『仮面ライダーリバイス』最終回のその後を描くVシネクスト『リバイスForward 仮面ライダーライブ&エビル&デモンズ』の完成披露上映会が17日、新宿バルト9で開催された。ステージには仮面ライダーライブ/五十嵐大二と仮面ライダーエビル/カゲロウの二役を演じる日向亘、仮面ライダーデモンズ/門田ヒロミと謎の男・ムラマサの二役を演じる小松準弥ら主要キャスト、坂本浩一監督が登場し、本作の見どころや撮影裏話を語った。

  • 左から八条院蔵人、濱尾ノリタカ、日向亘、小松準弥、椛島光、坂本浩一監督

『リバイスForward 仮面ライダーライブ&エビル&デモンズ』は、2021~22年に放送された『仮面ライダーリバイス』のスピンオフ作品。平和維持組織ブルーバードで日々奮闘していた五十嵐大二と門田ヒロミの前に、新たな脅威が立ちふさがる。ヒロミそっくりな顔を持つ正体不明の敵・ムラマサの出現。大二の中に潜む悪魔カゲロウの離反。そしてヒロミを慕う少女・留美に隠された重大な秘密とは……。凄絶なバトル・アクションの数々と心温まるドラマが融合し、最高の娯楽作品が完成した。

正義感の強い五十嵐大二と、ダーティな態度を取りつつも大二のサポートを務める悪魔カゲロウの二役を務めた日向亘は「この1年間、キャスト、スタッフのみなさんと共に作品に臨み、信頼関係を築くことができました。それだけに今回のテーマが“信頼”というのは、僕にとって胸アツな部分でした」と、本作が大二とカゲロウをはじめ、各キャラクターたちの信頼関係について深く掘り下げた作品であることを示し、観客の興味をひいた。

全身全霊をかけて人々を守る熱い男・門田ヒロミ役の小松準弥は本作で、ヒロミそっくりな姿かたちでありながら、日本刀を手にして襲いかかる冷酷な男・ムラマサを演じている。劇中のヒロミは緊張感に満ちた渋味のある表情や、弱い者をいたわる穏やかな笑顔が印象的だが、舞台上での小松はひょうきんとも形容できる朗らかな態度で客席からの熱い視線に応え、映画の完成を心から喜んでいる様子を見せた。

ブルーバードの科学者として大二やヒロミをサポートするジョージ・狩崎役の濱尾ノリタカは、マイクを持つといきなり流暢な英語で挨拶を行い、隣の日向が通訳するというやりとりを披露し「ずっと裏でこんなことやろうと仕込んでいて、日向からヤメてって言われたけど、やるしかなかった」と説明し、客席を沸かせた。

かつては悪魔崇拝組織デッドマンズの「アギレラ」だったが、やがて人類を守る仮面ライダーアギレラへと転身した夏木花を演じる椛島光は「上映前なので詳しいことは話せませんが、楽しみだな~って思ってもらえるようなお話をします」と意気込みを語った。

デッドマンズの「フリオ」としてアギレラ=花を慕い、一般人に戻ってからも花を支えようと涙ぐましい努力を続ける玉置豪を演じた八条院蔵人は、やや緊張気味ながらも「スマーイル!」と玉置の得意なセリフでニッコリ笑い、大勢のファンを和ませた。

本作のメガホンを取った坂本浩一監督は、『仮面ライダーリバイス』テレビエピソードや映画『劇場版 仮面ライダーリバイス バトルファミリア』を手がけ、作品世界やキャラクターを熟知した上で、大二やカゲロウ、ヒロミの新しい魅力を本作で引き出した。

本作の撮影は、2022年夏に行われたという。日向は「リバイスでは珍しく、撮影から公開までスパンが長かったので、僕たちは撮影中も撮影後も『いつ公開になるのかな』と楽しみにしていました」と、まもなく公開日を迎えるタイミングがようやく訪れた嬉しさをストレートに表した。

小松は本作で「一人二役」に挑んだことについて「まず頭に浮かんだのは日向のこと。大二とカゲロウの二役が印象的でしたからね。ヒロミ、大二、カゲロウ、ムラマサとキャラクターがたくさんいるなと思っていたら、それらはぜんぶ日向と僕の2人で演じていました(笑)」と、2人で4人分のセリフと芝居をこなしていた撮影時の思いを語りつつ「僕たちのアクションがとてもカッコよく描かれているので、お楽しみに」と期待をあおった。

激しいアクションシーンについて日向は「坂本監督が撮る、と聞いたとき覚悟をしました」、そして小松は「台本を読んで、さてアクションの撮影はどれくらいあるのかなと数を数えた」と、坂本組で取り組む作品への心がまえを明かし、アクションへの強い意欲を示していた。

本作の撮影は、テレビシリーズ最終回がオールアップした直後に始まったという。それだけに日向は「他のキャストのみなさんは“終わった”という雰囲気でしたけど、僕と準さん(小松)からしたら“これから始まるぞ!”という気持ちでいました」とスピンオフに挑む姿勢をふりかえった。これを受けて濱尾は「最終回のとき、2人(日向・小松)だけ空気が違っていたよね」と、その時点で2人の気迫の凄さを感じていたことを打ち明けた。

本作劇中で、日向と小松との共演シーンがある八条院は「本作の撮影で久しぶりに2人と会ったとき、目の輝き方がすごかったです」と、お互い二役でいくつものシーンを撮影し続けていた2人が久々に他のキャストと出会ったときの喜びの強さを回想した。

日向は八条院の言葉を受け「ずっと2人で撮影していたから、仲も深まりました。今日も、おそろいのシャツを着ているんです。漫才師みたいでしょう(笑)」と撮影で小松との絆が深まったことを笑顔で強調した。

日向と小松の仲が深まったという話題にするどく反応した濱尾から「これは……"ヒュージュン"出るか?」と謎めいた単語が飛び出すと、すかさず2人は漫画「ドラゴンボール」の孫悟空&ベジータの「フュージョン」ポーズをまねて「(日向と準弥の)"ヒュージュン"でーす!」と最高の笑顔で決めてみせ、多くのファンをどよめかせた。

椛島は本作の花について「気持ち的に柔らかくなった部分があるのかな? でも以前と変わらない、自由なところもありますので、楽しみにしてください」と、何やら本作で花の新しい一面が見られるかもしれないと期待させるコメントを残した。

八条院は「今回の作品でも、玉置はずっと花さんの側にいて、離れないんだなというところに注目してください!」と、テレビシリーズからずっと花の心配をし続け、助けたいという思いが本作でも変化していないことをアピールした。

濱尾は「狩崎もちょっとずつ大人になり、意識が変わってきています。ちゃんとヒロミや大二に愛を持っている。ジョージ・狩崎なりの愛の形を観てもらいたい」と、過酷な戦いを続ける2人を見守り、支援する狩崎の人間的成長を見どころとした。

ここでMCの宮島咲良より、劇中でのヒロミのセリフ「やらなければいけない」にちなみ、「2023年にやらなければいけないこと~1年の目標」という質問が登壇者に投げかけられた。日向は「去年のおみくじが大吉だったのに対し、今年引いたのは中吉でしたから、これをくつがえせるように素敵な1年にしたい!」と、最高の運を自ら引き寄せるような強い思いで臨みたいと年頭の抱負を語った。

小松は「身の周りの環境が、自身のテンションや運勢に影響すると思うので、ミニマリストになろうと思います。きれいな空間で運をつかみたい」と、身近な環境から変化をもたらしたいと力強く語った。

椛島は「プライベートなことですが、いいギターを買ってしまったので、三日坊主にならないよう今年はギターをがんばりたいです」と、現在エレキギターの練習に意欲を燃やしていることを明かし、まぶしい笑顔を見せた。

坂本監督は「今年もあちこちで地球の平和を守れればいいなと思っています」とニッコリ微笑みながら、今年も魅力的な特撮ヒーロー&アクション作品を生み出し続けると力強く宣言してくれた。

八条院は「これからもダンスを頑張って……、あと三味線を始めたいなと思っています」と、椛島のギターに続けとばかりに新しい挑戦に意欲を示していた。

濱尾は「ご飯をたくさん食べる男って、カッコよくないですか?」といきなり言い始め、日向から「今日、ずっとそればっかり言ってませんか」とツッコまれても構わず「定食屋さんで横に座っている人が『おかわり特盛で!』なんて言ってると『負けられない!』という思いになるので、いっぱい食べる人になりたい」と、まさかの大食い男子への変身願望を表明した。また「リバイスは今回のスピンオフで終わりじゃないですよ。TTFC(東映特撮ファンクラブ)で今度『仮面ライダージュウガVSオルテカ』が配信されますので、本作に負けないよう、盛り上げていきたい」と言葉を強め、狩崎が変身する仮面ライダージュウガ、因縁の相手オルテカ(演:関隼汰)の「激突」を描くスピンオフがまだ控えていることもしっかりとアピールした。

最後にマイクを手にした小松は「僕たちのこれまでの思い出、経験、愛情すべてを詰めこんだ作品が出来ました。みなさんもリバイスの1年をふりかえり『こんなこともあったなあ』と思いつつ、作品をお楽しみください」と、万感の思いを込めて挨拶した。

そして日向は「これからみなさんに観てもらって、どんなご感想をいただけるのかドキドキしています。魂を込めて走り切った作品ですので、その気持ちをスクリーンで感じていただけたらと思います!」と、作品の出来栄えに強い自信をのぞかせながら、『リバイス』を愛するすべてのファンに楽しんでもらえることを願って、舞台挨拶をしめくくった。

『リバイスForward 仮面ライダーライブ&エビル&デモンズ』は2023年2月10日より全国劇場で期間限定上映が開始。2023年5月10日より、東映ビデオからBlu-ray&DVDが発売される。

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