家庭に人体認識技術を搭載した機器を設置し、テレビスクリーンの「視られている量」を測るREVISIOは、昨年のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の毎放送回、視聴者がどのシーンに注目したのかを分析し、その総集編を発表した。

  • 視聴者が最もくぎづけになった回

注目度が高いほど、テレビの前の視聴者がくぎづけになったことを表している。

まずは全放送回の平均注目度として、「視聴者が最もくぎづけになった回」をみてみると、1番注目された回は、第31回「諦めの悪い男」。頼家(金子大地)が病に倒れる中、その後の跡継ぎを巡って北条と比企の対立が強まる。そして北条は謀反の疑いがあるとして比企能員(佐藤二朗)を討ち取ってしまう回だった。

2番目に注目された回は、第48回「報いの時」。最終話、ついに承久の乱が始まり、幕府軍が勝利する。鎌倉では義時(小栗旬)がのえ(菊地凛子)に毒をもられ、のち生涯を終えるという回だった。

3番目に注目された回は、第34回「理想の結婚」。義時の再婚と実朝(柿澤勇人)の結婚話であり、時政(坂東彌十郎)が鎌倉で勢力を強める様子が描かれた回だった。

4番目には第36話「武士の鑑」もランクインした。

各放送回の注目度の推移からは、細かい山型で注目度が前後しながら、後半につれ徐々に上がっていく傾向が見られた。本結果を受けてREVISIOは、視聴者は後半の回にくぎづけになった傾向があると分析。飽きさせない展開が良質なコンテンツを生み、その結果ロスになる人が続出するほど人気のドラマになったと考えられるという。

さらに各放送回で一番注目されたシーンを分析。視聴者の注目しているシーンを全48回を前半と後半に分け、各回で一番注目されたシーンをまとめた。“政治的要素”と“恋愛的要素”に分解し、感情の区分は陽的な感情を「ほのぼの」「かっこいい」とし、陰的な感情を「悲しみ」「シリアス」「嫉妬」「不安」と区分した。

  • 各放送回で一番注目されたシーン(前半)

  • 各放送回で一番注目されたシーン(後半)

前半は政治的要素と恋愛的要素の比率はおおよそ1:2であったが、後半では政治的要素を含むものが19回で、恋愛要素を含むものが2回のみ。物語としても、後半はより暗い政治シーンが多くあった。それに伴い、視聴者もシリアスな場面にくぎづけになっていたと分析。前半同様、人が亡くなるシーンもよく注目された。人の死を含むシーンが一番注目された放送回は、全体を通して10回あったという。