先日、幕張メッセで行われたアウトドアの大博覧会「TOKYO OUTDOOR SHOW 2023」。

ここではアウトドアギアをはじめ、自動車メーカー、インテリア、アパレル、食品など約100ブランドがブースを出展しました。本格的なアウトドアギアが並ぶ中、コロナ禍でキャンプの楽しさを初めて知った筆者も参加し、気になるプロダクトをチェックしてきました。

「TOKYO OUTDOOR SHOW 2023」では、人気ブランドをはじめ、韓国発のブランドなどアウトドア関連のバリエーションに富んだジャンルレスなアイテムが多数登場。昨今のアウトドアブームの影響か、3日間に渡って行われた本イベントは、併催の「TOKYO AUTO SALON 2023」を含めて総動員数は約18万人と賑わいをみせました。

キャンプ初心者である筆者も、会場に到着するやいなや、アウトドアが凝縮した空間に気持ちが高まりました。そんな中、会場で見つけた「キャンプ初心者目線」の気になるブランドを紹介します。

韓国の若者はバックパッキングを楽しむ

韓国発の「ZEROGRAM(ゼログラム)」は、ライトバックパッカー向けのアウトドアブランドです。担当者に話を聞いてみると、現在韓国では、キャンプやバッグ1つにテントや食料を入れて登山をする「バックパッキング」がトレンドになっているようです。

  • 片手で軽々と持てるほどコンパクトに収納できるテント

日本と比較すると標高の高くない山が多い韓国では、若者が電車を使って1人でバックパッキングしたり、家族連れや50代以降の人は車に大きなテントを乗せてキャンプに向かったりするのが増えているのだそうです。

  • 左から「LOST CREEK UL 40」(4万5,100円/45L)、「LOST CREEK UL 20」(2万6,400円/25L)

「より軽くて革新的なギアを開発しようとする哲学」からスタートしたブランドということもあり、ブースには軽量なアイテムがずらりと並んでいました。

中でも驚いたのは、「LOST CREEK UL 20」(2万6,400円)というバックパックです。460gと500mlのペットボトルよりも軽く、容量は25Lと春夏であれば1泊2日のバックパッキングが可能なのだそうです。耐久性もあり、レインカバーも備え付けられているので、ソロキャンプで天候問わず長期間使用できそう。

車を使わずにキャンプをする筆者にとって、できるだけ持ち物は軽くしたいと考えているので、軽量かつ機能性、デザイン性のある「ZEROGRAM」のアイテムはどれも魅力的でした。

お手頃価格が魅力な韓国発のアウトドアブランド

同じく韓国発の「BROOKLYN WORKS(ブルックリンワークス)」でも手を出しやすいお手頃な価格帯のアウトドアブランド。

都会と自然が融合しているクリエイティブな街であるブルックリンのライフスタイルをモチーフにしており、室内でもアウトサイドでも使えるアイテムが充実していることから、日本ではこれからアウトドアを始める人や女性、ストリート系を好む人から人気があるのだそうです。

ブースを覗いてみるとベージュやカーキなどシックで落ち着いたカラーのものが多く、ベーシックなアウトドアギアはもちろん、日本ではあまり見られないウォータージャグやバーマットなども展示されていました。アウトドアシーンだけでなく、おうちで使用してもインテリアとなじみ、都会的なデザインがワンランク上の空間を演出してくれそうです。

コアなアウトドア好きが支持する「M16」

キャンプ・アウトドア業界で人気を誇るガレージブランド集団「M16」が初出展していると聞き、ブースを覗いてきました。

「M16」とは、愛知県名古屋の人気ショップ「mountain mountain factory(マウンテン マウンテン ファクトリー)」のオーナー 山口慎也さんの声掛けで発足した16ブランドからなるグループで、イベントを開催すればコアなアウトドア好きが殺到するほどの絶大な支持を集めています。

「OLD MOUNTAIN」運営統括責任者でM16のCOO竹ノ内実さんに「M16」の世界観について話を伺うと「集まったブランドで統一しているものはなく、M16を通して各ブランドの個性や色を知ってもらいたい。例えるとM16は事務所で、各ブランドは破天荒なアーティストのイメージ。アウトドアを始めた人たちにも、こんな空間が作れるんだという発見になればと思っている」と言います。

  • M16のCOO竹ノ内実さん

キャンプギアと言えば軽量でコンパクト、機能面を重視したシンプルなものが多いイメージがありましたが、ブース内の展示を見てみると、キャンプシーンとは思えない、まるでショールームのようなおしゃれな空間が広がっていました。

竹之内さんは「今あるアウトドアギアのスタイルをさらにこだわり、もう一つ先のデザインやスタイルなど機能美を追求したアイテムを各ブランドから商品化している。"OLD MOUNTAIN"であれば、あえて重たく、水に弱いものも。真空管のオーディオも作っているので、アウトドアシーンで料理を作りながら良い音を聞くという趣味の空間を作ることができる」と、筆者が今まで考えたことがなかったワンランク上のアウトドアの楽しみ方を説明してくれました。

そのほかのアイテムを見ていても、焚き火台を出すところがあれば、バーナーやシステムなどにこだわったプロダクト。また、色合いもミリタリーやウッディなどブランドによってそれぞれ。初心者の筆者でも、グランピングとは違った自分好みの華やかなアウトドア体験が想像でき、胸が高鳴りました。

入手困難のキャンプアイテムを出す「SABBATICAL」

老舗アウトドアショップ「A&Fカントリー」から生まれたオリジナルブランド「SABBATICAL(サバティカル)」では、2023年春に発売予定の新製品が先行して展示されていました。本ブランドは品質・機能・コスパ・デザイン性の高いことから、毎回抽選販売になるほど人気なのだそうです。

  • 2023年新作の「SKYPILOT SYNTHETIC」

フラッグシップモデル「SKYPILOT TC」の素材違いとして、「SKYPILOT SYNTHETIC」が登場します。ファブリックにポリエステル素材を採用し、表面にフッ素、裏面にポリウレタンで加工し、防水効果を持たせたことにより、さらに軽量でコンパクトになったのだそう。

ちょっとした角度や、生地によって異なる張りなど細やかなデザインの美しさにこだわって作られている「SABBATICAL」の新作ということもあり、発売前から話題になりそう。キャンプのスキルが上がったら一度は使ってみたい憧れのブランドでした。

入門段階の初心者ではハードルが高すぎると思っていた「TOKYO OUTDOOR SHOW 2023」でしたが、アウトドアの楽しみ方が広がり、より身近に感じられる機会になりました。