トヨタ自動車が新型「プリウス」を発売した。まずはハイブリッド車(HV)タイプの販売を開始したもので、プラグインハイブリッド車(PHEV)については2023年3月ごろの発売を予定している。HVの価格は275~392万円。サブスクのKINTOなら月額1.6万円ちょっとで乗れるという。
圧倒的な低燃費はキープしつつ…
プリウスは1997年に世界初の量産型HVとして誕生。圧倒的な低燃費性能を持つエコカーとしてHVの普及を牽引してきた。新型は「Hybrid Reborn」がコンセプト。従来の強みである高い環境性能に加え、「一目惚れするデザイン」と「虜にさせる走り」を兼ね備えたエモーショナルなクルマを目指して開発を行ったそうだ。
デザイン面ではプリウス独自のアイコンである「モノフォルムシルエット」を継承しつつ、より低重心かつスタイリッシュなプロポーションに生まれ変わった。シンプルでありながら抑揚のあるボディ造形は、長く愛されるための「感性に響くエモーション」と「普遍的な美しさ」を目指した。
インテリアは「アイランドアーキテクチャー」コンセプトを採用。圧迫感のない広々とした空間と運転に集中しやすいコックピットの両立を図った。
排気量は1.8Lと2.0Lの2種類。ともにシリーズパラレルハイブリッドシステムを組み合わせる。
2.0Lモデル(ZグレードとGグレード)は従来型を上回る低燃費(28.6km/L)を達成しつつ、システム最高出力は従来型比1.6倍となる144kW(196PS)を実現。プリウスならではの高い環境性能は維持しながら、胸のすくような加速感やドライバーの思い通りに反応するレスポンスの良さで乗った人を「虜にさせる走り」を高次元で両立させることを目標とした。
1.8Lモデル(UグレードとXグレード)は、改良を重ねつつ全ての電動モジュールを刷新したことで32.6km/Lの低燃費を達成。走りにも磨きをかけ、ハイブリッドならではのシームレスな加速に加え、軽やかな出足とダイレクトな駆動力レスポンスを感じられるよう注力した。
プラットフォームは熟成を重ねた「TNGAプラットフォーム」をベースとし、新型プリウスのエモーショナルなデザイン・走りを実現するために改良を施した「第2世代TNGAプラットフォーム」を開発。低重心化や大径タイヤの採用を実現した。
駆動方式は2WD(FF)と4WD(E-Four)から選べる。E-Fourは高出力モーターの採用などにより、雪道をはじめとする低μ路での登坂性能や旋回時の安定性がさらに向上しているという。
新型プリウスは最新の予防安全パッケージ「トヨタセーフティセンス」を標準装備している。先進安全システムの検知対象を拡大したことなどにより、いくつかの機能が追加となっている。例えば「後方車両接近告知」(トヨタブランド初採用)は、ブラインドスポットモニターの後方ミリ波レーダーで後続車を検知し、接近した場合にマルチインフォメーションディスプレイやブザーで乗員に知らせる新機能だ。
新型プリウスの価格は275万円~392万円。クルマのサブスクリプションサービス「KINTO Unlimited」では、KINTO専用グレードの「U」が選べる。Uグレード(2WD/標準内装仕様)、最安値パッケージ、追加オプション無し、初期費用フリープランの7年契約であれば月額料金は1.661万円(ボーナス月加算16.5万円)、7年間の総支払額は370.524万円となる。新型プリウスの月販基準台数は4,300台。生産工場はトヨタ自動車の堤工場だ。