米Googleは1月5日、ラスベガスで開催された「CES 2023」において、自動車向けシステム「Android Auto」のアップデートを発表した。主なトピックは、ユーザーインタフェース(UI)の刷新、デジタルキーの提供拡大、「Google built-in」対応車種における機能の拡充だ。
分割画面レイアウトやMaterial Youを導入した新UI
UIの変更に関しては2022年5月に開催された開発者向けイベント「Google I/O」でも予告されていた内容で、同日から順次すべてのAndroid Autoユーザーに提供される。
あらゆる画面サイズ・画面比率の車載ディスプレイに対応できる分割画面レイアウトや、Android 12以降のスマートフォンと共通のデザインフレームワーク「Material You」が導入される。クイックランチャーやGoogle アシスタントの提案メニューの追加により、安全かつ速やかに操作・応答できるよう改善した。
デジタルキーはGalaxyやXiaomiにも対応予定
デジタルキーとはスマートフォンが自動車の鍵代わりになる機能で、自分が運転する際の利便性が向上するのはもちろん、家族や友人と車を貸し借りする際にも役立つ。開始当初はPixelスマートフォンのみを対象としていたが、サムスン電子のGalaxyシリーズでもまもなく利用できるようになると予告された。また、2023年後半にはシャオミ(Xiaomi)のスマートフォンにも対応する。自動車側の対応メーカーは現時点ではBMWのみだが、こちらも順次拡大していくという。
「Google built-in」対応車種向けの新機能
一部メーカーの最新車種は、通常のAndroid Autoよりも車両システムと高度に連携し、より多くの機能を利用できる「Google built-in」に対応している。今回の発表では、Google built-in対応車種向けの新機能にも言及した。
まず、通常のGoogle マップよりも高品質な地図・ナビゲーション機能の提供が計画されており、ルノーの一部車種向けにはサードパーティ製のナビゲーションアプリ「Waze」が採用された。Google自身が開発する「HDマップ」も用意されており、まずはボルボの電動SUV「EX90」や「ポールスター3」向けに提供する。
HDマップの特徴としては、通常のGoogle マップよりも詳細な車線や標識などの情報が含まれており、自動車の運転支援機能や自動運転機能との連携が強化されている。
また、EVの充電待ち時間など、運転中以外の車内で過ごすシーンを想定し、エンターテイメント機能にも力を入れる。米国で人気の動画配信サービス「Tubi」や「MGM+」のアプリをGoogle Play経由で提供開始しており、近日中に「YouTube」にも対応する。
Google built-in対応車種は先述のルノーやボルボ/ポールスターのほか、シボレー、GMC、キャデラックなどからも発売されている。また、2022年12月に米国向けに発表された新型「アコード」を皮切りに、本田技研工業(ホンダ)が国内メーカーとしては初めて対応メーカーに加わる。