俳優の瀬戸利樹と中田圭祐がW主演を務めるABCテレビのドラマ『僕らのミクロな終末』(29日スタート 毎週日曜24:55~全8話 ※関西ローカル、見逃し配信あり)の10分間のメイキング動画、2人と原作者・丸木戸マキ氏のインタビューが24日に公開された。

  • 瀬戸利樹、中田圭祐(C)丸木戸マキ/祥伝社 ABC

原作・丸木戸マキ氏×監督&脚本・三木康一郎氏という『ポルノグラファー』シリーズのタッグで人気コミックを実写化する今作は、過去に恋愛関係にあった2人の地球滅亡までの10日間を描く、もどかしくて愛おしい終末ボーイズラブストーリー。

このたび公開された10分のメイキング動画では、約1カ月間のドラマ撮影に密着。瀬戸、中田、富本惣昭(広瀬遊馬役)、井手上漠(嘉神めぐる&嘉神まどか役)による舞台裏や撮影秘話をたっぷり届ける。瀬戸&中田が挑んだ“美しきBLシーン”、撮影中に起こった“神がかったシーン”の密着映像も。初キスシーン後には「ぷにっぷにじゃない?」と、お互いの唇が柔らかかったことなど率直な感想を明かしている。

そして、放送を前に実現した原作の丸木戸氏と2人のスペシャルインタビューは以下の通り。

――まずは作品タイトルとストーリーについてお聞かせください。

丸木戸:実は、タイトルはすごく難航しました。隕石が落ちてくる話はたくさんあるので、まず他作品とかぶらないようにするのが大変でした。全世界を巻き込むとんでもないことが起きている世界観をマクロと捉えたときに、個人の心情にフォーカスを当てた話になっていくので、“ミクロな終末”という言葉が浮かんだんです。

瀬戸:ラストが予想できないタイトルですよね。しかも、いきなり“隕石の衝突による地球滅亡”という始まりで、まずは“どうなっちゃうんだろう!?”という食いつきがすごかったです。残された10日間で何ができるのか? 誰と過ごしたいのか? お金は使うのか、使わないのか……人によって価値観は違うと思うんですが、この作品を通して、自分だったらどうするだろう? っていうことを考えつつも一気に読み進めました。

中田:うん、そうだね。意味深なタイトルだと思って読み始めると、先の展開が気になって、世界観に没入してしまって、僕もあっという間に読み終わっていたよ。出演が決まってから読ませていただいたのですが、BLではあるけれどSFとヒューマンドラマが融合した作品で、しかもロードムービー要素もあってコミカルなシーンもある。読み終わったときは撮影するのがとても楽しみでした。

瀬戸:人間模様が深く描かれていますよね。僕は演じる真澄に対して気持ちを置き換えやすかったんです。もちろん彼の人生を経験していないんだけど、共鳴できる部分もあるし、すっと感情移入できました。

中田:僕が演じる律はすごくカッコいい男で“こんなカッコよく演じられるかな?”っていう不安が最初は大きかったんです(苦笑)。演じる上では、彼の艶っぽさのある所作を大切に表現しながら、できることはすべてぶつけることができました。

――丸木戸さんは撮影現場を見学されたそうですが、いかがでしたか?

丸木戸:都内ロケと浜松ロケに2回ほどお伺いしました。

瀬戸:あ! 美味しいお弁当を差し入れしてくださって……。

瀬戸&中田:ありがとうございました! めちゃくちゃ美味しかったです!

丸木戸:よかったです(笑)。早く撮影現場のみなさんに、少しでもエールを送りたかったのですが、お伺いするのが浜松ロケの終盤になってしまって……。浜松のロケは、4人(瀬戸、中田、富本、井手上)のシーンで、すごく楽しそうな雰囲気でした。お2人の佇まいは役のイメージにピッタリだと感じましたし、メイキングのVTRをスタッフさんから頂いて拝見したのですがイチャイチャシーンも素敵で(笑)。

瀬戸&中田:(ホッとして)そう言っていただけて良かった!

瀬戸:圭祐と僕が同い年で、惣ちゃん(富本)と漠ちゃん(井手上)も20歳で同い年なんだよね。同級生同士で演じる貴重な機会になったし、2人は僕たちにすごく懐いてくれて、癒やされました。

中田:惣ちゃんと漠ちゃん、かわいかったよね。2人の絆もすごく感じたし、もらえるものもたくさんあったな。そうそう、惣ちゃんのパワーがすごかった! 雷を落とすシーンとかさ。

瀬戸:めちゃくちゃ気合い入っていたよね。それと、ホテルのシーンで、めぐるが耳打ちしたときの遊馬の表情も印象に残ってるなあ……。

中田:三木康一郎監督の演出で、めぐるのセリフを遊馬の耳元でささやくっていうエモい動きにしたんですが、そのときの惣ちゃんがすごくかわいくて、可笑しくて……(笑)。現場では笑いをこらえるのが大変だったんですよ。

丸木戸:(笑顔)。現場では、本当に4人の仲が良さそうで、1カ月の浜松ロケを通してみなさんの絆も育まれているように感じていました。前作『ポルノグラファー』の実写化の時も三木監督が手掛けてくださったのですが、今作はまたテイストが違う作風。原作にはないシーンも盛り込まれているようなので、どんな仕上がりになるのかとても楽しみです。

中田:4人でのシーンはサバイバルな要素も多くて、大変なこともたくさんありましたが、4人で和気あいあいとした空気感で臨むことができました。みんなで励まし合いながら最後まで頑張りきれたなって感じています。シリアスな世界観の中で、真澄と律が真剣に愛し合って生きていく10日間の中で、4人の関係性やクスっと笑えるようなコミカルなシーンもにじみ出ているんじゃないかなって思います。

瀬戸:隕石や遊馬の超能力……CGを交えた映像も楽しみだよね。

――では最後に、放送を楽しみにしているみなさんへメッセージをお願いします。

瀬戸:今の自分のポテンシャルをマックスで出し切った悔いのほとんどない作品になりました。ひとつひとつのシーンをじっくりたっぷりと間を取ってお芝居しているので、作品の世界観にもドップリと浸かっていただけると思います。映像も綺麗ですし、真澄と律の愛のカタチを見届けていただけたらうれしいです。

中田:気になるキーワードがたくさん散りばめられた作品で、1本の映画のように楽しんでいただけるんじゃないかなって思っています。僕はこの作品をきっかけにして、人が人を愛することに対して、国籍や年齢、性別なんて関係なく、ただただ好きという気持ちにまっすぐになればいいんじゃないかなってすごく感じたんです。ドラマ、そして漫画を通して、この気持ちを多くの人に感じていただけたら。

丸木戸:BL作品原作のドラマがすごく増えている中で、他の作品ではあまり出て来ないシーンやテイストが盛り込まれた、ちょっと珍しくて異色の作品になっているんじゃないかな、と思っています。ただ、まさか実写でドラマになるとは思ってもいなかったので、知っていればもっとやりようがあったかなって思ったりもしていますが(笑)、今日お話を伺っていて、富本さんが頑張ってくださった雷のシーンなど期待感がさらに高まりました。私自身、この作品をどのように実写ドラマとして仕上げてくださっているのか本当に楽しみにしています。