俳優の林遣都が、3月25日・26日に2夜連続で放送されるテレビ朝日系スペシャルドラマ『キッチン革命』に出演することが16日分かった。
戦前から戦後にかけての激動期に“食に関わる革命”を起こして日本を変えた2人の女性を描く今作。第1夜では、今では誰もが当たり前のように使っている計量カップ、計量スプーンを生み出し、現代でいうレシピ=“料理カード”を作った女性医師・香美綾子を葵わかなが演じる。レシピという発想がなかった時代に、予防医学、栄養学の観点から、誰もがおいしくて栄養のある料理を作ることができるよう料理の数値化に挑んだ彼女の足跡をたどっていく。
第2夜の主人公は戦後復興の荒波の中、ダイニングキッチンを発明して台所を改革した日本初の女性建築家・浜崎マホ。それまで暗くて寒い北側に追いやられていた台所を家の中心へと移し、光り輝くステンレスの流し台を備えた、明るいキッチンへと変身させるという一大プロジェクトに乗り出し、日本の住宅を一変させたマホを伊藤沙莉が演じる。さらに壮年期の綾子に薬師丸ひろ子が扮する。また、このたび成田凌がマホとバディを組む日本住宅公団日本住宅公団・設計課長の本郷義彦を演じることも決定した。
林が今作で演じるのは、綾子が入局する東京帝大医学部附属医院の先輩医師であり、のちに彼女の夫となる香美昇一。人づきあいが苦手で研究ばかりしており、“変人”のように見られているが、男尊女卑が根強い時代にただひとり偏見にとらわれることなく、真摯に綾子に接する。2人はともに脚気治療のための胚芽米研究に尽力し、やがて人生を共にすることに。
林は「“自分を大切に生きていこう”というパワーをくれる作品」と今作を説明し、「昇一は優秀な研究者。でも当時の男性らしくない平等な考えを持っており、心やさしく愛らしい人物として描かれているので、そんなキャラクターをきちんと表現したい」と役柄に向き合う決意を語った。また、妻を演じる葵の演技を「クランクインの日、自分の出番の前にスタジオをのぞいたら、先に撮影に入っていた葵さんのスタジオ中に響き渡る力強い声を耳にして……。脚本で読んでいた以上に綾子さんの持つエネルギーを感じました」と絶賛した。
林、葵のコメントは以下の通り。
■林遣都(香美昇一 役)
この『キッチン革命』は、男尊女卑の考えが当たり前だった時代に、社会の風潮や常識にとらわれず、自らが成し遂げたいと掲げた目標に向かって道を切り拓いていく女性たちの物語です。
僕は葵わかなさん演じる主人公・綾子との出会いから夫婦として一緒に歩んでいく様を演じますが、どこか似た部分がある者同士が惹かれ合い、同じ目標を掲げて歩んでいく……。そのひとつひとつのシーンが色濃く描かれています。
昇一は優秀な研究者ですが、綾子と同じように自分の好きなことに没頭するタイプで、まわりからは“ちょっと変な人”と思われています。でも当時の男性らしくない平等な考えを持っており、心やさしく愛らしい人物として描かれているので、そんなキャラクターをきちんと表現したいと思っています。
葵さん演じる綾子は頑固で絶対にあきらめない、強い心を持っている女性。クランクインの日、自分の出番の前にスタジオをのぞいたら、先に撮影に入っていた葵さんのスタジオ中に響き渡る力強い声を耳にして……。脚本で読んでいた以上に綾子という人物が持つエネルギーを感じました。
今もまた当時と違う息苦しさのある世の中ですが、“自分を大切に生きていこう”というパワーをくれる作品です。戦前戦後、日本が計り知れない苦しみを抱えていた時代、世の中が少しでもいい方向に向かうために進んだ人たちの物語をぜひご覧ください。
■葵わかな(香美綾子 役)
綾子は猪突猛進タイプでまわりが見えなくなることも多いのですが、昇一さんと出会って大きな影響を受けます。昇一さんは綾子が飛んでいってしまわないよう、帰るべき場所にいてくれる人。綾子にとって“お守り”みたいな存在だなと思っています。