多くのデジタルガジェットをUSB経由で充電できるようになった昨今、机の上やベッドサイドにいつでも使える充電ケーブルを常備している人も多いでしょう。しかし、スマートフォンやタブレット、モバイルバッテリーなど、充電したい機器の数だけ充電器を用意しているとすぐにコンセントが埋まってしまいますし、乱雑な印象になりがちです。

そこでぜひおすすめしたいのが、充電環境の悩みを1台で解決してくれるパワフルなUSB充電器。なんでもUSB Type-Cで充電できる方向に進みつつある時代ですから、高出力かつ多ポートの充電器を1つ持っておけば、急速充電ではかどる上にお部屋やデスクもすっきり片付くはずです。

  • UGREEN Nexode 200W

    UGREEN Nexode 200W(CD271)。Amazonなどで購入でき、通常価格は19,980円

筆者もずいぶん前から自宅のデスクには4~6ポートのUSB充電器を常備していますが、最近の悩みは「USB Type-Cメインで、最近の急速充電対応デバイスに見合った出力の多ポートUSB充電器がなかなか見つからない」ことでした。

有名メーカーの現行製品でも多ポート充電器はまだまだUSB Standard-A主体の製品が多く、高出力のUSB Type-Cポートは1、2個添えられている程度。やはりニッチなジャンルなのか、1ポートや2ポート程度の一般的なUSB充電器よりは進化の流れが遅いようです。

そんな中、まさに探していた通りのスペックを持った新製品「UGREEN Nexode 200W」を昨年末に発見。さっそく入手したのでレビューしていきます。

いざ開封、良質な付属ケーブルが好印象

充電器としては高級な2万円近い製品ということもあってか、お重のような豪華な紙箱に収められて到着。開封してみると、本体とACケーブルのほかにUSB-C to Cのケーブルが1本付属していました。

  • 製品パッケージ

    妙に豪華で大きめのパッケージ。最近はスマートフォンなどの高価な製品でも簡略化が進んでいるので、“開ける楽しみ”的な要素には少し懐かしさを覚えます

  • 内容物一覧

    内容物一覧。充電器本体とACケーブル、USB-C to Cケーブル、簡易説明書が入っていました

高出力の充電器なのでACケーブルにはアースやノイズ対策のコアが装備されており、おまけのUSBケーブルもナイロン編みでしっかりした作りです。コネクタ部のデザインや60W対応の仕様などから、単品販売されているケーブル(Amazonで899円)と同等と思われます。

本体裏面には特定電気用品のひし形PSEマーク(申請者:株式会社Safari Star、登録検査機関:テュフ ラインランド)も確認でき、最低限安心して使える条件はクリアされています。

  • ACケーブル、USBケーブルはどちらもしっかりした作り

    ACケーブル、USBケーブルはどちらもしっかりした作り

  • 背面に刻印されたPSEマークなど

    背面に刻印されたPSEマークなど。出力パターンは少々複雑なので、後半で別の画像を使って説明します

パワー相応の大きさ・重さ、据え置き利用にはほど良い安定感

多ポートのUSB充電器を見慣れている人からするとイメージ通りのサイズ、むしろ200Wも出せる割にはさほど大きすぎずホッとしましたが、他の編集部員に見せてみると「思ってたよりも大きい」という声も。

3ポートぐらいまでの一般的なUSB充電器とはサイズ感が大きく異なり、気軽に旅行や出張に持ち出せるものではなく自宅やオフィスにドカンと据え置いて使うものだということは、購入時に頭の片隅に入れておいた方が良いでしょう。

  • ハイパワーな多ポート充電器なのでスペック相応の大きさ・重さはあります

    ハイパワーな多ポート充電器なのでスペック相応の大きさ・重さはあります。比較対象としてスマートフォンを隣に置いてみました(Pixel 7、画面サイズ6.3インチ)

ケーブルを除くボディサイズは約101×101×32.3mmとコンパクトにまとまっているものの、約520gとペットボトル飲料1本分ほどの重量があり、手に取るとぎっしり詰まった重みを感じます。

ただし、想定通りの据え置き利用をする分にはこの重さがむしろ好都合で、最大6本のケーブルを伸ばして使っても定位置からズレにくく安定感がありました。

  • USB Type-C×4、USB Standard-A×2の計6ポートがずらりと並びます

    USB Type-C×4、USB Standard-A×2の計6ポートがずらりと並びます

1ポート利用でも複数台同時充電でも高性能

Nexode 200WはUSB Type-C×4、USB Standard-A×2の計6つの出力用USBポートを備えます。合計出力は製品名の通り最大200W(2ポート利用時)、1ポートあたりの出力は最大100Wです。

また、標準規格のUSB PD(Power Delivery)だけでなく、拡張機能にあたるPPS(Programmable Power Supply)、ファーウェイ独自のFCPなどの急速充電規格も網羅しています。

複数台の同時充電を行う際には、使用するポートの組み合わせによって出力が変化します。少々複雑なのですが、まずは以下の画像をご覧ください。

  • Nexode 200Wの出力パターン一覧

    Nexode 200Wの出力パターン一覧(注:画像右上の各ポートの最大出力は、上から3番目が欠けているが誤植と思われる。実際の仕様は上から順にPD 100W、100W、65W、65W、SCP 22.5W、22.5W)

かなり豊富なパターンを用意して柔軟にコントロールされており、3ポート利用時には65W+65W+65W、4ポート利用時には65W+65W+45W+20Wと、分配する台数を増やしていってもほぼ無駄なく合計195W程度を出し切れる仕様です。

注意点としては、4口のUSB Type-Cポートは同じ扱いではなく、1番・2番が強力かつ優先される仕様です。1~2ポート利用時に100Wまで出せるのは1番・2番のみで3番・4番は65Wまでとなりますし、4ポート以上の利用時も基本的に1番・2番が高出力になります。要求電力の大きい機器を左側(縦置きなら上側)に繋ぐよう覚えておきましょう。

  • USB PD対応のノートPC×2台、スマートフォン、モバイルバッテリーを同時に充電してみた

    USB PD対応のノートPC×2台、スマートフォン、モバイルバッテリーを同時に充電してみた

日頃から、新しい機器を購入する際には「USB Type-Cで充電できるか」を真っ先に確認するぐらいには、なんでも同じケーブルで充電できる利便性にどっぷり浸かっている筆者。手近にあったUSB充電ができる機器を集めて片っ端からNexode 200Wに繋いでみました。

ノートPC2台(いずれも30W以上で充電可・推奨45W以上の機種)、デジタルカメラ(最大15V 1A)、スマートフォン(最大21W)を同時に充電してもすべて急速充電を保ったまま、まだ余裕があります。上の写真ではカメラを撮影に使っているため代わりにモバイルバッテリーを加えましたが、この組み合わせももちろんOK。

余裕のパワーで身の回りの機器をほぼ1台で充電でき、「この機器の充電は○○W以上だから……」と考えながら充電器を探したり専用充電器を保管・管理する必要もなく、USBポートやコンセントの不足からも解放されるという、ガジェット好きの方やミニマルで見栄えの良いデスク環境を整えたい方なら買って損はないアイテムだと感じました。

充電器に約2万円とはやや購入に勇気のいる価格帯ではありますが、クーポン割引なども発売直後から何度か実施されているのでチェックしてみてはいかがでしょうか。