JR西日本近畿統括本部は18日、新快速「Aシート」の新製車両(225系4次車)を報道関係者らに公開した。3月18日のダイヤ改正に合わせ、新快速「Aシート」を新たに2編成投入。運転本数を現行の上下各2本から上下各6本に増やす予定となっている。
新快速「Aシート」は2019年3月から始まった有料座席サービス。12両編成で運転される新快速の9号車に快適性を高めた有料座席を設け、多様なニーズに対応した輸送サービスの提供を通じて線区の価値を高め、「住みたい、行きたい」沿線をつくるとしている。サービス開始当初は自由席だったが、後に一部座席が指定席となり、2022年3月から全車指定席(指定席料金840円)に。現在は野洲~姫路・網干間で上下各2本を運転し、平日は大阪方面への通勤、土休日はお出かけ等を考慮した時刻設定となっている。
先行導入された車両は、2編成とも223系1000番代(4両編成)からの改造だった。新たに投入される2編成は新製車両の225系4次車(4両編成)で、近畿車輛が製作を担当。報道公開も近畿車輛本社(東大阪市)で行われた。新製車両2編成が並び、うち1編成(新快速「Aシート」車両は「クモハ224-702」、他3両は「モハ225-137」「モハ224-179」「クモハ225-130」)の外観・車内を撮影できた。
新製車両は先行導入車両と同じく、4両編成の先頭車1両(12両編成時の9号車)を片側2ドアとし、外観も先行導入車両のデザインを踏襲。車体側面の窓周りを黒、窓下をブルーの帯(白のライン入り)で装飾し、ドア付近に新快速「Aシート」のロゴマークを配置した。先行導入車両からの変更点もあり、乗降ドアが片引戸(幅1,000mm)となったほか、車体側面の窓が運転台側の1カ所を除き、ほぼ同一の形状で均等に配置されている。
客室内の有料座席は特急同等のリクライニングシートを採用し、横4列(2列+2列)の配置に。各座席に大型テーブルとコンセントも設置した。有料座席の定員は先行導入車両の46人に対し、新製車両は44人。シートピッチは先行導入車両の970mmに対し、新製車両は944mmとなったが、窓と座席の配置が合うように設計されたため、どの座席からも車窓風景を楽しめるように改良されている。客室内に空気清浄機を搭載しており、引き続き無料Wi-Fiサービスも提供する。
客室内の天井部分と客室仕切りの計3カ所に配信情報装置(液晶表示方式、4カ国語対応)を4画面ずつ設置。安全性向上のため、車内防犯カメラも標準装備となった。客室と通路部の仕切りは木目調のデザインを踏襲し、大きな荷物を置けるスペースも設置している。連結部側の通路部に車いす対応トイレを設け、付近に車いす・ベビーカー利用者向けのスペースをはじめ、1席のみだが優先座席も用意された。通路部に吊り手も設置され、立席も含めた1両あたりの定員は85人とされている(有料エリア内の通路等に立っての乗車は不可)。
新製車両の投入により、新快速「Aシート」は計4編成に。ダイヤ改正後、運転本数を上下各6本に拡大し、平日の通勤、土休日のお出かけ等がより便利で快適になるという。大阪~姫路間をはじめ、大阪駅から京都方面も利用しやすい時間帯に発着するようになる。なお、現段階で新快速「Aシート」のさらなる拡充は計画していないとのことだった。