受取人に個人情報を知られたくないなどの理由で、差出人を書かないで封筒を郵送したいけれど、可能なのかと悩むこともあるのではないでしょうか。
本記事では、封筒は差出人を書かないで送ることができるのかや、トラブルを防ぐための封筒に関するマナーなどについて解説していきます。
郵便で封筒に差出人を書かないとどうなる?
通常、封筒を郵送するときは、裏面に差出人を記載しますね。では封筒に差出人を書かないとどのようなことが起こるのでしょうか。相手にきちんと届くのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
宛先に問題がなければ配達される
結論から言うと、差出人を書かずに封筒を郵便に出した場合でも、宛先に問題がなければ配達されます。
しかし、差出人を書かないと、一般的にはマナー違反に該当するので注意が必要です。もし、差出人を書こうと思っていたのに書き忘れてしまった場合は、事前に受取人へ発送した旨を伝えておくといいでしょう。
宛先に不備がある場合は還付不能郵便となる
通常、何らかの理由で送り先に届けられなかった場合は、郵便物は差出人に返されます。送り先に届けられないのは、以下の場合などが考えられます。
- 宛先間違い : 宛先の住所が間違っていたり、受取人が居住していなかったりする場合
- 宛名間違い : 宛名が間違っている・不完全で配達できない場合
- 保管期間経過 : 受取人が不在で、郵便局の保管期間(配達の翌日より7日間)に受け取らない場合
しかし差出人を書かないで封筒を送り、上記に当てはまった場合などは、差出人がわからないため、その郵便は「還付不能郵便」となります。
還付不能郵便になった後の流れ・対処法
還付不能郵便とみなされた郵便物は、その後に郵便局において以下のような処理をされます。
- 中身を確認し宛先や差出人がわかれば、配達または差出人へ戻る
- 中身を確認しても宛先や差出人が特定できなければ、郵便局で3カ月保管される
還付不能郵便となると、郵便物の状態に応じて対応が変わります。それでは、それぞれのケースについて解説していきます。
中身を確認し宛先や差出人がわかれば、配達または差出人へ戻る
送り先に届かず、差出人もわからず還付不能郵便となった場合は、郵便局で封筒の中身を調べます。中身を調べた結果、宛先がわかれば配達される、または差出人が判明すれば郵便物が返送されます。
還付不能郵便となった場合、郵便局側が独自の判断で開封し、確認することになります。送り先以外の人物に絶対に見られたくない重要な書類などを入れる場合などは特に、差出人を記載した方がいいかもしれません。
差出人に戻ってきたときの対処法
差出人に戻ってきた郵便物は、新しい封筒と切手を用意して再送する必要があります。
新しい封筒に書類などを移し替えたら、必要な宛先・宛名・差出人などを記載して郵便に出します。封筒が返ってきたからといって、その封筒を再度使用するのは避けましょう。
中身を確認しても宛先や差出人が特定できなければ、郵便局で3カ月保管される
還付不能郵便となり、郵便局のスタッフが確認しても宛先や差出人がわからない場合は、郵便局で3カ月保管されることになります。受取人から封筒が届かないなどの連絡があったときは、郵便局が預かっている可能性があるため確認しましょう。
また、郵便物の内容によっては3カ月経過後に売却・現金化し、保管を始めた日から1年間までは、手数料を差し引いた分が現金で保管されます。3カ月を過ぎると現物で受け取れなくなるので、特に大切な情報や貴重品を送る際などは気を付けましょう。
封筒に差出人を書かないのはマナー違反
封筒に差出人を書かないのは、基本的にはマナー違反です。前述のように差出人を書かなくても封筒を送ることはできますが、受け手側の気持ちも考えると、できる限り差出人を書いた方がいいでしょう。
例えば、差出人が書かれていない封筒が送られてきた場合、受取人が怪しい郵便物だと考え、開封せずに処分してしまうことも考えられます。
封筒に記載しないといけない内容と書き方
ここからは、封筒の書き方についても紹介していきます。差出人を書く必要性がわかっても書き方がわからないという方も多いのではないでしょうか。一般的な封筒の書き方は以下の通りです。
【裏書き(差出人の住所・氏名)】
- 横書き封筒の場合: 差出人の郵便番号、住所、氏名を封筒の下部1/3におさまるように記載
- 縦書き封筒の場合: 差出人の郵便番号、住所、氏名は左半面におさまるように記載。
または、裏面の中心を挟んで右側に郵便番号と住所、左側に氏名とすることも可 - 横書き、縦書きどちら場合も表面より小さな字で記載
- 封をするときは液体のりなどを使用し、取れやすいセロハンテープやホチキスは避ける
【表書き(宛先・宛名)】
- 相手の郵便番号、住所、氏名を裏面より大きな字で記載。
氏名を中央に書くとバランスがとりやすい - 人に対する敬称語はほとんど「様」と記載で問題ない
- 団体や部署宛ての場合の敬称語は「御中」
- 企業宛ての丁寧な封書のときは、略語の「(株)」を使用せず、「株式会社〇〇」と記載
- 横長、縦長の封筒のいずれの場合も、縦長にした際に左上にくる位置に切手を貼る
上記の方法が、マナーにのっとった基本的な郵便用封筒の記載方法です。なお封筒の表面に差出人を書いてしまうと、送り先ではなく自分に届いてしまうので、封筒の書く場所には気を付けましょう。
また、還付不能郵便になってしまうと、送ったはずの郵便物が届かずトラブルが起きる原因にもなるため、差出人はできる限り記載するようにしましょう。
封筒の書き方を理解しよう
封筒に差出人を書かないとトラブルにつながります。もし、差出人を書いていない封筒が、宛先や宛名などに間違いがあり配達されないと、還付不能郵便となってしまいます。還付不能郵便になった場合は本来届けたかった日に届けられなくなってしまう、処分されてしまうなどの可能性があります。
封筒を発送するときは、受取人のことを配慮して送るようにしましょう。トラブルを未然に防ぐためにも、封筒には差出人をできる限り記載するのがおすすめです。