可愛らしいティラノサウルスの木彫り作品が、なんともいえない素朴な魅力を放っています。スンとした表情、小さなお手々、ピンとした尻尾、すべてが愛しい!
作者は、木彫り作家の川崎誠二(@sawsnht)さんです。北アメリカは白亜紀後期の地層から発見された肉食恐竜・ティラノサウルスを、木曽ヒノキを材料に、顔の表情はアクリル絵の具で表現しました。水平にバランスをとるような前傾姿勢や、下腹部の膨らみ、足が身体の下にくる恐竜らしい体形など、図鑑を参考に可愛らしさだけでなく、生き物としてのリアリティーを追求しています。
川崎さんがTwitterで作品を公開したところ、執筆時点で2万4000件のリツイート、9万2000件のいいねを集めるなど話題に。「ぎゎわいいいいい」「良いデフォルメ感」などのコメントや、日本のみならず「So..so cuteee(まじで可愛いいぃ)」「lha que fofo(なんて可愛いんだ)」と海外からの声も多数寄せられています。
編集部では、川崎さんに作品作りのきっかけや木彫りの魅力などについて話を聞きました。
生き物としての“らしさ”や“リアリティー”にこだわり
ーーこちらの作品を作ったきっかけを教えてください。
毎週、新作の木彫り作品を作ることにしています。最近、恐竜のシリーズをはじめたのですが、ティラノサウルスは恐竜の中でも有名かつ人気なので、そのうちやりたいと思っていました。
ーーこだわった部分や、苦労した点を教えてください。
ゴジラ的に直立させるのではなく、前傾でバランスがとれるような姿勢にこだわりました。手の小ささなどもこだわった点です。ゆるく作っているように見えますが、その生き物としての“らしさ”や“リアリティー”にこだわっています。
ーー今回の作品への反響について、率直な感想を聞かせてください!
今回の作品は海外からの反応も特に多く、驚きました。たくさんの人に私の作品を見てもらえて嬉しく思っています。また、これまで食べ物そっくりな木彫り作品で、ネット媒体に何度も取り上げられているのですが、生き物の木彫りでは初めてなので、それも嬉しいです。
川崎さんは、書籍『川崎誠二のちいさな木彫り』(ナツメ社)や、カプセルトイ『木彫りの動物たち マスコットフィギュア2』など、木彫りをテーマにさまざまな分野で活動しています。「単純に木を彫ること自体が楽しい。さらに、自分の手でいろいろなものを生み出すということも楽しいです」と木彫りの魅力を語る川崎さんの手から、今後どんな作品が生み出されるんでしょう。楽しみですね。
ティラノサウルスの木彫りを作りました pic.twitter.com/CDs5aRYHEt
— 川崎 誠二|KAWASAKI Seiji (@sawsnht) January 11, 2023