株式会社コメ兵は、2023年1月19日、銀座・中央通り沿いに、コメ兵史上最高級となる店舗「KOMEHYO GINZA」をオープンする。

ストアコンセプトは「好奇心の一番地。」。美術品級の希少性のあるブランド品を含む2,400点、総額24億円のアイテムを取り揃え、リアル店舗ならではのワクワクする買い物体験の創出を目指す。

■ 物価高や循環型消費で注目が高まるリユース品

昨今の物価上昇の影響もあり、「良いものを少しでもお得に手に入れたい」「いいものを長く大事に使いたい」といったニーズや価値観の広がりから、リユース品への関心が高まっている。

実際に、コメ兵が全国の18~69歳の男女400名を対象に実施した調査では、66.0%の人が「リユース品の購入経験がある」、43.5%の人が「リユース品購入への抵抗感が薄くなったと感じている」と回答している。

  • 「KOMEHYO GINZA」外観

コロナ禍で一気にECが台頭したが、依然として「ブランド品は店頭で実際に見てから購入したい」と考える人も多い。リアル店舗の価値や役割が変化する中、コメ兵は、憧れのブランド商品を気軽に手に取って試せる、リユース店舗ならではの買い物体験を提供する場として、「KOMEHYO GINZA」の出店に至った。

■ KOMEHYOブランドの価値向上に弾み

  • 2階ジュエリーコーナー

今回オープンする「KOMEHYO GINZA」は、銀座5丁目のみゆき通り沿いで約11年間営業してきた旧店舗「KOMEHYO銀座店」の移転先となる店舗だが、単なる移転ではなく、KOMEHYO全体のブランド価値を引き上げる戦略的店舗と位置付けている。

「KOMEHYO GINZA」が店を構えるのは、老舗百貨店やラグジュアリーブランドの旗艦店が立ち並ぶ銀座の中央通り。株式会社コメ兵 代表取締役社長 石原卓児氏は、中央通りへの出店はKOMEHYO全体のブランディングにおいて大きな意味を持つと語る。

  • 株式会社コメ兵 代表取締役社長 兼 株式会社コメ兵ホールディングス 代表取締役社長 石原卓児氏

「銀座は、海外のお客様にも、銀座といえば日本、あるいは東京だとわかっていただけるような、世界から注目されるエリアです。ラグジュアリーブランドの直営店が並び、お客様の期待値も上がるこの中央通りで、お客様にご満足いただける品揃えと接客サービスが実現できれば、我々にとって次のステップにつながります。銀座・中央通りへの出店は、この店舗が生み出す売上を超えた意義があると考えています」

また、さらなる海外進出を狙うコメ兵にとって、「銀座の中央通りに店舗がある」こと自体が、現地での信頼やブランディングにつながるという。

■約1年かけて厳選した2,400点のブランド品が集結

  • 「KOMEHYO GINZA」1階フロア

「コメ兵史上最高級」と位置付けられた「KOMEHYO GINZA」には、どんな商品が並んでいるのだろうか。

グランドオープンに先立って、約1年かけて「銀座」という立地にふさわしい、約2,400点ものブランド品が集められた。その売価総額は総額24億円にのぼる。平均商品単価は約97万円で、従来のKOMEHYO店舗に比べ、大幅にアップしているという。

  • 1階バッグコーナー

2フロアからなる店舗の1階には、バッグやジュエリー、アパレルを中心とした定番の人気アイテムを取り揃えた。リユース品の気軽さを生かし、「できるだけ気軽に手に取って試せるように」との配慮から、数十万円以上のバッグなどがショーケースに入ることなく棚に並んでいる。

  • 1階アパレルコーナー

KOMEHYO初となる、デジタルサイネージの活用も「KOMEHYO GINZA」の特徴のひとつだ。「KOMEHYO GINZA」の商品はもちろん、KOMEHYO全店の在庫を来店者が自由に検索でき、検討したい商品があればQRコードを読み取って、ECサイトでお気に入り登録をしておけば、オンラインでも簡単に購入できる。

■最高額商品は7,000万円

  • 2階時計コーナー

2階には、1階よりもさらに高価格かつ希少性の高いアイテムをラインナップ。KOMEHYO全店で探しても数年に1度しかお目にかかれない商品や、これまで入荷したことのない希少性の高い商品など、見るだけでも価値がある美術品級のブランド品を「ミュージアム品」として展示・販売する。

  • 7,000万円のクロノメーター・レゾナンス(左)

最高額商品は、フランソワ・ポール・ジュルヌの腕時計「クロノメーター・レゾナンス」でなんと7,000万円。ほかにも、カルティエの「パンテール」のプラチナブローチや、ヴァンクリーフ&アーペルの「パピヨンラケ」のブローチなど、見るだけでも価値のある逸品が揃っている。過去の名品も含めた多彩なコレクションは、リユース店だからこそ実現できた品揃えといえるだろう。

  • 2階エルメスコーナー

「商品の魅力を引き立たせることを意識した」という内装は、すっきりとした印象ながらも、柔らかく上品な空間を演出している。これまでリユース品にあまり縁がなかった人、リユース店にあまりポジティブなイメージを持っていなかった人でも、ふらりと入ってみると、良い意味でリユース店のイメージが覆りそうだ。

■2023年も買取相場は高値継続か

  • 2階買取コーナー

2022年は円安や世界的な物価上昇の影響もあり、商品の定価を引き上げるブランドが続出した。ブランド品を売り買いしたい人にとっては、2023年の買取相場がどうなっていくのか、気になるところではないだろうか。

コメ兵 代表の石原氏は、2023年もブランド品を売りたい人にとっては、引き続き有利な状況が続くとみているという。ブランド品の定価が上がると、中古市場における販売価格も上がるため、それに連動して買取価格も上昇するからだ。

  • 1階アパレルコーナー

SDGsへの意識の高まりなどを背景に、社会全体で「リユース」に対する考え方がポジティブに変化していることも手伝って、リユース品の売買は今後さらに活発になっていくとみられる。そんな中、今回グランドオープンを迎える「KOMEHYO GINZA」は、社会における「リユースの価値向上」を象徴する存在となりそうだ。

石原氏は「銀座エリアは、販売はもちろん、良いものを買い取る拠点としても重視しています」と期待をにじませた。