ローランドは、創業50年を記念して2022年に発表した電子ピアノのコンセプト・モデルのアップデート・バージョンを、米国ラスベガスで開催されたテクノロジー見本市「CES 2023」にて発表した。
創業50年記念コンセプト・モデルとして製作された電子ピアノは、国産のナラ材を採用し、家具ブランドのカリモク社との共同設計による木目調を活かした丸みを帯びたデザインを特徴とする。ローランドの主要な歴代ピアノの音色に加えて最新の音色も搭載。従来以上に自然なレスポンスを味わえる鍵盤タッチも実現しているとのことだ。
今回、CES 2023で発表されたアップデート・バージョンでは、ピアノの鍵盤蓋とトップサイドに合計14個のスピーカーを配置した「360度スピーカー・システム」を採用。あらゆる方向に発音可能なスピーカーは、それぞれ個別に音量を調節でき、従来のステレオスピーカーを搭載している電子ピアノに比べ立体的で臨場感溢れるピアノ・サウンドを演出する。
ピアノの音色は、ピアノ本体から発せられる音だけでなく、壁や天井などに反射して生じる空間の響きも大切な要素となるが、この空間の響きを再現するために、ピアノの周囲に浮遊するドローン・スピーカーを使用することをローランドは構想しているという。最新のドローンに取り付けたスピーカーから音が降り注ぐことで、演奏者を包み込む音場を生み出せるとのことだ。ローランドは、このドローン・スピーカー実現のために、音の遅延の少ない独自のワイヤレス技術を採用し、プロペラ・ノイズが少なく、静かに飛び、かつ移動するドローンと、スピーカーを組み合わせたシステムの実現に向けて開発を続けていくとアナウンスしている。
現在、「創業50年記念コンセプト・モデル・ピアノ」を紹介する特設ページで、設計にあたってのコンセプトや、画期的なスピーカー・システムの詳細、クラウドと連携した未来のピアノの活用などを視聴できる。
なお、創業50年記念コンセプト・モデル・ピアノはその名の通り、コンセプト・モデルのため販売の予定はない。