎重に行うべきなのが、クレンジングと洗顔です。 汚れを落とすということはうるおいを落としてしまう、摩擦のダメージがかかるというリスクがあります。
まず、洗うケアで一番注目してほしいのが、洗い上がりの肌状態です。 洗ったあとにすぐスキンケアしないと、肌が突っ張ってカピカピ…なんてことになっていませんか?
洗顔後に肌が乾燥する場合は、マイルドな洗浄力のアイテムに変更してみましょう。
クレンジングはミルクやクリームタイプ、油脂をメインにしたオイルタイプだと洗浄力がマイルドです。 洗顔は、アミノ酸系の洗浄成分を使っているものが乾燥肌の方にもおすすめです。 よく使用されるアミノ酸系洗浄成分は、以下のようなものがあります。
- ココイルメチルタウリンNa
- ココイルグルタミン酸Na
- ココイルグリシンK
ただし、必ずしもやさしい洗浄力の洗顔料が良いという訳ではありません。 洗浄力が高い洗顔料を使っても洗い上がりの乾燥を感じず、肌の調子が安定しているのであれば、その洗顔料が合っているということ。 無理に洗浄力を下げてしまうと、むしろ汚れが残り肌トラブルの原因になる可能性もあるので、要注意です。
きめ細かい肌の作り方【化粧水】
洗顔が終わったら、肌の水分が蒸発しはじめる前に化粧水をつけます。 洗顔料でうるおいが奪われてしまっているので、スキンケアは早ければ早いほど肌を乾燥させません。
化粧水は500円玉程度を手のひらやコットンに出したら、肌にやさしく当てるようにしてなじませます。物足りないと感じたときは、化粧水を追加しましょう。このとき、何度も繰り返しつける必要はありません。また、強くパッティングするのも、肌にダメージを与える可能性があるのでNG。
化粧水を必要以上に重ね塗りすることは、肌をふやかしてバリアを弱らせてしまう場合があります。メーカー推奨の適量を目安に使用しましょう。
きめ細かい肌の作り方【乳液】
肌表面の化粧水がなじんで水っぽさがなくなったら、乳液やクリームを使って水分の蒸発を防ぎます。乳液やクリームには油分が含まれているため、自分の肌に合った保湿力のものを選びましょう。
肌質別におすすめなアイテムを紹介しますので、スキンケア選びの参考にしてみてください。
乾燥肌 | クリーム、乳液+オイルやバーム |
脂性肌 | ジェル、さっぱりした乳液 |
混合肌 | 乳液、乳液+クリームなど |
顔の部位によって肌悩みが違う混合肌の方は、保湿力の違うアイテムを部分使いするのがおすすめです。
乳液やクリームは肌の上で滑らせてなじませてしまいがちですが、この摩擦も肌のきめを乱す原因となります。
手のひらに伸ばしたら顔を包み込むようにして、擦らずになじませましょう。 ただし、朝はスキンケアがなじんでいないことがメイク崩れの原因になることもあります。小鼻脇や目元、口元などの凹凸がある部分は、指先をやさしく滑らせてなじませましょう。
きめ細かい肌の作り方【紫外線対策】
肌のきめの乱れに限らず、あらゆるトラブルの元になる紫外線。必ず日焼け止めを塗って、紫外線対策を徹底しましょう。
日焼け止めは塗る量が少ないと、十分に効果を発揮できません。 顔に塗る場合はクリームタイプでパール粒2個分、液体タイプは1円玉2枚分が目安とされています。一度塗りでは多すぎると感じるほどの量なので、顔全体に塗ったあとは重ね塗りしましょう。
日焼け止めを塗り広げたら、スポンジで叩き伸ばすようにするとムラなく綺麗に伸ばせます。
ベースメイクにも日焼け止め効果があるものを選ぶと、万が一日焼け止めに塗りムラがあってもフォローできるので安心です。
スキンケアの際は摩擦に注意する
クレンジング洗顔、乳液やクリームの塗り方でも触れましたが、スキンケアはうっかり擦って肌にダメージを与えてしまうことがあります。いつも丁寧にケアしているのに、きめが乱れて美肌にならないとお悩みの方は、肌の触れ方を振り返ってみましょう。
スキンケアやメイクをするとき、手やスポンジなどを滑らせるときは、肌が動かないようなやさしいタッチで行います。やわらかい豆腐を崩さないようなイメージで、力を込めないことがポイントです。
きめ細かい肌の作り方【生活習慣】
忙しい方こそ生活習慣の見直しを後回しにしてしまいがち。 いきなりすべてを改善するのは難しいですが、小さなことから挑戦して、無理なく生活を整えていきましょう。
きめ細かい肌の作り方【運動】
運動がどのように肌に関係しているのか、ピンと来ないという方も多いのではないでしょうか。
体を動かして筋肉を使うことで、血行が良くなることは想像しやすいかと思います。血液は体中に栄養を運び、老廃物を回収する役割があります。
細胞を作るには食べ物から摂取した栄養が必須です。栄養が不足した未熟な細胞は、うるおい保持やターンオーバーをうまく行えないため、血行が悪いと肌の乾燥やターンオーバーの乱れに繋がる可能性があります。
また、老廃物は体にとって不要なもので、血行が悪く停滞していると、肌の炎症の原因になることも。
よって、運動で血行を良くすることがきめ細かい肌を作るために大切になってくるのです。
また、定期的な運動で汗をかく習慣を作ると、汗腺が発達して汗の質が変わります。 質の良い汗は肌のうるおいを守ってくれるので、運動は美肌にとってたくさんのメリットがあるのです。
きめ細かい肌の作り方【睡眠】
夜眠る前にダラダラと過ごしてしまい、つい寝不足になっているということはありませんか?
人が眠っている間、体内では成長ホルモンが分泌されています。 この成長ホルモンはダメージを受けた細胞の修復や、ターンオーバーに欠かせないもの。そのため、睡眠時間が足りていないということは、肌のきめを乱す原因になるのです。
「自分はたくさん眠っているから大丈夫!」と感じている方は、睡眠の質にも注目してみましょう。
睡眠の質は、寝る前にスマホやテレビのブルーライトを浴びたり、飲酒したりすることによって低下してしまいます。質の低い睡眠では成長ホルモンが十分に分泌されないため、結果的に肌状態を悪くすることになります。
夜のカフェイン摂取や飲酒、ベッドの中でのスマホいじりは控えるようにしましょう。 代わりにノンカフェインのハーブティーや、お気に入りの本を読むのはストレス発散に最適です。
きめ細かい肌の作り方【入浴】
入浴は運動と同じく、血行促進が期待できる生活習慣です。 また、正しい方法で入浴するとストレス発散にも繋がるので、忙しい方こそぜひ取り入れてみてください。
入浴はぬるめのお湯に、リラックスしながら浸かるのがベスト。お湯の温度は38~40度、時間は10~15分ほどが理想とされています。
熱いお風呂が好きな方もいますが、42度以上のお湯は交感神経を刺激し、体を活動的な状態にします。交感神経が優位になると、睡眠の質が下がってしまうので注意しましょう。
就寝の1~2時間前までに入浴を済ませると、体温が下がった頃に自然と眠気が来て入眠もスムーズになります。
きめ細かい肌の作り方【食事】
肌細胞は食べたものの栄養から作られるので、バランスの整った食事は美肌に欠かせません。 決まった食材に偏ることなく、まんべんなく食べて栄養を摂ることが大切です。
食事バランスに自信がない、改善方法がわからないという方は、以下の表を参考にしながら主食、主菜、副菜を揃えることから意識してみましょう。
主菜 | 炭水化物(米、パン、麺など) |
主菜 | タンパク質(肉、魚、大豆、卵など) |
副菜 | ビタミン、ミネラル、食物繊維(野菜、きのこなど) |
特にお肉や魚は種類によって含まれる脂質の量が違うため、偏った食べ方をしていると脂質の摂りすぎになることがあります。 調理法次第で油の使用量も変わるため、脂質を摂りすぎているときは茹でたり蒸したりする調理法がおすすめ。
この他にも果物や乳製品など選ぶ食材を変え、楽しみながらバランスを整えていきましょう。
よくある悩みと解決方法
ここでは肌に関するお悩みや、解決方法について解説します。 どんなトラブルも諦めずに向き合っていくことが、美肌を手に入れるための一歩です。
毛穴が目立って肌が汚く見える
毛穴トラブルはいくつかのタイプに分かれていて、その原因もそれぞれ違います。 その中でもよくお悩みにあがってくるのが、毛穴の詰まりや開き、たるみなどです。
どの毛穴タイプも自宅でできるケアとしては、適切な洗浄力のクレンジング、それに見合った落としやすいベースメイク、保湿と生活習慣の見直しです。
お落としやすいベースメイクはクレンジングの負担を軽減でき、毛穴にも詰まりにくいので毛穴トラブル防止に最適。乾燥によるきめの乱れや皮脂分泌を防ぐために、クレンジングもマイルドなものに変更しましょう。
規則正しい生活もターンオーバーを安定させ、きめ細かく毛穴が目立ちにくい肌になります。日中も乾燥しないよう肌に水分を与え、必要な部分に適切な油分を補うケアがおすすめです。
それでも改善が見られない、もっと肌を綺麗にしたい方は、美容医療も視野に入れてみましょう。
まだ10代なのに肌が汚い
10代はホルモンバランスに肌状態が左右されやすい時期です。ニキビができる、ザラつきやすいなど、悩みの種になる肌トラブルは人それぞれ。年齢とともにホルモンバランスは安定していくので、自然とトラブルが落ち着いていく可能性があります。
自分でできるケアとしては、丁寧な洗顔と適度な保湿、睡眠と食事に注意すること。少しでもトラブルを軽減し、将来的に肌トラブルの跡を残さないために、夜更かしやお菓子の食べ過ぎに気をつけましょう。
ニキビの炎症がひどい場合は、皮膚科で処置を受けるとニキビ跡が残るのを最小限に抑えます。
生まれつき肌が汚いときめ細かくなれない?
肌質は生まれつきのもので、ケアしてもきめ細かい肌になれないのではないかと不安になっていませんか?
普段のスキンケアや生活習慣に改善点がある限り、今より綺麗な肌を目指すことは可能です。まずは自分の生活を振り返ってみて、改善できる部分がないか探してみましょう。気付かないうちに肌を擦っていた、しっかり寝ているようで睡眠の質が悪かったなど、思いがけないところに美肌への伸びしろがあります。
肌が綺麗な人を見るとうらやましく感じますが、目指すべきは自分の中で最も綺麗な肌。今の肌よりもっと綺麗になれるよう、改善箇所を探してみましょう。
きめ細かい肌の特徴や作り方を知って毛穴レスの透明肌に
今回はきめ細かい肌の特徴や、きめが乱れる原因、きめ細かい肌の作り方を解説しました。 ここで内容を振り返ってみましょう。
- きめとは肌表面にある小さな凹凸
- きめ細かい肌はトラブルが目立たず、透明感がある
- きめが乱れていると手触りが悪く、毛穴も目立ちやすい
- きめが乱れる原因は主に「乾燥」と「ターンオーバーの乱れ」
- きめ細かい肌を作るには、スキンケアと生活習慣の見直しが必要
肌は水分量やターンオーバーを整えると、きめ細かくなります。 きめ細かい肌とは肌表面にある皮溝と皮丘にメリハリがあり、皮丘の面積が小さく規則的な状態。きめが整っていると小さな肌トラブルが目立たない、光の反射率が高まって透明感が出るなど、メリットがたくさんあることを解説しました。
美肌を目指す方はスキンケアと生活習慣を振り返り、肌機能が安定するように心がけましょう。スキンケアは、自分の肌を観察しながら、乾燥させない・擦らない・適度にうるおいを与える、ということが大切です。
改善が難しい生活習慣も、まずは無理なくできるところから習慣化するとストレスが少ないですよ。
この記事を参考に少しずつ良い習慣を取り入れて、自信の持てる肌を手に入れましょう!