日本テレビ系ドキュメンタリー番組『NNNドキュメント’23』(毎週日曜24:55~)では、難病と闘う酒蔵の杜氏とその家族を追った『和醸良酒』(テレビ信州制作)をきょう15日に放送する。
長野県諏訪市にある「酒ぬのや本金酒造」は、江戸時代から続く老舗の造り酒屋。9代目の宮坂恒太朗さん(43)は、酒造りを指揮する杜氏を継いだ2年後に、国指定の難病であるALS(筋萎縮性側索硬化症)を発症した。全身の筋肉が次第に衰え、体が動かなくなっても酒造りは諦めなかった。「生きる意味は酒造り」と話し、車いすから蔵人に指示を出しながら杜氏を続けてきた。
しかし、ALSは進行性の難病。根本的な治療法は見つかっていない。2021年秋には、病の進行で呼吸困難になり、気管切開の手術を決断。呼吸を楽にする代わりに声を失った。手術後は寝たきりの状態が続き、昼夜を問わない介護を受けることに。しかし、明るい妻に支えられながら病室からリモートで酒造りをして、新商品の発売にもチャレンジしていく。
番組タイトルの「和醸良酒」は、人の和が良い酒を醸すという意味。その言葉の通りに多くの人の支えで日本酒と人生の喜びを醸し続けている。家族中心の小さな酒蔵と杜氏の3年間の物語を、女優・平岩紙のナレーションで紹介する。