女優の戸田恵梨香が15日、都内でトークエッセイ『彼女』発売記念オンライントークイベントを開催した。

戸田恵梨香 撮影:本多晃子

初のトークエッセイ集となる同作は、2021年1月からインタビューを実施。これまで演じてきた役についてや、誰も知らなかった戸田自身について、心身ともに大きな変化が訪れた月日をありのままの言葉で表現している。戸田の人生や価値観、願い、今の思い全てが詰まった珠玉の1冊になっている。

イベントでは、戸田自らが司会進行を担当。同作の写真を撮影し、普段は戸田のヘアメイクを担当しているスタッフとのエピソードトークを展開した。表紙に選ばれた後ろ姿の1枚が撮れた際には、「この本の方向性が見えた!」と手応えを感じた戸田。スタッフも「戸田さんはすっぴんがいちばん綺麗だと思っているので、できるだけ自然な姿を撮りたいと思っていた」と話し、撮影は極めてリラックスした環境で行われたそうで、リラックスし過ぎて「全ボツ」になったシチュエーションもあった。

続いて、インタビューを担当したスタッフが登場。「印象に残っているのは深夜に沖縄から送られてきた直筆の文章」だといい、戸田が沖縄で宿泊ホテルのメモ帳10枚に書きつづったものだそう。内容があまりに衝撃的だったうえに、戸田が「捨てようかと思っている」と知り慌てて止めた(そのまま同作に収録)。これを聞いた戸田は「あの時は携帯にメモをするとかではなく書かずにはいられなかった」と回顧。“自分の気持ちを書く”こと自体も10年以上振りだった。

その後、ファンからのメッセージや質問に答えるコーナーを実施。“20代のうちにやっておいた方がいいことは?”という質問に対しては「私はこれがやりたいという思いがあまり出ない人だけど、ひとつだけ言えるのは、今やりたいと思ったことはやったほうがいい」と回答。「映画もこれが観たいと思った時に観た感想と、そうでもない時に観た感想ではまるで違ってきます。やりたいと思うことは今の自分にとって必要な心躍ることなのだから、諦めずにやってほしいです」と熱いメッセージを送った。

また、生配信ということでチャットに寄せられた質問にも反応。“かなり本音に近いことを話して本になることに抵抗は感じませんでしたか?”という問いかけには、「本音じゃないと伝わらないでしょう? 多くの人に届けるためには本音じゃないと意味がないと思った」と同作に込めた思いを語った。

最後に、「この本が自分の想像をはるかに超えて、誰かの大切な1冊になっていることに驚いた」と吐露した戸田。「みんなにとってこの本が救いになったらいいなと思うし、迷った時には同じように迷っている人がいると感じてもらえれば。ひとりじゃないって思ってほしいです。だから、何か不安になったらこの本と私を思い出してくれたらいいなと思います」と挨拶し、イベントを締めくくった。