パソコンやスマートフォンを利用しているとき、自分が突然この世を去ったときどうなるか考えたことはありますか? 些末なメモから資産状況まで、自分に関するいろいろな情報が詰め込まれたデバイスなだけに、アクセスできないと家族が途方に暮れるのでは?...とはいえパスワードを書いた紙を貼り付けておくわけにもいかず、悩ましいところです。

iPhoneの「故人アカウント管理連絡先」は、その心配に対する回答のひとつです。自分が死去しときに備え、家族など適切な人物をあらかじめ故人アカウント管理連絡先に登録しておくことで、iPhone/iCloud上のデータにアクセスできるようにします。最大5人を登録できるので、あとのことを誰に頼むかはっきり決まっていない場合でも心配はいりません。

故人アカウント管理連絡先に登録した人にはQRコード化されたアクセスキーが届きます。そのアクセスキーを持つ人物が死亡証明書の写しをAppleに提出すると、故人のApple ID/iCloudに期間限定でアクセスできるようになり、3年が経過すると該当アカウントは完全削除されます。

家族とはいえ洗いざらい自分のことを知られるのはイヤだ、という懸念もある程度カバーされます。アクセスできるデータは、写真/ビデオやメッセージ、通話履歴、メール、メモ、連絡先、カレンダー、ダウンロードしたアプリやファイル全般で、パスワードなどiCloudキーチェーンに登録された情報は保護されます。サインインが必要な外部サイトの中身まで知られることはありません。

だから「故人アカウント管理連絡先」は登録すべきといえますが、突然アクセスキーが届いたら誰しもビックリするはず。もしもの事態について家族で話す機会があったとき話題に出して互いに登録しあう、など"自然な流れ"を作り出す工夫が必要かもしれません。

  • 「故人アカウント管理連絡先」は登録すべき?