日産自動車が「GT-R」の2024年モデルを「東京オートサロン2023」で公開した。1969年の初代モデル誕生以来、50年以上にわたって日本を代表するスポーツカーであり続けるGT-R。2024年モデルは一体、どんな深化を遂げているのか。実車を確認してきた。

  • 日産の新型「GT-R」(2024年モデル)

    日産が「東京オートサロン2023」(幕張メッセで1月15日まで)で公開した新型「GT-R」。写真左が「日産GT-R プレミアムエディション T-spec」(NISSAN GT-R Premium edition T-spec)、写真右が「日産GT-R ニスモ スペシャルエディション」(NISSAN GT-R NISMO Special edition)だ

新型は史上最高のGT-R?

GT-Rの現行型「R35」は2007年に発売となり、15年以上にわたって深化を遂げてきた。2024年モデルについて日産COOのアシュワニ・グプタさんは、「日産GT-Rの極み、史上最高のGT-Rというべき集大成です。GT-Rの長い歴史に名を刻むモデルとなるでしょう」と自信を示した。

日産自動車 チーフ・ビークル・エンジニアの川口隆志さんによれば、新型は「人の感性に気持ちよく、それでいて速い」「トータルバランスをもっと高い次元へ」という2つのキーワードのもと開発を進めたという。

  • 日産の新型「GT-R」(2024年モデル)

    川口さんによると、新型「GT-R」では「R(レーシング)ゾーン」と「GT(グランツーリスモ)ゾーン」の両面で深化を図ったという

新型GT-Rの変更点のひとつは外装デザインだ。ハンドリング性能とダウンフォースの向上を目指し、フロントバンパー、リアバンパー、リアウイングなどに変更を加えた。

  • 日産の新型「GT-R」(2024年モデル)

    水平基調を軸にデザイン変更し、スタンスのよさを表現したという「NISSAN GT-R NISMO Special edition」のフロントマスク。新しいシグネチャーのデイタイムランニングライト(DTRL)を採用している

フロントではグリルの開口が旧モデルと比べて少し小さくなっているが、中に入る空気の量は変わらないため、冷却性能をキープしながら空気抵抗を下げることができたそうだ。

  • 日産の新型「GT-R」(2024年モデル)

    ヘッドランプ下のキャラクターラインやDTRL上下のエアーガイドデザインには、横に流れる風を整流する役割がある。深くなったカナード形状には、タイヤ横に空気の渦を発生させ、ホイールハウス内の圧力を吸い出す効果があるそうだ。これらのデザインがダウンフォースを高めている

リアについては、バンパーサイドとトランクリッド上面にあるエッジが空力で重要な役割を果たしている。具体的には、クルマの周囲を流れてくる後ろ側に巻き込む風を少なくする効果があるという。

  • 日産の新型「GT-R」(2024年モデル)

    クルマが走行すると、どうしても後ろ側に巻き込む風が大きくなる。この課題に対して新型「GT-R」では、バンパーサイドの大きなエッジとトランクリッド上面エッジという解を導き出した

新型GT-Rの大きな特徴となるのがリアウイングだ。NISSAN GT-R NISMO Special editionでは「GT500」の車両でも採用している「スワンネック」と呼ばれるタイプを選択。スワンネックは従来のウイングと異なり支柱(ステー)が下にないため、下部面積を大きく使えるというメリットがある。

  • 日産の新型「GT-R」(2024年モデル)

    「NISSAN GT-R NISMO Special edition」のリアビュー

フロント/リアの刷新により、新型GT-R NISMOのダウンフォースはトータルで約13%向上している。

  • 日産の新型「GT-R」(2024年モデル)

    「NISSAN GT-R NISMO Special edition」が採用するレカロの新型シート。カーボンフレームをむき出しにすることで、旧モデルから質量を増やすことなく、シート横剛性を50%向上させることに成功している。腰や背中、肩といった各部を最適にサポートするため、シートのパッドは分割構造としている

一方でT-specもリアデザインを刷新しているが、これは2007年の登場以来、初めてのことだ。

具体的には現行モデルに対し、ウイングが幅広になり、装着位置が少し後ろに下がっている。これにより、トランクリッド上面に働いていたクルマを持ち上げようとする風圧が減り、ダウンフォース強化につながった。

  • 日産の新型「GT-R」(2024年モデル)

    「NISSAN GT-R Premium edition T-spec」のリアビュー。こちらはフロント周りも合わせたクルマ全体で約10%のダウンフォース向上を達成

そのほかの変更点としては、厳しくなった車外騒音規制に対応するため、排気管の途中が分岐する新構造のマフラーを採用。この新しいマフラーは、ジェット機をヒントに配管形状を工夫することで、動力性能を損なうことなく車外騒音の課題をクリアしたという。サウンドが気になるが、エンジンが高回転域になればなるほど、ジェット機のような迫力ある新しいGT-Rサウンドを奏でるというのが川口さんの説明だ。

  • 日産の新型「GT-R」
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  • NISSAN GT-R NISMO Special edition

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  • NISSAN GT-R Premium edition T-spec

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  • NISSAN GT-R Premium edition T-spec

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