スズキはインドで開催中の「Auto Expo 2023」で2台のSUVをお披露目した。「ジムニー5ドア」と「フロンクス」だ。大人気「ジムニー」の5ドア仕様は日本に持ってきてもかなり注目を集めそうだが、その可能性はあるのだろうか? 念のためスズキの広報に聞いてみた。

  • 「Auto Expo 2023」のスズキ

    インド・デリー近郊で開催中の「Auto Expo 2023」でSUV2車種を発表したスズキ

検討中ではあるものの……

スズキのインド子会社であるマルチ・スズキ・インディアが「ジムニー5ドア」と「フロンクス」の2車種を発表、2023年度から順次販売を開始する。これにより、同社のSUVラインアップはこれまでの2モデルから4モデルに拡大。成長が見込まれるインドのSUVセグメントで多様な選択肢を提供していく方針だ。また、これら2モデルはアフリカ、中南米などに輸出もしていく予定だという。

現行型(4代目)ジムニーは2018年に日本で生産・販売が始まったモデル。欧州や大洋州などにも輸出するなど、世界中で好評を得ている。インドでも2020年11月から輸出専用車として生産を始め、アフリカや中南米などに輸出してきた。

ジムニー5ドアはリヤドアを設けた新規の5ドア仕様。後席には専用のリヤシートや内装を採用した。ボディサイズは全長3,985mm、全幅1,645mm、全高1,720mm、ホイールベースは2,590mm。搭載するのは1.5Lのガソリンエンジン、トランスミッションは5MTと4ATから選べる。

  • スズキの「ジムニー5ドア」

    スズキの「ジムニー5ドア」

「フロンクス」はクーペスタイルを取り入れたコンパクトな新型SUV。フロントグリルには迫力と厚みを持たせ、スタイリングとしてはフロントおよびリアで横への張り出しを強調し、SUVの力強さ、存在感を表現した。室内は上質感のある内装とスペースを有効活用した快適な空間を提供。全方位モニターやヘッドアップディスプレイなど、先進の装備も採用した。ワイヤレスチャージャーや後部座席のエアコン吹き出し口などの快適装備も備えているという。ボディサイズは全長3,995mm、全幅1,765mm、全高1,550mm、ホイールベースは2,520mm。パワートレインは1.0L直噴ターボのマイルドハイブリッドと1.2Lガソリン(アイドリングストップシステム搭載)を設定した。トランスミッションは1.0Lが5MTと6AT、1.2Lが5MTとAGSとなる。

  • スズキの「フロンクス」

    スズキの「フロンクス」

ジムニーの5ドアを見て欲しくなった人はたくさんいると思うのだが、日本に入ってくる予定はあるのだろうか。スズキ広報によると「検討はしているのですが、当面の間、日本に導入する予定はありません」とのことだった。3ドアのジムニー(4代目、既存)に多くの注文が入っているので、そちらの顧客への供給を優先したいという考えがあるようだ。ただ、導入しないということではなさそうなので、気長に待てばそのうち吉報が届くかもしれない。