物価高でお金のやりくりに悩める今、日々の出費に応じて獲得できる“ポイント”に注目する人が増えていると思います。筆者もそのひとり。楽天ポイントやdポイント、Pontaポイント、PayPayポイントといった共通ポイントに加えて、今、特に注目しているのが「JRE POINT」です。

  • 「JRE POINT」アプリのトップページ

JRE POINT高還元のコツは「モバイルSuica×ビューカード」

JRE POINTはJR東日本のポイントサービスで、在来線に乗ったり、駅ナカの加盟店で買い物したりすることで貯まります。ポイントを効率良く貯めるためにまず利用したいのが、JR東日本のクレジットカード「ビューカード」です。

筆者は、年1回以上利用すれば、翌年の年会費524円が無料になる「ビックカメラSuicaカード」を利用。このクレカからモバイルSuicaにオートチャージしています。

  • 筆者が利用する「ビックカメラSuicaカード」(右)とモバイルSuica(左)

チャージするのは月2万円程度ですが、それに対して1.5%のポイントが付与されるので、毎月300ポイント程度が貯まります。このポイント付与率は、JR東日本のネットサービス「えきねっと」でJRのきっぷを購入したり、モバイルSuicaでグリーン券やお得なきっぷを購入した場合には3%にアップします。

定期券の購入でもポイントがもらえるので、定期券の利用者なら「モバイルSuica定期券」の購入をおすすめします。「ゴールドカード」ならポイント付与率がアップするので、JR東日本エリアの新幹線利用が多い人なら、ゴールドカードの年会費(11,000円)を支払っても、それ以上に得できるかもしれません。

  • ビューカードのポイント付与率(ビューカードのWebサイトより引用)

JR東日本の在来線に乗るだけでポイントが貯まる

次にやっておきたいのが、普段利用しているモバイルSuicaを、JRE POINTのWebサイトに登録すること。近ごろ、鉄道の利用に対して乗車ポイントを付与する鉄道会社が増えています。JR東日本では「在来線乗車ポイント」として在来線に乗車すると、モバイルSuicaでは運賃50円ごとに1ポイント、カードタイプのSuicaでは運賃200円ごとに1ポイントが貯まります。

  • JR東日本の在来線へ乗車するだけでポイントが貯まるのはうれしい

ほかに「リピートポイントサービス」というものがあり、同じ月内に同じ運賃を10回支払うと、運賃1回分の料金をポイント還元してくれます。このサービスは、10回分の運賃で11回乗車できる回数券をイメージすると分かりやすいと思います。10回以上の場合、運賃の10%相当がポイント還元されます。

同じ駅区間ではなく、同じ運賃区間でいいのがリピートポイントサービスの魅力です。例えば、157円区間(IC乗車券の場合)の場合、新宿~渋谷、恵比寿~品川、東京~上野など、どんな駅区間でもOK。テレワークで週に2~3日しか出勤しなくなったという人なら、通勤定期券ではなく、SuicaやモバイルSuicaを利用することで、このリピートポイントサービスが狙えます。

どの運賃区間を何回利用したかなどは、JRE POINTアプリやJRE POINT WEBサイトの「鉄道乗車回数達成状況」で確認できます。今月、どの駅区間に何回乗車しているかが分かります。

  • JRE POINTアプリで今月分の乗車回数が確認できる

なお、在来線乗車ポイントやリピートポイントサービスは、通勤定期券の利用者でも、定期券区間以外の利用ならば対象になります。

「えきねっと」の新幹線・特急列車の予約でポイント高還元

JRE POINTは、JR東日本エリアの駅ナカのお店や街ナカの加盟店での買い物でも、0.5%や1%のポイントが貯まります。

これらのさまざまなサービスの利用によって、筆者の場合、月625ポイント程度、1年間で7,500ポイント程度が貯まっています。普通にJRに乗って、必要な時に駅ナカで買い物しているだけなのに、思いのほかポイントが貯まって驚いています。

【JRE POINTの1カ月間の獲得明細】

  • 2万円のクレカチャージ:300ポイント
  • 約15,000円分の在来線利用:300ポイント程度(モバイルSuicaの場合)
  • 約5,000円分の駅ナカ店舗での買い物:25ポイント程度(0.5%ポイント還元の場合)
    →月625ポイント程度、年7,500ポイント程度獲得
    ※リピートポイントサービスはあまり達成できていないので明細に含めていない

2022年の夏は、避暑で上越新幹線や北陸新幹線を何度か利用したので、そのことでもポイントが多く貯まりました。えきねっとでチケットレス乗車の「新幹線eチケットレスサービス」を利用すると、2%のポイントが貯まります。加えて、ビューカードの決済で3%が貯まり、合計5%のポイントがもらえました。

  • JRきっぷの対象商品とポイント付与率(えきねっとのWebサイトより引用)

友達2人と一緒に上毛高原駅まで行った際、筆者がまとめて乗車券を予約したのですが、その分だけで1,800ポイントも貯まりました。1人分でも600ポイントになるので大きい! 新幹線eチケットレスサービスは、普段使っているSuicaやモバイルSuicaの番号を登録することで、チケットレスで新幹線に乗車できるというサービス。事前に友達にきっぷを渡す手間もなく、いつも通りスマホをかざして改札を通過でき、とても便利でした。しかもポイントがガッツリ貯まるので、今後大いに活用したいと思います。

【筆者が利用した東京駅~上毛高原駅での例】

  • 乗車券料金:往復3人分(合計36,120円)
  • 新幹線eチケットレスサービス2%付与:720ポイント
  • ビューカード決済3%付与:1,080ポイント
    →合計1,800ポイント(1人あたり600ポイント)

貯まったポイントはSuicaにチャージしたり、駅ナカのポイント加盟店の買い物に使ったり、新幹線の座席のアップグレードなどにも利用できます。筆者は、これまでSuicaにチャージしていましたが、今は2022年12月7日から始まった新サービス「どこかにビューーン!」で利用するために貯めています。どこかにビューーン!は「JR東日本の『どこかにビューーン!』でどこに旅できる?」で詳しくリポートしていますので、そちらも合わせてご覧ください。

Suica通勤定期券利用者ならオフピーク通勤でポイント獲得

Suica通勤定期券の利用者なら、平日の朝、ピーク時間帯を避けた時差通勤をすることで、「オフピークポイントサービス」のポイント対象になります。

  • 朝の通勤ピーク時間を避けて乗車するとポイントが貯まる「オフピークポイントサービス」もある

JRE POINTに登録済のSuica通勤定期券を使い、首都圏の対象エリアの駅でポイント還元対象となる時間帯に駅の改札機に入場すると、毎月4回目までは5ポイント、5回目以降は25ポイントがもらえます。ポイント還元の上限は月20回で最大420ポイント獲得できます。

例えば、山手線の品川駅なら6時30分~7時30分、または9時00分~10時00分に改札機に入場し、対象駅で出場するとポイントが貯まります。なお、同じ日に何度か対象時間帯に対象駅を利用しても、ポイントが付くのは1日1回のみです。

  • 山手線のオフピークポイントサービスの対象時間帯(JR東日本のWebサイトより引用)

なお、オフピークポイントサービスの期間は2023年3月31日まで。4月1日以降も1年間の延長が決まりましたが、JR東日本が2023年3月18日から発売する「オフピーク定期券」の利用者は対象外となり、対象エリアも少し狭い範囲になります。

オフピーク定期券とは、平日朝のピーク時間帯以外の時間帯で利用できる定期券。通常の定期券が現行の定期券から約1.4%高くなるのに対して、このオフピーク定期券は約10%も安くなります。なお、オフピーク定期券の利用者がピーク時間帯に乗車した場合は、普通運賃が必要になります。

在来線の乗車だけでなく、えきねっとでの特急や新幹線の予約などに加え、チケットレスやオフピーク通勤などでもポイントがお得に貯まるので、JR東日本はJRE POINTを活用して人の流れをうまく分散し、便利で快適な乗車につなげているなと感じます。しかもポイントがガッツリ貯まるので、これからもJR東日本のサービスから目が離せません。